「臨場感」を伝える / 丸尾 昌弘

技術

丸尾 昌弘 MASAHIRO MARUO

2012年入社

技術局 制作技術部

スポーツ中継へのあこがれ
緊張と責任の先にあるもの

“何だか面白そう”から“スポーツ中継をやりたい”へ。放送局で技術系の仕事をしていた父に連れられて中継の現場を見学した幼いころの気持ちは、中学と高校で6年間野球をしてそう変わりました。それなら、福岡で他局よりスポーツの主催大会や生中継、それも自主制作番組が多い当社に入りたいと思ったのです。
入社5年目に放送技術部から制作技術部へ異動し、今は生番組を中心に音声を担当しています。スポーツ中継は移動中継車、『今日感テレビ』ではスタジオでミキシングすることが多く、ロケではガンマイクを持つことも。後戻りができない生放送は責任も緊張も大きく、いくらトラブルやハプニングを想定して予備のマイクを仕込んでおいても実際にそれが必要になった時には心臓が一瞬止まりそうになります。だから、無事に本番を終えた瞬間は何とも言えない安堵感と充実感を覚えます。

音声にしか出せない迫力
ほかにはない確かな役割

当社が毎年主催・制作している『別府大分毎日マラソン大会』や、女子プロゴルフトーナメント『ほけんの窓口レディース』は、地方局が全国放送を手掛ける数少ないスポーツ番組です。マラソンでは1週間前に現地入りして機材をセッティング、それからテストやリハーサルを繰り返し、本番では移動中継車に乗り込みます。ミキサーの位置の都合上、レース中は進行方向に対して横向きに座ったまま、それも走る車の中で2〜3時間操作しなければならないのでなかなか大変です。
テレビに音声があるのは当たり前で、それは出演者の声や観客の声援、BGM、効果音だったりするわけですが、それらによって映像の迫力が増し、視聴者の気持ちを盛り上げることもできます。たとえばゴルフで優勝が決まる場面、会場は静けさに包まれている。そしてボールがカップに入った瞬間、ワーッと大歓声が湧き起こる。そんな熱気や感動、臨場感を伝えることが使命だと思っています。

自分ではどうすることも
できないものだからこそ

私たちが集めて調整する音声は、自分がしゃべったり演奏したりしたものではなく、第三者や自然発生的なものです。人の声は十人十色で、同じ人に同じ声をもう一度出してもらうことはできないし、アナウンサーも野球中継でただ実況している時と、ホームランを打った瞬間に「行ったー!」と叫んだり、優勝が決まった直後のインタビューで「放送席、放送席!」と興奮したりしている時の声は当然違います。しかも、スポーツやロケの生中継だと二度と同じ場面がないので常にミキサーのツマミを触りながら先の展開を予測し、素早く対応できるよう準備しておかなければなりません。簡単そうで奥深い、だから満足より不満や反省のほうが多く、一生終わりがない世界だと思っています。でもいつかは映像の分野や、番組の技術面をまとめるテクニカルディレクターといった仕事もこなせるようにもなりたいですね。

休日の過ごし方

会社の仲間とはオフも時々、一緒に過ごします。ゴルフは月イチ程度でコースを回り、スコアはだいたい90台。250ccの愛車でツーリングへ出かけるのもいい気分転換になります。特に熊本の草千里の開放感はもう最高。途中で阿蘇の「あか牛」や呼子のイカといった地元グルメを楽しんだり、温泉に立ち寄ったりするのも大きな楽しみです。

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