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今話題のチャットGPT教育現場の取り扱いは!?教師・生徒・保護者メリットとデメリットは!?

今世界で賛否両論が巻き起こっている対話型人工知能「ChatGPT」。4月10日にはChatGPTを開発した企業「OpenAI」のアルトマンCEOが来日し、岸田総理と面会。AI技術の利点をどのように利用し欠点をどのように軽減していくのか、日本でのルール整備のあり方などについて意見が交わされたとみられています。

そもそもChatGPTとはインターネット上の大量のテキストデータを人工知能が学習し、自然な文章を生成することができるシステムです。2022年11月には無料版のChatGPT3.5が公開され、ビジネスや政治などで急速に広がりました。さらに今年の3月には改良されたChatGPT4がリリースされ、月額20ドル(約2,600円)で利用することができます。

ChatGPTは小説の執筆やプログラミング、旅行プラン、レポートの作成などを短時間で行ってくれます。一方で何が苦手なのかChatGPT4に聞いてみたところ、感情の理解、最新の情報(2021年9月までの情報で動いているため)、倫理観・道徳を踏まえた判断、情報の信頼性と回答。しかしChatGPTのバージョンアップが進むと苦手を克服していく可能性もあります。

今回はChatGPTの何がどう便利なのか、そして今後AIの進化とどのように付き合っていくべきなのかを注目が集まる教育現場を中心に考えていきます。

佐賀県基山町にある東明館中学校・高等学校。入学式で神野元基校長はChatGPTを使用しながら新入生への挨拶を行いました。

またある先生はChatGPTが作成した「共同学習のための問い」をもとに授業を行っているなど学習指導にChatGPTを活用。さらに東明館中学校・高校の公式ウェブサイトの広報文の一部はChatGPTが作成していて、作業の効率化がなされたと言います。

今後の学習にも影響を与える可能性が高いChatGPT。「読書感想文など指示を入れただけで簡単に書けるので使ってみたいと思った」「自分で考えることができなくなるのではないか」など生徒の間でも意見は様々。保護者は「便利なツールは親の時代にはなかったので親も対応が大変。宿題は自分でしてほしい」「便利でいいことだと思うが、頼りすぎるのはこれからの時代怖い」「今からパソコンを勉強するので悪いことを覚えなければいいなと思う」と子どもの学習に不安を抱いているようです。

教育現場でChatGPTを使うことについては以下のような問題点があります。

①信頼性:文章の内容に誤りが含まれている可能性がある

②著作権:ChatGPTが学習した文章の中に著作権を有する文章がある場合に、論文や記事に使用することで違法になる可能性がある

③学力低下:読書感想文に使用することで、文章を考える力に悪影響を与える恐れがある

これらの問題から、教育現場ではChatGPTに対する対応や教育のあり方について判断を問われています。

東明館学園では入学式の2日前、生徒の学習への影響が懸念されるChatGPTについて、取り扱い方法を検討する会議が開かれました。「その場で書かせるという訓練が必要」「文法問題が分からないけどChatGPTが答えてくれるから大丈夫というような子には育ってほしくない」といった他に、「ただ使うツールではなくどう使うかというのを教師が教えていかなければならない」「子どもたちがどう考えてどうアプローチしていくのかその過程を学んでほしいが、ChatGPTでどう変わるのか、変化を楽しみに思う」といった意見が出されました。

ChatGPTの対応について、文部科学省は教育現場での取り扱いガイドラインの検討を開始。また上智大学は教員の許可なく生成した文章や計算結果を論文やレポートに利用することを禁止し、東京大学ではレポートは学生本人の作成が前提としAIのみを用いて作成することはできないとしています。福岡大学はレポートや論文に大きく影響を及ぼすものと思われるため、今後大学内で検討を予定。東明館学園の神野校長は「AIを使わないという選択肢はない。紙辞書はインターネットのキーワード検索に変わったし、AIが普及する中で我々がこれまで培ってきた能力は何かに置き換わるはず。いかに正しく使っていくか、その正しさについて吟味する必要があるし、人間がしなければならないことを見極め正しく使うということを教育現場含めて模索していかなければならない。また人間がやらなければならないことは今後何なのかを逆算する必要がある。もし人間の私たちが文章を書くことが必要なくなるとすれば、AIが書いてきた文章を自分の発言にする時のチェックする能力、問いを立てる力が必要になる。」と話しました。我々がすべきことAIに任せていいこと、この線引きをどのように付けるのかこれから考えていかなければなりません。

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