海の再生など地球環境問題を考える「宗像国際環境会議」が10月宗像市で開催された。そこに石川県の能登半島で素潜り漁を行う海女3人が輪島の海の現状を伝えるため参加していた。
元日に震度7を観測した能登半島地震では、海底が約2メートル隆起して輪島港では漁船も壊れ、市場も崩れ、海女漁の道具も流されてしまった。さらに9月に見舞われた豪雨によって泥だけではなく、巨木やがれきが大量に流れ込み、「海が死んだ」と感じるほど絶望感に襲われたそうだ。
輪島の海女漁は約450年前、福岡県宗像市から海女が移住したのが始まりと言われている。縁のある被災地に、私たちは何ができるだろうか。
九州大学などでは、復興支援につながればと、輪島港周辺海域で超音波を使った海底測量や潜水調査などを実施し、海底地形や活断層の研究を進めている。
遠く離れていても、海はつながっている。私たちも被災地を忘れずに思いを寄せること、また伝え続けることが大切だ。できれば、能登に出かけて被災地の様子、復興への動きを自分の目で確認し、前向きなエネルギーを届けたい。「海の環境が変わっても、やっぱり海が好き」と話していた能登の海女が、笑顔で漁に出る姿を福岡からも伝えられ日が来ることを信じている。
11月30日(土)毎日新聞掲載
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