「宝くじの1等当選確率は非常に低い」と言われていますが、実際どの程度の確率で当選できるものなのでしょう。さらに運よく当選したとしても税金周りのトラブル、人間関係のトラブルなどが起きることもあり気は抜けません。そこで当記事では、宝くじの当選確率、高額当選後にトラブルに遭わないための知識をお伝えします。
宝くじの1等が当選する確率は?
宝くじの1等に当選する確率はとても低いです。以下の表に、主要宝くじ別の当選確率をまとめました。

例えば最も賞金額が高い「年末ジャンボ宝くじ」は、01組~200組までの200組・2000万枚を1ユニットとし、1ユニット当たりの1等当せん本数を1本と定めています。そのため当選確率は2000万分の1となります。
自分で数字を選ぶタイプの宝くじの「ロト7」や「ロト6」は年末ジャンボより当選確率は高くなりますが、それでも気が遠くなるほど低い確率です。
2000万分の1ってどれくらいのイメージ?
2025年現在、東京都の人口が約1426万人、千葉県の人口が約627万人です。仮に東京都と千葉県に住む人全員が一人一枚宝くじを買った場合、一人だけ当たるという確率が2000万分の1です。途方もなく低い値であることがわかるかと思います。
宝くじの当選金にかかる税金の種類と注意点(所得税、贈与税など)
宝くじに運よく当選したとしても気は抜けません。心配になるのが「税金」面です。ここでは宝くじの税金事情について解説します。
宝くじは原則非課税(所得税、住民税)
当せん金付証票法第13条により「当せん金付き証票の当せん金品については、所得税を課さない。」と定められていることから、宝くじは原則非課税となります。当選金に所得税や住民税は課せられません。そのため1億円2億円と多額のお金を得たとしても、確定申告や納税は不要なのです。
贈与税について
「贈与税」は家族や友人など第三者へ金銭を贈与した場合に発生する税金です。宝くじの当選金を贈与した場合、贈与を受けた側に贈与税が課せられます。
贈与税計算式:
(贈与金額 – 基礎控除110万円) × 贈与税率 – 控除額
例 当選金1億円を家族に贈与する場合の贈与税:
(1億円‐基礎控除110万円)×税率55%‐控除額400万円=5039万5000円
※税率や控除額の詳細は、国税庁「贈与税の計算と税率」を参考
このように贈与をすると多額の贈与税が発生するため、慎重に検討しなければなりません。
ただし、宝くじを「共同購入」という形で購入すれば、贈与税を回避することができます。共同購入とは、複数人で資金を出し合って宝くじを購入し、当選金をそれぞれの出資割合に応じて分配する購入方法です。
相続税について
宝くじの当選金を相続という形で第三者が引き継ぐ場合、相続を受けた側に相続税が課せられます。
相続税の基礎控除額の計算式
3000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
例 当選金1億円を相続人2人で相続する場合の基礎控除額:
3000万円+(600万円×2)=4200万円
この基礎控除額4200万円を超える分に対して相続税が発生します。
※相続税の税率や控除額の詳細は、国税庁「相続税の税率」を参考
相続税は基礎控除額がもとより大きく、相続人の人数が増えれば控除額をさらに増やすこともできます。ただしそれでも1億円2億円と多額の相続となると基礎控除だけでは打ち消せないため、多額の相続税が発生してしまうことがあるのです。
当選後にすべきこと
宝くじに当選すると動揺してしまうものですが、だからこそ落ち着いて行動することが大切です。ここでは当選番号の確認、当選金受け取り方法など、当選後にやるべきことを解説します。
1.当選番号をよく確認
まずは当選番号と自分の購入した宝くじの番号が合っているかをもう一度よく確認しましょう。また連番で購入している場合は「前後賞」も当選している可能性があります。今一度購入したすべての宝くじの番号を確認してみてください。
2.当選金の受け取り
宝くじ売り場で購入した宝くじの場合、当選金は次のような方法で受け取れます。
5万円以下:宝くじ売り場もしくはみずほ銀行窓口
5万円以上:みずほ銀行窓口(ただし10万円以下の場合、一部の宝くじ売り場でも受け取り可能)
