「日本のサラリーマンでやる気のある人は少ない」。最近、そんなデータを目にした。調査した145カ国で最下位。「働き方改革」ではなく「働きがい改革」が急務だという。モーレツ社員によって支えられた高度経済成長期、「24時間働けますか」がはやったバブル期を経て、日本のサラリーマンは良くも悪くも「変身」を続けている。
私が企画・脚本を務めた音声ドラマ『空想労働シリーズサラリーマン』は、昭和98(令和4)年を舞台に、「プロレタリア星」から地球に出張してきた巨大ヒーロー「サラリーマン」の姿を通して会社員の悲哀や喜びを描いてきた。これまでの全8話は、RKBラジオ公式YouTubeやポッドキャストで聴くことができる。
本作はラジオ・テレビなどの優れた作品を表彰する第61回ギャラクシー賞にエントリー中だ。
さらなる大きな展開を目指し、部署をまたいで「サラリーマンチーム」も結成された。仲間と共に仕事をする喜びは昭和的な価値観のようだが、コロナ禍入社の私にとって新鮮な感覚でもある。
地球を守る使命も、一人で果たすのは苦しい。働きがい改革とは、それぞれが「ウルトラ兄弟」ならぬ「サラリーマン兄弟」を見つけることではないだろうか。きっとその喜びは、今も昔も、地球人も宇宙人も変わらないのだ。
4月6日(土)毎日新聞掲載
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