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迫る40度の時代

最高気温41.8度。5日、群馬県伊勢崎市でとんでもない記録が出てしまいました。この数日前に兵庫県丹波市で観測された41.2度を大幅に上回って、国内観測史上最高を更新したのです。現地にいる人は、この暑さを「外気がドライヤーのよう」などと表現していました。

これで、2018年から8年連続で日本のどこかで40度以上を観測していることになります。ある場所や時期において、発生頻度が30年に1回以下のまれな現象を「異常気象」と言いますが、それが日常的になってしまっています。

この先、40度が頻発する時代になるならば、最高気温30度以上を真夏日、35度以上を猛暑日と表現するように、40度以上の暑さについても名前を付ける必要があるかもしれません。

一方、まだ40度を経験したことのないエリアもあります。高緯度に位置する北海道、2000メートル超の高い山がなくフェーン現象での気温の上昇幅が小さい九州、周りが海に囲まれていて海風の入りやすい沖縄の3地方です。

なお、九州での歴代最高は18年に観測した大分県日田市の39.9度。このまま地球全体の気温が高くなると、九州で40度を経験する日もそう遠くはないでしょう。
 

横尾槙哉=RKB気象予報士・防災士
毎日新聞福岡版 2025年8月16日掲載

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横尾槙哉