7月に入って猛烈な暑さが続きました。さて、県内で最も暑い場所、つまり最も高い最高気温を記録しているのはどこでしょうか。答えは久留米市。2018年8月13日に39.5度を観測しました。では、最も気温が下がりにくい、つまり最低気温が最も高い場所はどこでしょう。実は福岡市なのです。
今月9日、福岡市は朝の気温が30.1度までしか下がらず、この日、全国で最も高い最低気温を観測しました。なぜ、福岡市の夜は暑いのか。主な要因は二つ考えられます。
一つは、都市化。アスファルトや建物による蓄熱、エアコンや自動車からの排熱などの影響で、人口が多い都市部は、大変熱がこもりやすいのです。
もう一つは、フェーン現象。フェーン現象とは、風が山を越えて吹き下りる時に、気温が上がる現象です。福岡市の南には、標高1000メートル超の脊振山系をはじめ、さらに南にも山々が連なっています。このため、南風が卓越する夏場、福岡市は極端なフェーン現象の影響を受け、日本一寝苦しい街となるのです。なお、県内で2番目に最低気温が高いのは糸島市で、これも同じ理由です。
日本で屈指の寝苦しい街となっている福岡市。夜間も熱中症対策を万全にお過ごし下さい。
横尾槙哉=RKB気象予報士・防災士
毎日新聞福岡版 2024年7月13日掲載
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