100万円以上:みずほ銀行窓口(本人確認書類が必要)
5万円以下であれば宝くじ売り場で当選金を受け取れますが、5万円以上の場合は原則として銀行窓口での受け取りとなります。またインターネットやATMから購入した宝くじの場合は、当選金は指定した銀行口座へ自動で振込まれる形となります。
3.周りには知らせず慎重に使い道を考える
当選金を受け取った後は動揺したり気持ちが大きくなりがちです。しかし浮かれて周囲に高額当選したことを自慢したり、よく考えずにお金を使ってしまうと後悔する結果に繋がることがあります。宝くじに当選したことはあまり他言せず、慎重に使い道の計画を立てましょう。
高額当選者が陥りやすいお金のトラブル例
急に大金を得た高額当選者はトラブルにも巻き込まれやすいものです。天国から地獄へ転がり落ちてしまうこともあります。ここでは高額当選者が陥りがちなトラブル例をいくつか紹介しますので頭に入れておきましょう。
散財してしまう
大金が手に入ったからとはいえ、住宅、高級車、高級時計など高額なものをどんどん買ってしまうと、億単位の出費が発生することも珍しくありません。金銭感覚が狂い、あっという間に当選金が消えてしまうこともあります。これまで経験したことのない買い物をする場合には特に注意しましょう。
人間関係が壊れる
大金を得たことが周りに知れ渡ると、親族や知人などが「お金を貸してほしい」と近寄ってくることがあります。断ることで人間関係が壊れてしまったり、お金目当てだった場合は人間不信に陥ってしまうこともあります。お金は人間関係に影響を与えやすいため、当選したことはあまり他言しないほうが賢明です。
盗難や詐欺に遭う
高額当選者であると第三者に知られた場合、現金やキャッシュカードを盗難されたり、詐欺のターゲットとされることもあります。自分が他言していなくても、どこからか当選した事実が漏れている可能性もありますので、当選後は普段よりも用心して生活をしたいところです。
仕事を辞めて路頭に迷ってしまう
「宝くじに当たったら仕事を辞める」というのはよくある夢話ですが、本当に仕事を辞めてしまうのは軽率です。年齢にもよりますが、1億円2億円という大金があっても老後まで一生涯生活できる資金とはなりえないことがあります。また仕事を辞めて時間ができると、余計な散財が増えてしまったり、危険な投資などに手を出し、想定より早くお金が尽きてしまうこともあります。
高額当選金の賢い使い方は?
高額当選した場合、どのようにその大金を使っていくべきなのでしょう。最後に当選金の賢い使い方について解説します。
貯蓄に回す
最も堅実な方法は「貯蓄」に回すことです。宝くじ公式サイトの当選者レポートでも当選金の使い方で最も多いのは貯蓄(46.7%)であり、当選者の多くは当選金を貯金に回しています。教育資金、老後の資金など、目的を決めて貯蓄しておくのがおすすめです。
投資に回す
投資に回せば宝くじの当選金をさらに増やすことも狙えますが、投資はリスクも伴います。大金を得ると気が大きくなり乱雑な投資となりやすいため、だからこそ慎重に進めたいところです。投資に回す場合、「投資信託」「株式累積投資」「NISA」等、少額かつローリスクで進められる投資がおすすめです。一方で「FX」「仮想通貨」などはリスクが高いため、大金を投入するのはあまりおすすめできません。
専門家に相談する
1億円2億円と高額なお金の運用は難しく、慣れていないとその大金の力を上手く引き出せなかったり、金銭感覚が狂い誤った運用をしてしまうこともあります。高額な資産の運用に慣れていない人は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談し、プロと一緒に今後の使い方を検討していくのが賢明です。
以上、宝くじについて解説しました。宝くじはなかなか当たるものではありませんが、1等が存在する以上誰にでも当たる可能性はあります。そして宝くじで大金を手にすると何かとトラブルが起きやすくなるのも事実です。動揺してミスしないためにも「もし1等に当選したらどうするか」をイメージしながら、身構えて結果発表を待ちましょう。
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