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【ソフトバンク】3割打者激減の中、近藤だけはレベチ!

交流戦終了時点で3人

セ・パ交流戦も終わり、プロ野球は各チームとも60試合以上を消化。まだ半分以上残っているとはいえ、開幕からまもなく3か月となるこの時期に、打撃成績表に目をやると、規定打席到達者で打率3割台の打者は、パ・リーグではホークス・近藤と日本ハム・田宮、セ・リーグでは日本人打者は皆無で、ヤクルト・サンタナのみ。両リーグ合わせて3人しかいない。この人数が、シーズン終了後に増えているか減っているかは分からないが、それにしても少なすぎる。

14年前には27人もいた

この20年の3割打者の数を調べてみた。去年が5人で一昨年が6人と決して多くはないが、さすがに今年よりは多い。ここ10年では2018年の20人が最多、まだ6年前の話だ。ただし、セ15人に対しパは5人。2016年にはセ9人、パ6人、2014年はセ12人、パ7人と、いわゆるパワーで押すタイプの投手が多いとされるパ・リーグの方が3割打者が少ない傾向だ。さらに遡ると、2010年と2005年はともに27人。やはり今年の3人というのは明らかに少ないと言える。

年々向上する投手レベル

これについて、ホークスの村上隆行1軍打撃コーチに尋ねてみた。すると、その要因として、いの一番に「ここ数年の投手レベルの急激な向上」を挙げた。特に村上コーチが指摘するのが球速。かつては時速150キロの球を投げる投手出現には驚いたものだったが、近年、150キロ超えの投手は珍しくなくなり、160キロさえ超える投手が出てきていることは周知の事実。とは言え、そんな剛速球を打ち返せる打者もいるので、「決して打者レベルが低下したわけではない」と力説する。

球種の増加、持ち球の増加

一方で、RKB野球解説者・岸川勝也氏は、「球種が増え、それらを数多く操ることのできる投手が増加している」ことを挙げる。スライダーを、縦・横、また僅かな変化のカットボールを全て別物と解釈するなど、球種はかつてないほど細分化されてはいるが、一人で幾種もの球を操る投手が昨今珍しくない。日本ハム・伊藤大海の持ち球は9種類以上とも言われるそうだが、ホークスの有原や大津の7種類もかなりのもの。今季、1軍で登板記録のある投手で、直球を含む球種が6以上という投手は90人以上もいる。球種が多くなれば、当然、打者は絞り辛くなる、という訳だ。

かつては2球種しか投げない投手も

ホークスの元監督・工藤公康氏の全盛期や巨人で活躍した江川卓氏は、直球とカーブの2種類で勝負していたのが懐かしい。この二人の誕生があと2~30年遅かったら、本人たちはどうしていただろうかと、ふと想像してしまう。

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