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職人の技が光る、抜群にうまい「とり皮」の店

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福岡赤十字病院の近くで、日赤通りから少し入ったところにこの店はある。ここは知る人ぞ知る「とり皮」の店で、お客のほとんどが常連客なのだ。

外観

古民家の扉をガラガラと開けるとすぐに
「デビさん、いらっしゃい」
と店主の崎村光晴さんが快く迎えてくれた。

店主の崎村さん(右)

崎村さんは少し色のついたメガネをかけているので、一見するといかついイメージだが、話しかけるときさくに返してくれるので、初めての訪問でも安心だ。でも若いころはきっと❝わるそう❞(博多弁でわんぱくという意味)やったに違いない。そんなオーラを身体全体から醸し出しているのだ。職歴は、喫茶店や寿司割烹で働いていたかと思えば、パチンコメーカーの釘師になったり、昔流行ったDCブランドのショップで働いたりと多彩だ。焼肉店の立ち上げなどを経験した後、37歳で自身の店、ホルモンの「東洋ショー」を立ち上げた。天神にあったストリップ劇場と同じ名前を付けるところが面白い。そこは7、8年後に売却したそうだが、売却したその日に「かわ屋」の先代から誘われ、警固店の立ち上げをまかされたのだとか。
「かわ屋 警固店」を立ち上げて、7年間店長をしたのち、2017年に「焼とり 崎三」をオープンした。ちょうど崎村さんが54歳の時で、今年の7月をすぎて8年目に突入したのだそう。店は夫婦二人三脚で営んでおり、仕込みで鳥皮を串に巻くのは奥様で、焼きは崎村さんが担当している。今後の事を聞いてみたら、「先のことはわからないが、体力的にできるところまでこの店で頑張っていきたい」とのことやった。

とり皮

ここの「とり皮」(143円)は「かわ屋」とは使っている醤油が違うらしい。「かわ屋」の醤油は千葉県のキリッとした関東風で、こちらの醤油は宗像のものだそうだ。そこまで甘くはないが、キリッとした感じでもない。今でも仕込みは昔ながらの方法を忠実に守っており、7回焼いて脂を落とし、仕込みを始めて6日目に提供するのだとか。とにかく仕込みに時間がかかるのだ。そうやってコツコツ作りあげることで、外側がパリッと内側が絶妙な弾力の「とり皮」に仕上がる。今回は1人で15本も食べてしまった。

ささみしぎ焼き

柔らかく焼いたささみをワサビ醤油でいただく「ささみしぎ焼き」(1皿2本440円)は、「かわ屋」でもお馴染みの逸品で、酒がすすんでしまう。

ごますり器

そうそう、卓上調味料のところに赤いごますり器の「スリッキー」を「かわ屋」で見かけたことがある人もいるだろう。あれは何に使うのか知っているだろうか。実は焼鳥を置く皿にのってくるキャベツにかけるためのものなのだ。すりたてのごまは香りもよく、キャベツとの相性も良い。これは崎村さんが「かわ屋 警固店」で最初に始めたものらしい。

味噌サガリ

常連客からオススメされた「味噌サガリ」(275円)は、食感が良いうえに味噌が効いているので、またまた飲んでしまうね。

バラ

そして、やっぱり「バラ」(143円)はここでも人気のメニューのようだ。薄めにカットされて焼かれた豚バラ肉は、肉々しい感じで塩が効いていた。

鰯串

個人的なお気に入りは「鰯串」165円で、内臓の苦味が最高にうまい。

内観

崎村さんはあんまり真面目に仕事をしてないように見えるが、実は店内をよく見ており、お客の食べるペースに合わせて少しずつ焼いてくれる。こういう心遣いは嬉しいね。
こういう店が近くにあったら行きつけになりそうだ。私も通うので、あと20年くらいは継続してほしい。

メニュー 表示は税別価格

焼とり 崎三
福岡市南区那の川1-16-4
092-534-6272

デビ高橋
福岡グルメや福岡ランチを紹介しているブログ「デビログ」を運営。「お肉博士1級」の資格も持ち、グルメ関連のキュレーター・講師・審査員を務めたり、福岡のテレビ・ラジオで活躍中。著書は「15年間毎日外食して、1万軒を食べ歩いた『デビログ』が見つけた福岡グルメの答え全100店」(KADOKAWA)。インスタID:devi_takahashi

店舗名:焼とり 崎三
ジャンル:焼鳥
住所:福岡市南区那の川1-16-4
電話番号:092-534-6272
営業時間:17:00~OS23:00
定休日:不定休
席数:カウンター10席、座敷20席、小上がり10席
個室:10~20名
メニュー:とり皮143円、ズリ143円、バラ143円、ささみしぎ焼き1皿2本440円、牛サガリ363円、雲仙ハム330円、鰯串165円、酢もつ363円、とり茶漬け605円、生ビール中638円、酎ハイ550円~、焼酎一合605円、日本酒550円~
URL:https://www.instagram.com/yakitori_sakisan/

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この記事を書いたひと

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