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七色の輝き!奄美の真珠の物語

鹿児島県本土から南に380km。世界自然遺産の島・奄美大島に、真珠の養殖から販売までを手掛ける会社がある。「奄美サウスシー&マベパール」。マベパールとは、あたたかい海に育つマベ貝から生まれる半円の真珠だ。マベ貝は潮の流れが速い場所に生息するため採取することが難しく、「幻のパール」とも呼ばれてきた。

 

日本では奄美だけで養殖されている希少な真珠だ。特徴は、レインボーパールとも言われるほどの美しい輝き。そして、様々な形。ドロップ(涙型)やハート、三角形など、形状はバリエーション豊かだ。


奄美の真珠養殖の歴史は、明治時代にさかのぼる。地域をあげて真珠養殖に乗り出し、核の入れ方や貝の育て方などの技術を発展させてきた。良質な貝を育て、挿核し、浜揚げ。ひと粒の真珠ができるまで、およそ6年。

 

長い時と人の手をかけ、独特の虹色の輝きが生まれるのだ。現在、「奄美の輝き」と商標登録をして、売り出している。海と人と貝のコラボレーション。豊かな自然と先人たちが守り続けた伝統が生みだす、真珠の物語を伝える。

企業名:奄美サウスシー&マベパール 株式会社
代表者:野村 嘉嗣さん
住 所:鹿児島県大島郡瀬戸内町古仁屋船津26-2
電 話:0997-72-4061(事務所)0997-76-3303(店舗)
ホームページ:https://amamipearl.com/company

取材後記

初めてその真珠を目にしたのは、数年前。世界自然遺産登録の可能性が高まり奄美大島に注目が集まり始めた頃。奄美空港に奄美パールの直営店ができました。看板には「ここだけの奇跡」とあります。奄美でしか作られていない真珠があることを知りました。しかも、その真珠は虹色の輝きを放ち、普通の真珠のイメージを覆します。別名、レインボーパール。仕事で奄美を訪れ空港に降り立つたびに、いつか取材してみたいと思っていました。

 

今回、機会を得て養殖現場を取材させていただき、その真珠は単なる宝飾品ではなく、人の手と自然が作り出す芸術品であることを実感しました。ひと粒の真珠を取り出すまでには膨大な時間と手間がかけられています。そして、そこで働く人たちは、その手間を惜しむことがありません。素顔はシャイな職人集団。口数は多くありませんが、貝を育て真珠を作る仕事に誇りを持つプロフェッショナルです。

 

飼育環境に目を配りながら稚貝を育てる担当者は、「自分の子どもと一緒だ」と語りました。番組は、世界に誇れる奄美の真珠とその真珠を生みだす職人たちの物語です。シャイな海の男たちに代わって精一杯、奄美パールの魅力を伝えています!

 

(MBC南日本放送/北原 由美)

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