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コスト削減の鍵?建て替えの真実を解明

コスト削減の鍵?建て替えの真実を解明

自宅の建て替えを検討する際、多くの家庭が直面する問題が「コスト」の問題です。
数十年経過した実家を相続したり、現在の住まいをより快適な環境にしたいと考えたりする場合、新築とのコスト比較が、建て替えをするかどうかの重要な判断基準となります。
特に、古い家を解体して新しい家を建てる「建て替え」は、解体費用や仮住まいの費用など、多くの追加費用が発生するため、予算計画は非常に複雑になります。
 

この記事では、建て替えの際に考慮すべき費用を分析し、新築とどのようにコストが異なるのかを解説します。

 

建て替えとは


建て替えは、既存の建物を完全に取り壊し、新たに家を建設することを意味します。建て替えでは、古い建物の基礎から躯体までを一新し、まったく新しい住居を建築します。
 

建て替えの主な理由としては、建物の老朽化対策や設計の大幅な変更が挙げられます。
このため、費用は「建設費用」のほかに「解体費用」も必要となります。完全に自分好みの新しい家を手に入れることができるのは大きなメリットです。

 

建て替え費用

建て替えにはさまざまな費用がかかります。これらの費用は建物の構造、設計、選択する建材によって大きく異なるため、具体的な金額を把握するには、各住宅建築会社に見積もりを依頼することが重要です。
 

以下に、建て替えに関わる一般的な費用の相場を紹介します。具体的な費用計算に役立ててください。
 

 

建て替えの全国平均費用とは


国土交通省が発表した「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、全国平均で建て替えを行った家庭の住宅建築資金は約4,487万円です。
一方、土地購入を伴う新築の場合の平均建築資金は5,436万円となっています。
 

建て替えでは、新たに土地を購入する必要がないため、その分の費用を節約できますが、既存の家屋の解体には別途費用が必要です。
この解体費用は、建て替え全体の費用に大きく影響を与える要素の一つですが、それでも全体としては、土地を新規に購入する場合に比べて、建て替えの方が経済的に見ると有利な場合が多いです。
 

以下に建て替え時にかかる具体的な費用項目を詳細に解説しています。
 

 

引っ越しと仮住まい費用

建て替えを行う際には、現在の住宅を一時的に離れ、完成するまでの間仮住まいを必要とします。仮住まいの期間では、2度の引越しの家賃が発生します。
仮住まいの期間は一般的に建築期間と同じであり、多くの場合、半年程度を見積もると良いでしょう。
 

具体的な費用計算としては、仮住まい費用を「家賃×建築期間の月数」で算出します。
これに加え、引越し費用は始めに現住所から仮住まいへ、次に仮住まいから新居へという流れで2回必要となるため、その総額も計算に入れる必要があります。
 

また、仮住まいのスペースが限られている場合、家財の一部をトランクルームに保管することが必要になるかもしれません。このトランクルーム利用料も建築期間全体で考慮する必要があります。

 

建物解体費用

建て替えに際して必ず発生するのが、現在の家の解体費用です。解体費用は、家の構造タイプ(木造、鉄骨、鉄筋コンクリート)によって大きく異なりますが、一般的には木造が最もコストが低く、鉄筋コンクリートが最も高額になる傾向にあります。
 

解体工事の費用は、物件の規模や解体業者の選定によっても左右されます。また、建物の立地や周囲の環境、アクセスの良さなどが作業の難易度を変えるため、これらの条件によって見積もりが異なります。
解体業者を個別に探し、依頼することもできますが、ハウスメーカーに解体から新築までの一括請負を依頼することが一般的です。

 

不動産登記費用

建て替えにおいては、複数の不動産登記が必要です。最も基本的なものに「建物滅失登記」があります。これは解体された既存の建物がもはや存在しないことを法的に登録する手続きです。
次に、新しく建設された建物の詳細を登記する「建物表題登記」が必要になります。
さらに、建物の所有権を明確にする「所有権保存登記」も行う必要があります。
 

登記手続きは専門的な知識を要するため、通常は土地家屋調査士や司法書士に依頼します。これらの専門家への報酬も、建て替えの際に考慮すべき費用の一部です。
 

地盤調査と地盤改良工事費用

建て替えの場合でも地盤調査が必要となります。調査の結果、地盤に問題がなければそのまま建築工事に入れますが、軟弱地盤であることが判明した場合、地盤改良工事を行わなければなりません。
 

