「つながり合えるもの」を伝える / 浅上 旺太郎

制作

浅上 旺太郎 OTARO ASAKAMI

2015年入社

制作局 テレビ制作第一部 兼 報道局 報道部

念願かなって報道部へ
そこで開けた新たな世界

“大学の法学部で専門的に学んだ憲法や政治の分野を生かせる仕事って何だろう”と考えてたどり着いたのが、報道に強く選挙番組にも力を入れている当社でした。そして、希望どおり報道部へ配属されて取材に励むうちにVTRを作る楽しさを知り、入社3年目から制作部へ。以来ディレクターとして主に、週1回『今日感テレビ』で使う15分ほどのVTRの企画から取材、撮影、編集までを担当しています。その本番中は「サブ」と呼ばれる部屋から隣のスタジオへ指示を出すことが多いのですが、オンエア担当として直接スタジオで音声担当やカメラマンとやりとりすることも。そのほか、重大な災害や事件などが起きたときには記者時代の経験を生かして現場での取材も行います。

15分間の裏にあるもの
予定は未定、一寸先は…

制作するVTRは15分間といえ、皆さんが考える以上に大変なんです。毎週のことであり、『今日感テレビ』の主な視聴者層である30〜40代の女性が好むテーマで、ほかのディレクターの企画とかぶらない内容でなければならず、いつもネタ出しには苦労しています。そのため普段から新聞や雑誌、ネット記事、SNSでの情報収集は欠かせず、ほかにも女性の友人に最近の流行を聞いたり、主婦目線でスーパーへ行って野菜の価格を調べたり、記者時代には無縁だった自炊をしたりしてヒントを得ることもあります。
デスクと呼ばれる上司との打ち合わせで方向性が決まれば、あとは台本を作って取材です。しかし、ハプニングなどで台本どおりに進むことはほとんどなく、臨機応変にどうすれば内容がもっと良くなるのか考えながら撮影します。制作での苦労も多く、本番の数分前に編集が終わったときはまったく生きた心地がしませんでした。それでも毎回内容が違い、工夫次第でどんどん面白くできるのでやっぱり制作の現場は楽しいのです。

あの被災地に1年間密着
忘れられない心の触れ合い

入社して最も印象に残っているのは、平成29年7月九州北部豪雨の取材です。被災した福岡県朝倉市東峰村から『今日感テレビ』で中継をつないだのですが、その後も1年間にわたって毎週、それもほぼ自分ひとりでデジカメを持って現地へ行き、番組内で復興していく様子を伝え続けました。被災から1カ月後、半年後、1年後には2時間の特番を放送。その制作はディレクター数人との共同作業でしたが、それまで味わったことのないやりがいを感じました。そうして放送を続けるうちに、当初は取材を拒んでいた方々も少しずつ話をしてくださるようになり、すべての取材を終えた今も交流が続いています。
私は、取材先と視聴者とスタッフをつなぐ立場にいます。ただ情報を正しく伝えるだけでなく、取材を受けてくださった方の思いや、自分がその場で見聞きして感じたことを最も良い形で編集、構成することが使命です。そのうえで視聴者の方々に「観てよかった」と何らかの感情を持ってもらえたとき、はじめてつなぎ役として“伝える”ことができたといえるのではないかと思っています。

休日の過ごし方

趣味のひとつはキャンプで、阿蘇の南小国町へよく行きます。そこはまさに別世界で、たき火を眺めながら飲むお酒がたまりません。もうひとつは海外旅行で、今まで訪ねたのは20カ国くらい。ドイツのミュンヘンでオクトーバーフェスタや城巡りを楽しんだことが一番の思い出です。いつかインカ帝国の遺跡、マチュピチュに行ってみたい!

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