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実力派フレンチシェフが手がける噂のランチ。コスパの高さは予想以上!

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聖福寺にほど近い、博多の町なかに2011年に産声をあげ今年で13年。「ビストロサイダ」はシェフの腕前に加えその温かみある雰囲気で、地域の住人あるいは近辺に勤める人々に愛され続けています。『ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎 2019』にも掲載され、その評判は知っていたものの、「ここのランチがとにかくすごい」と耳にしたのは最近のこと。ずっと気になっていたお店だったので、これ幸い!とランチに出かけました。

サイダ外観 サイダ内観

フレンチと聞くとつい身構えてしまいがちですが、ここは違います。お店の人との距離を近く感じるコンパクトな空間、そして昼間は窓から存分に自然光が入り、すぐにリラックスモードになりました。

落ち着いたところで、さっそくランチメニューを見てみましょう。

サイダランチメニュー

ランチは「ビストロハンバーグ」と「トリモモコンフィのソテー」(各1,200円)が定番で、日替わりでハヤシライスやカレー、パスタなども提供しているそうです。噂のランチはハンバーグ。でもトリモモコンフィも気になる~ということでそちらも注文しました。

サイダコンフィ

「トリモモコンフィのソテー」は、2種類あったソースから「トマトソースとパルミジャーノレジャーノ」をチョイス。パリッとした皮にナイフを入れると、力を入れずともホロロと崩れるほど身が柔らかく、頬張ると肉汁と旨味が口に広がります。さらに塩加減も絶妙です。なんでもハーブとスパイスをまぶした鶏モモを塩漬けし1晩寝かせ、低温の油で2時間半から3時間かけてじっくり煮込んでいるとのこと。また、オーナーシェフ・才田隆司さんは伝統的なレシピで鴨油を使うことにもこだわっていて、「オリーブ油などでも代用できますが、やはり鴨油で煮込むと味の深みが違います」と話します。

サイダハンバーグ

そして、こちらが噂のハンバーグです。この日は3種類のソースに加えチーズハンバーグもありましたが、デミグラスソースを選びました。
出てきたハンバーグはとても分厚く、ナイフを入れた瞬間に湯気が立ち上り、続いて肉汁が溢れ出ます。お肉は柔らかすぎず粗すぎず、ふわっとした食感です。この厚さで中までしっかり火が通っているのは、フライパンで外側を焼いた後にオーブンでじっくり焼き上げているからだそう。では、このふんわりさはどう生み出すのか?と聞いてみると、「これといった秘訣はないんですが……気持ちを込めているからですかね」と笑って答える才田シェフ。けっこう、お茶目なところがありますね。

才田シェフの料理への姿勢は、メインのみならず付け合わせの野菜やライスからも伝わってきます。みずみずしい野菜サラダ、旬の野菜を使ったソテー、シルキィな舌触りのマッシュポテト、そして熊本県山鹿の山里にあるご実家で作ったお米のライス。一つひとつ味わうごとに、そのおいしさに頷いてしまいます。

サイダディナー

ランチではデザート2種類400円という破格で出していて、女性客はほぼ注文しているそう。もちろん、私も迷わずオーダー。この日は、ブランマンジェとベイクドチーズケーキでした。
口溶けのよいブランマンジェは、3種のベリーを使ったソースの香り豊かなこと。そしてチーズケーキは土台のクッキーとケーキの間にスイートポテトがサンドされているというアイデアもののおもしろおいしいケーキで、印象に強く残りました。

サイダご夫婦

ここで、おいしさの種明かし。才田シェフは福岡の洋食レストランで4年働いた後に、東京へ。東京では「ル デッサン」や「レストランサカキ」などいくつかの洋食店やフレンチで腕を磨き、独立を果たした実力派です。また、奥様の由希子さんはアメリカの大学で製菓を学び、フランスでも修行した経験をもつパティシエなのです。
ちなみにホールも担当する由希子さんと交わす会話はとても楽しく、「妻とのおしゃべりが目的のお客様も多いんですよ」というシェフの言葉に納得です。

ランチで実感したその腕前、夜も期待したくなるのが食いしん坊の本能でしょう。夜についてもちょっとご紹介いたします。

サイダディナー前菜

夜はおまかせコース5,000円、6,500円、8,500円の3種類があり、前菜、魚、肉、デザート、コーヒー、自家製パンという構成で、金額により食材が変わります。
写真は5,000円のコースの前菜より、西洋野菜セロリラブのヴルーテ(ポタージュの基礎となる濃厚スープ)です。中央にはサワラフライ、焼きナス、「インカのめざめ」のグリルが鎮座、上に竹炭を使った網状のチュイールが飾られています。ヴィジュアルも味も繊細に尽きる!の一品です。このように夜は才田シェフのフレンチの技と味を、ワイン好きご夫妻厳選のワインとともに存分に楽しめます。


昼は洋食、夜はフレンチというスタイルで、それぞれ違う楽しみ方ができる「ビストロサイダ」。まずは気軽にランチにGo! でも、その直後にはきっと夜も行きたくなるはず……。

サイダワインイメージ

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この記事を書いたひと

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