子供たちに「お年玉」をあげる際に気になるのがその金額です。今回は「お年玉は何歳まであげるべきなのか」「世間的にはいくらが平均なのか」等、お年玉に関するアレコレをまとめてみました。お年玉の金額に悩んでいる方はぜひご参考ください。
お年玉はなぜあげる?
古くより、正月に歳神(年神)を迎えるために供えられた丸い鏡餅には、歳神様の魂が宿ると信じられており「御歳魂(おとしだま)」と呼ばれていました。そしてこの鏡餅は、皆が1年間幸せに過ごせるようにと供えた後に家族や使用人に分け与えられるのが慣習となっていたのです。諸説あるものの、これがお年玉の語源でありルーツと考えられています。
その後、近世になると太刀や扇など物品を与える文化が生まれ、昭和30年頃には都会を中心に現金を渡す文化も生まれ始めました。こうして現代のお年玉の風習に繋がっていくことになります。
何歳から何歳まであげるべきか
お年玉は、一般的に何歳から何歳まであげるものなのでしょうか。ここではお年玉をあげるべき年齢についてデータを交え解説します。
あげるのは何歳から?
ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行とiBankマーケティングが共同運営する「マネーインサイトラボ」が2025年に行った「お年玉の実態調査」では、お年玉をあげ始める年齢について以下のように集計されています。

Q.お年玉は何歳から何歳まであげるもの?
あげ始める年齢
1位:未就学児 73.3%
2位:小学生(1~3年) 16.5%
3位:大学・短期大学・専門学校生など 4.9%
4位:高校生 2.4%
5位:小学生(4~6年) 0.7%
※その他:1.7%
出典:マネーインサイトラボ「お年玉の実態調査」より
ご覧のように、未就学児の年齢からお年玉をあげ始める人が最も多く、続いて小学校に上がってからあげ始める人が多いという結果となっています。
何歳まであげる?
それでは何歳まであげるのか、見ていきましょう。
Q.お年玉は何歳から何歳まであげるもの?
最後にあげる年齢
1位:大学・短期大学・専門学校生など 62.0%
2位:高校生 28.7%
3位:中学生 1.3%
4位:未就学児 0.6%
5位:小学生(4~6年) 0.5%
※その他:7.0%
出典:マネーインサイトラボ「お年玉の実態調査」より
ご覧のように、最も多い回答が「大学・短期大学・専門学校生など」の62%、次に多い回答が「高校生」の28.7%となり、学生生活の終わりを区切りとしている人が多いようです。また「未就学児」とそれ以外という人が合計で7.6%を占めているのも注目点です。
年代別のお年玉の金額の相場
お年玉の金額は「小学生の時はこれくらい」「中学生になったら前よりも増やす」といったように年齢と共に変化していくものです。年代別に見るとお年玉の相場はどの程度なのでしょうか。

Q.一人につきあげたお年玉の金額は?
【未就学児】
第1位:1,000円以上3,000円未満(50.3%)
第2位:500円以上1,000円未満(23.4%)
第3位:3,000円以上5,000円未満(11.0%)
【小学生 1~3年】
第1位:1,000円以上3,000円未満(55.7%)
第2位:3,000円以上5,000円未満(26.2%)
第3位:5,000円以上10,000円未満(9.2%)
【小学生 4~6年】
第1位:3,000円以上5,000円未満(40.4%)
第2位:1,000円以上3,000円未満(34.4%)
第3位:5,000円以上10,000円未満(18.3%)
【中学生】
第1位:5,000円以上10,000円未満(42.3%)
第2位:3,000円以上5,000円未満(32.5%)
第3位:1,000円以上3,000円未満(12.4%)
【高校生】
第1位:5,000円以上10,000円未満(46.0%)
第2位:10,000円以上30,000円未満(33.0%)
第3位:3,000円以上5,000円未満(15.5%)
出典:マネーインサイトラボ「お年玉の実態調査」より
未就学児、小学生1~3年では1000円~3000円未満が一番多く、小学生4~6年では3000円以上5000円未満の割合が高くなっています。中学生・高校生は5000円~1万円未満が最も多い層となり、これがあげる金額の参考になるかもしれません。
お年玉の支出額…1世帯当たり平均1万4682円
お年玉の支出額は1世帯あたりの平均で見るとどの程度の額になるのでしょう。
家計の収支を統計している総務省統計局「家計調査 家計収支編」では、お年玉という項目はありませんが、注目したいのは「贈与金」です。1月の贈与金はそのほとんどがお年玉であるケースが多いためです。
そして以下の表は、2025年1月における贈与金の額を世帯主の年齢別にまとめたものです。
※二人以上の世帯、世帯主の年齢階級別、2025年1月
ご覧のように、1月の贈与金の全体平均額は1万4682円となっています。傾向をみると世帯主の年齢が高くなるほど、贈与金の額も増えていく傾向が伺えます。
都道府県「お年玉の支出額」ランキング
お年玉の支出額は地域によっても差が生じています。
以下の表は、総務省統計局「家計調査 家計収支編」より、1月の贈与金の額が多い地域(県庁所在地都市・政令指定都市)の上位トップ10をまとめたものです。
※二人以上の世帯、都市階級・地方・都道府県庁所在市別、2025年1月
ご覧のように、1位は和歌山市(和歌山県)で2万5247円となりました。2位は静岡市、3位は大分市と続きます。
また反対に以下の表は、1月の贈与金の額が少ない地域(県庁所在地別)の上位トップ3をまとめたものです。
※二人以上の世帯、都市階級・地方・都道府県庁所在市別、2024年1月
ご覧のように1位は川崎市(神奈川県)となり、5461円と少ない額となっています。贈与額が和歌山市(和歌山県)2万5247円と比べると1/5程度の額となっています。
以上、お年玉の金額について解説しました。お年玉があまりに少ないと子供が可哀そうですが、あまりに多すぎると金銭感覚に悪影響を及ぼすともいわれています。今回紹介した世間の平均額やご家庭の経済事情を踏まえながら、適切な額を考えてみてはいかがでしょうか。
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