地盤改良費用は工事内容によるものの、大幅な改良が必要な場合、数百万円単位で費用がかかることもあります。調査をしてみないことには、工事の必要性がわからないので当初の見積もりには計上されないことが多いでしょう。予定外の出費が発生する可能性もあるので注意が必要です。

 

新しい建物建築費用

新しい家を建築する際の費用は、構造体のタイプ(木造、鉄骨造、RC造など)、使用する建材の種類、設備の充実度によって大きく異なります。また、家のデザインや規模に応じて、建築に必要な材料や工事の種類も変わってきます。
 

一般的に、建築費用には以下のような項目が含まれます。
 

  • 基本的な建物の構造に関わる本体工事費
  • 内装や設備に関する工事費
  • 地盤改良が必要な場合の追加工事費
  • 庭や駐車場などの外構工事費
     

特に、二世帯住宅を計画している場合は、一般的な単世帯住宅と比較して、キッチン、バスルーム、トイレなどの設備費が増加し、それに伴う施工コストも増大します。

新築の計画を始める際は、建築会社に具体的な住宅プランの提案と詳細な見積もりを依頼し、予算に見合った建築計画を立てることが大切です。

 

必要経費・諸費用

建て替えプロジェクトを計画する際には、見落としがちながらも重要な諸経費についても事前に把握し、資金計画に含めることが不可欠です。以下に、一般的に発生する諸経費を紹介します。
 

  • 儀式関連の費用
    地鎮祭や上棟式など、伝統的な儀式の実施にはそれぞれ費用がかかります。これらは工事の安全を祈願するもので、地域によっては欠かせない行事です。
  • 住宅ローン関連の費用
    融資の手数料や保証料など、住宅ローンを利用する際には複数の関連費用が発生します。
  • 税金
    不動産取得税や登録免許税など、新しい建物の建築とそれに伴う登記変更で発生する税金を考慮に入れる必要があります。
  • 火災保険料
    新しい住宅の火災保険に加入するための初期費用も、建て替えの際の出費として予見しておくべきです。
  • インテリア・装飾費用
    新居の照明、家具、カーテンなど、居住空間を快適にするための追加費用も見逃せません。


これらの諸費用は、建築工事費用とは別に必要となるため、総予算に占める割合を考慮して、十分な資金計画を立てることが肝要です。
 

家を建て替えのメリット


ここでは、建て替えによって得られる主なメリットについて詳しくご紹介します。
 

 

慣れ親しんだ場所に住み続けられる

建て替えの大きなメリットとして、長年住み慣れた土地で新しい家を築き、同じ場所での生活を継続できる点が挙げられます。
建て替えは、地域のコミュニティや隣人との絆を保ちながら、新しい住宅での快適な生活を実現できます。日々のルーティンや生活スタイルを大きく変えることなく、お馴染みのショッピング施設や子供たちの学校にも引き続き変更せず通うことが可能です。
こうした環境の継続は、特に家族全員にとって精神的な安定にも繋がります。
 

 

新たな土地探し不要

建て替えのメリットの一つは、新しい土地を探す必要がないことです。住宅の建て替えでは、すでに所有している土地を利用するため、新しい場所を見つける手間や関連する時間とコストを節約できます。
これにより、土地探しに伴うストレスや追加費用から解放され、建築計画に集中することが可能になります。
 

 

間取りや設備の最新化

建て替えを行う際、家族の今のライフスタイルやニーズに合わせた間取りの変更や、最新の住宅設備へのアップグレードが可能です。これにより、以前の家に感じていた日常の不便や不満を根本から解消することができます。
 

たとえば、キッチンや浴室の設備を最新のものにすることで家事の効率が格段に向上したり、リビングスペースを広げてオープンな空間を実現したりすることが可能になります。
さらに、バリアフリー設計を取り入れることで、将来的な生活の安心も図れます。間取りや設備を自由に選べることは、建て替えの最大の魅力の一つです。
 

 

建て替え検討の際の注意点


建て替えを検討する際には、いくつか注意すべき点があります。まず、建物が「再建築不可」の場合、解体後の再建築が許可されていないため、計画を進める前にこの点を確認することが必須です。
 

さらに、現行の建築基準法に基づいて建て替える必要があるため、元の建物が既存不適格である場合、新しい建物は建築基準に準拠する必要があります。これにより、建蔽率や容積率の規制によって、建物のサイズや高さに制限が生じ、元の建物より小さくなる可能性もあります。
 

