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改編期を乗り越えるための秘策?番組イベントを10月に仕掛けた理由

放送業界にとって、4月と10月は新番組をスタートさせる改編期。だが「新しいものが始まる」ということは、同時に今まで続いてきた番組が終了することを意味する。出演者やスタッフたちにとってはその「宣告」がいつくるのかが気がかりな時期だ。

だが“ある秘策”によって、心にゆとりを持って改編期を乗り越えた番組がある。RKBラジオで毎週金曜夜に放送している『#キューパレ 服部さやかのシュンすぎ』だ。ご当地アイドルの元メンバー・服部さやかが歯に衣着せぬ物言いで、リスナーたちや福岡のタレントはもちろん、全国各地の局アナやラジオパーソナリティにまで厳しくも愛のあるツッコミを入れることで人気を集めている。

局アナやタレントのSNSを“摘発”するコーナーも

この番組がとった作戦はこうだ。改編期を迎えた直後の10月第1週目に、リスナーを集めたイベントを企画、その告知を8月ごろから始める、というものだ。これでは放送局内から番組を終わらせよう、という声は起きにくくなる。同時にファン心理として「イベントを失敗させたら番組が終わるかもしれない」というプレッシャーを与え、参加意欲を高める効果も生まれる。まさに一石二鳥のタイミングなのだ。

そんな理由から10月6日、福岡市内で開催されたイベントには、遠くは関東・関西から「radikoプレミアム」で番組を聴いているリスナーたちも含め、ファンたちが会場を埋め尽くした。

関東・関西のリスナーも多数参加

今回のイベントのコンセプトは、ハイボールを飲みながら、服部がスナックのママとなって番組ADの「やまびこ」と一緒にリスナーのメールを紹介していく番組の人気コーナー「スナックさやか」の逆バージョン「スナックやまびこ」。和装をしてママに扮したのはADの方で、リスナーにもおつまみと一緒に焼酎ハイボールやソフトドリンクなどが配られた。

ADやまびこと服部さやか

放送では話せない、他言無用の業界裏話や、メッセージを送ってきたリスナー本人を目の前にしながら、いつもの調子で相手を「いじる」服部とAD。それが他の観客たちの爆笑を誘う。最初は遠慮気味だったリアクションも、アルコールが入ったせいもあってか、次第に大きくなってくる。「お前がいつも番組にメールしてくる〇〇(ラジオネーム)か!」服部のボルテージも最高潮だ。

プロデューサー・ディレクターも登場

終演後も服部やADと直接言葉を交わしたい来場者たちの長い列ができ、イベントに立ち会っていた局幹部への強烈なアピールとなったに違いない。イベント会場を後にし、放送局へ戻る途中、服部はつぶやいた。「次のイベントするなら、来年春だね」と。

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