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春はもうすぐ それでも今は おでんが恋しい

UMAGA

春の訪れを予感させる陽気の日も増えてきましたが、ふとした瞬間に冷え込みを感じるこの頃。そんな日に足を運びたくなるのが、心まで温めてくれるおでんのある一軒です。過去にUMAGAで紹介した、おでんの名店3店をご紹介します。

博多駅『食堂 加賀見』
おでんの鯵つみれが泣かせるねぇ。博多駅地下の「食堂 加賀見」は大人のオアシス

博多駅の地下街は多くの飲食店が軒を連ね、観光客と地元客で常ににぎわう場所。そんな中で、喧騒を離れてしっとりと酒と料理を楽しめる新店「食堂 加賀見」が2026年1月11日にオープンしました。渡辺通の人気店「酒と蕎麦 まき野」の姉妹店で、自慢の出汁を生かした料理と日本酒を気軽に味わえるのが魅力です。地下鉄博多駅改札からすぐという好立地ながら、店内に一歩入ると和モダンの落ち着いた空間が広がり、宮大工による天井や一本杉の梁が静かな風格を漂わせています。

名物は、鰹と昆布の旨味に鶏ガラ出汁を重ねた琥珀色のおでん。中でも柳橋連合市場の鮮魚店から仕入れる新鮮なアジを使った「鯵のつみれ」は、ふんわりほどける食感と豊かな旨味で格別の味わいです。

かつて西鉄福岡駅地下で愛された食堂酒場「加賀見」から受け継いだもの。牧野良弘さんの思い出と敬意が込められています。ほかにも生本マグロの刺身や季節のつまみが揃い、日本酒との相性も抜群。

朝10時から夜まで通し営業で、昼飲みから食事まで幅広く使える、博多駅地下の新たな名店です。

『食堂 加賀見』の詳しい記事は、コチラ

福岡市住吉『酒とおでんとツキふたつ』
旨味に富んだ出汁が魅力。おでん好きを虜にする専門店が美野島に登場!

寒い日に恋しくなる料理といえば、やはりおでんと熱燗。どこか懐かしく、日本人の心に深く寄り添う存在です。2023年6月、美野島にオープンした「酒とおでんとツキふたつ」は、そんなおでんの魅力を改めて感じさせてくれる一軒。近年“旨い店”が増えているこのエリアでも、評判を集める注目店です。古民家を改装した店内はカウンター6席の小さな小バコで、昭和の面影を残す落ち着いた雰囲気。店主・神地涼介さんの柔らかな人柄も相まって、初めてでも自然と心がほどけます。

神地さんが目指したのは、出汁の奥深さを最大限に引き出したおでん。カツオ、昆布、椎茸をふんだんに使い、毎日継ぎ足して仕上げる出汁は、見た目は濃い色ながら醤油を使わず、澄んだ旨味が広がります。大根や玉子、牛すじといった定番はもちろん、春菊や九条葱袋などの個性的なタネも魅力。優しい味わいは日本酒との相性も抜群で、出汁割りとともに楽しむ時間は格別です。

小さな店ながら満足度は高く、美野島に新たな名店の誕生を感じさせる一軒です。

『酒とおでんとツキふたつ』の詳しい記事は、コチラ

福岡市西中洲『名代おでん 安兵衛』
昭和30年代から続く、真っ黒い出汁の関東風おでん屋

西中洲の老舗「名代おでん 安兵衛」を初めて訪れたのは約20年前。格式ある佇まいに緊張した記憶が残り、その後はなかなか足が向かなかったが、梅雨明けのある日、久しぶりに暖簾をくぐった。創業から60年を迎えるこの店のルーツは、店主・小笠原亮介さんの両親が戦前に大連で営んでいた酒場に遡る。引き揚げ後、箱崎で再び店を構え、1961年に西中洲でおでん屋として歩みを始めた。

銅製の鍋で毎日継ぎ足される出汁は、鰹節と昆布に濃口醤油を合わせた関東風。真っ黒な見た目とは裏腹に味わいは澄み、長年の手入れが支える深い旨味が広がる。二日かけて煮込む大根や五日間出汁に浸す玉子は、しっかりと味が染みながらも上品な仕上がりだ。アスパラやきんちゃくなどのタネも、それぞれに合わせた丁寧な仕事が施されている。

暖簾に記された「呑足味知」は、酒を味わい尽くしてこそ真の味を知るという禅の言葉だという。長い歴史とともに西中洲の移ろいを見守ってきたこの店は、ただおでんを味わうだけでなく、時の重みを静かに感じさせてくれる場所だった。

『名代おでん 安兵衛』の詳しい記事は、コチラ

※各店の情報は記事の公開時点のものであり、営業時間や価格が変更になっている場合がありますので、予約前には一度ご確認ください。

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この記事を書いたひと

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