費用に関しても注意が必要です。建て替えには多額の資金が必要となるため、金融機関や住宅メーカーによる詳細な費用試算が不可欠です。
無理のない返済計画を立て、事前にしっかりと資金計画を行うことが重要です。資金計画をしっかり立てることにより、将来的な金銭的負担を軽減し、建て替え後も安心して生活できるようにするための準備が求められます。
 

これらの点を踏まえ、建て替えを検討する際には、専門家であるハウスメーカーの担当者との相談を積極的に行い、すべての可能性を考慮に入れた上で計画を進めることをおすすめします。
 

 

建て替えに向いている人物像

建て替えに向いている人は、「生活環境を保ちつつ住まいの質を向上させたい」と考える方です。この場合、家族全員が建て替えに同意し、共通の目標を持っている必要があります。


ただし、建て替えには解体から新築まで膨大な費用が発生するため、売却による資金調達ができない点を考慮し、事前の資金計画が非常に重要です。そのため、十分な資金力と建て替え期間中の時間的余裕が必須条件となります。
 

 

建て替えのステップ


建て替えは段階を追って進める必要があります。具体的な手順を以下に示し、各ステップにおける注意点を解説します。
 

  1. 業者選定と見積もり
    まずは、信頼できる建築業者やハウスメーカーを選び、見積もりを依頼します。間取りのプランニングもこの段階で行い、予算に合った業者を選ぶことが大切です。複数の業者から見積もりを取ることで、適正価格を把握しやすくなります。
  2. 住宅ローンと工事契約
    選定した業者が決まったら、住宅ローンの事前審査を行い、融資の可否を確認します。融資が承認されたら、業者との間で正式な工事請負契約を結びます。
  3. 仮住まいの手配
    建て替え期間中の仮住まいを事前に確保します。通勤や通学、生活環境に支障がない立地を選び、必要な条件を満たす物件を選定することが重要です。
  4. 解体工事と近隣への挨拶
    解体工事を始める前には、必ず近隣住民に挨拶を行い、工事の日程や内容について説明し、理解を求めます。その後、仮住まいに引っ越し、解体工事を開始します。
  5. 新居の建築と工事管理
    新居の建築が始まると、建物の進捗状況を定期的に確認し、地鎮祭や上棟式などの儀式にも参加します。工事の進行状況や品質管理に注意を払い、問題が発生した場合は速やかに業者に対処を依頼します。
  6. 新居の引き渡しと最終確認
    工事が完了したら、引き渡し前に新居を詳細に検査し、問題がないか最終確認を行います。全ての手続きが終わり次第、新しい家へと正式に移り住みます。

これらのステップをしっかりと計画し、進行させることで、建て替えによるストレスを最小限に抑えることができます。それぞれのステージでしっかりとした計画と対策を行うことが、成功への鍵となります。

 

まとめ

建て替えは新築住宅購入と比較して特有の手間と費用が伴いますが、慣れ親しんだ地域での生活を続けられる大きなメリットがあります。
建て替えを考えた際には、まず家族のニーズに合わせた設備や間取りをじっくり検討し、慎重に見積もりを取ることが重要です。
計画的に進めることで、ストレスを最小限に抑えつつ、理想的な新居を実現することが可能です。
 

さらに、住宅展示場を積極的に活用することで、様々な住宅会社の情報収集と比較が行えます。住宅展示場では、専門のスタッフが一人ひとりの要望や予算に合ったプランを提案してくれるため、建て替えにおいて理想と現実のバランスを見極めることができます。
また、建て替えにおける不安点をクリアにしながら、資金計画のアドバイスも受けられるため、より安心して新しい住まいの計画に取り組むことができるでしょう。
 

建て替えを成功させるためには、事前の情報収集と計画的な準備が不可欠です。家族全員が納得する住まい作りを目指し、長く愛される家を築き上げましょう。

 

WRITER

平井 祐佳里 宅地建物取引士

大学在学中より不動産の道に進み、建売会社にて用地仕入れを担当。結婚・育児を経験した後にハウスメーカーの不動産課に勤務し家族を持つ人々のニーズを深く理解し、顧客に寄り添った不動産サービスを提供。本格的な宅地開発を学ぶため、宅地開発専門の不動産会社に従事後、地域に根付いた土地活用の提案をするため総合不動産会社にて現在勤務中。

 

 

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この記事を書いたひと

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