"町中華"という呼称やジャンルが一般的になったのは、実は最近のこと。かつては、それぞれの町に一軒や二軒の大衆的な中華料理店があったもので、普段の日常生活に溶け込んでいました。ところが、店主の高齢化や後継者不足、店舗の老朽化などの理由による閉店が相次ぎ、古くから地元の人たちに親しまれてきた店が、いつしか郷愁を込めて"町中華"と呼ばれるようになったのでしょう。僕の生活圏内にも何軒かの店がありますが、その中でも絶対的な信頼を寄せているのが平和の「中国飯店」です。
創業したのは半世紀以上前で、以前は現在の店舗よりも数百メートルほど平尾寄りの場所にあったのを憶えています。創業者の先代はホテルの料理長を務めていたというほどの腕前で、現在は二代目の玉田剛さんがその味を受け継いでいます。そういう出自を持つ店だからこそ、値段は庶民的ながら、味は高級中国料理店にも劣らない本格派。このクオリティの料理が食べられる"町中華"の店を他に知りません。
メニューには「醤油ラーメン」をはじめとする麺類から、「天津飯」「焼きめし」といったご飯物、「唐揚げ」「春巻き」などの揚げ物まで、"町中華"の定番料理がズラリと並んでいます。一方で酒につまみにもなる前菜や、「大エビのチリソース」といった一品料理まで実に豊富なバリエーションがあり、すべての調理をワンオペでこなす玉田さんの実力がうかがえます。
今回の主役である「ちゃんぽん」(869円)にしても見た目はごく普通のオーソドックスな一杯ですが、レンゲで掬ったスープをひと飲みすれば、まろやかで深みのあるコクが口中に広がります。中国料理の基本である鶏ガラスープが決め手で、そんじょそこらの店では、まず味わうことができません。
箸で持ち上げただけで指先に重みを感じる、ヘビー級の太麺も個性的。モチモチとした歯応えは弾力性に富み、最後はプチッとした歯切れの良さがあるという、なんとも小気味の良い食感です。食べ進めるうちに具材のエキスが染み出たスープを吸いこみ、さらに旨みが増していくのも堪りません。後半はテーブルに用意された酢を垂らして、味変を楽しむのもオススメです。
そして、この店でぜひとも食べたいのが、名物料理の「若鶏のモモ煮」(1,155円)です。新鮮な若鶏をチャーシューのタレでじっくりと煮込んで皮目をパリッと焼き上げ、ご飯のおかずにもビールのおつまみにもよく合います。ランチ限定メニューや定食・セットメニューのバリエーションも豊富に揃い、何を食べてもハズレがない、"町中華"の名店です。
ジャンル:中華料理
住所:福岡市中央区平和5-9-23
電話番号:092-531-2281
営業時間:11:00~OS14:00/17:00~OS22:00
定休日:木曜、第3水曜
席数:カウンター4席、テーブル8席
メニュー:醤油ラーメン660円、ちゃんぽん869円、冷麺979円、五目汁そば1,045円、辛肉味噌天津飯979円、ギョーザ(5個)385円、酢豚1,540円、ランチ1,100円~
URL:https://www.instagram.com/chugokuhanten/
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