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年収格差が子供の学校外の「体験」を左右、習い事ができない家庭を福岡市が支援

新年度が始まり、1か月が経ち子供を習い事に入れようと考えている人、すでに習い事を始めた人も多いと思います。その一方で、食費や光熱費など物価の高騰が続き、子供の習い事も家計にとって大きな負担となっています。


◆野球チームでも習い事の掛け持ちOK
福岡県久留米市の野球チーム「山本スカイヤーズ」には園児と児童約25人が所属。WBCにも出場したホークスの牧原選手も小学校時代、このチームでプレーしていました。1か月の授業料も保護者にとってはお手頃なようです。

保護者「週5回しっかりしてもらって月3500円ですね」

スポーツ庁が調べた中体連の競技人口によると、軟式野球をする子供は2009年度に約30万人いましたが昨年度は約14万人に減少しました。

山本スカイヤーズ・鹿毛誠也監督「うちのチームは、空手やピアノやサッカーをしながら野球をやっている子供が多いです」

チームは子供たちが他の習い事で野球の練習を休んでも何も言わないことにしています。メンバーに聞くと「野球と空手」、「野球とピアノと塾」、「野球とピアノと水球」などの組み合わせが確認できました。保護者によると水泳は月に約6000円、ピアノは月7000円かかるそうです。


◆順位を上げる「プログラミング」
子供の習い事図鑑が調査した12歳までの人気の習い事(2023年1月に1250人調査)。1位は塾や通信教育。2位以下はスイミング、英会話、ピアノでした。10位に入ったプログラミングは小学校の必修科目となった影響で4年前に比べ順位を4つ上げています。福岡市早良区にある学習塾を訪れると小学校低学年が人気ゲーム「マインクラフト」でプログラミングを学んでいました。

生徒「勉強しながら遊べるから良い」
保護者「プログラミングの“プ”の字も知らない時代に生きてきたので、どうやったら教えられるか考え教室が一番いいと思った」

この学習塾のプログラミングクラスは週1回の授業で1か月1万4300円です。

英進館教務部・岩下裕幸主任「プログラミングの考え方、順序だてて物事を考えることやコンピューターがどのような仕組みで動いているか理解して使うのと理解しないで使うのは仕事のやり方に雲泥の差が出てくる」

最近ではソフトウェアを使った音楽制作も子供の習い事として注目されています。

サウンドエンジニア・戸田清章さん「鼻歌でいいなぁと思ったらパソコンで好きなドラムパターンとかフレーズを入れて簡単に作れるんです。大人よりも子供のほうがネイティブだから、パソコンですることは大学生よりも小学生の方がスビードが速い」


◆親の年収が低く「習い事ができない」福岡市が支援
子供の習い事図鑑の調査によると、習い事の数は2個が最も多く、月にかかる1人あたりの費用は平均で1万2767円でした。一方、住友生命が去年10月に実施した調査によると家計の負担軽減のため子供の習い事を削減、もしくはやめたという人は全体の約4割に及んでいました。

市民「体操教室と塾に通わせています。他のところを切り詰めて行かせたいと思っている」市民「体操教室とスイミングとそろばんを2万円くらいかけて。食費などを削って頑張っています」

ベネッセと東京大学の調査によると1か月にかかる子供の習い事の平均費用は、高校受験を控える中学3年生が最も高く、2万1905円。次いで小学6年と高校3年が1万7000円あまりです。ただ、すべて子供が習い事をできるわけではありません。ほかの団体の調べによると世帯年収300万円未満の家庭と600万円以上の家庭では学校外の体験がない子供の割合は倍以上開きがあります。経済的な理由で習い事ができない家庭を支援しようと福岡市は生活保護世帯、または児童扶養手当を受給している世帯の小学5年生から中学3年生を対象に月額1万円分の電子クーポンを交付しています。

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