3年ほど前から世界のカブトムシ、クワガタを自宅のリビングで飼育している。「ブリードショップ」で、スマトラオオヒラタという8センチほどのクワガタに出会ったことがきっかけだ。漆黒のボディに大きなあご、その存在感に完全に魅了されてしまった。そこから、この3年間で20種類以上の昆虫を飼育してきた。現在、我が家には、黄金のビロードのような体毛で覆われているエレファスゾウカブト、キラキラ輝くニジイロクワガタ、両あごの内側に赤い毛が生えているタウルスヒラタクワガタがいる。
そして、この冬、エレファスゾウカブトが卵を産んでくれた。喜びもつかの間、次は無事にふ化してくれるかという心配があった。とにかく温度管理が難しいのだ。理想の温度が25度くらいだが、今冬はしっかりと寒かった。そこで、飼育ケースを保温性の高い蓋つきの発泡スチロールの中に入れ、使い捨てカイロをこまめに交換しながら理想の温度に近づけるようにした。1カ月ほどたって、ついに2匹ふ化した。箱買いしていたもののカイロ代はかなり痛かったが、この喜びは簡単には表現できない。ただ、これから成虫になるまでには、なんと1年半から2年もかかる。道のりはまだまだ長いが、ワクワクしながら待ちたいと思う。
3月15日(土)毎日新聞掲載
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