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築80年を超える清川の古民家で、創作天ぷらとワインを愉しむ

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飲食店には実に様々な業態がありますが、料理人に高い技術が求められのが天ぷらと寿司。どちらも江戸時代に屋台から発展したといわれており、当時江戸前で盛んに獲れていた魚介類と職人の技が結びついて、今や和食を代表する2大ジャンルにまで成長したのは興味深いですね。
福岡では「ひらお」や「たかお」など、庶民的な値段で定食が食べられる店が大人気ですが、天ぷらをつまみながら飲める店も見逃せません。そんな中、特にワインとのマリアージュを提案しているのが、清川の住宅街にある古民家居酒屋「はかたあゆむ」です。

はかたあゆむ店内1

清川は明治から昭和の時代にかけて九州随一の歓楽街として栄え、通りには料亭や置屋が建ち並んでいました。その南側にも以前は古い家屋が建っていましたが、現在ではマンションが建ち並ぶ住宅街となっています。そんな中で奇跡的に残っていた築80年以上を古民家を、店主の置鮎明さん自身が内外装などの補修や塗装をしてリノベーション。2018年に創作天ぷらとワインの店としてオープンしました。

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提供しているのは予約制のおまかせコースのみで、今回はサラダ・刺身・前菜・温菜・天ぷら・黒毛和牛の炭火焼・季節の炊き込みご飯・味噌汁が付いた6,600円のコースを予約しました。用意された席はおそらく応接室として使われていた洋室で、高い天井に漆喰壁が塗られたクラシカルな雰囲気。ここでサラダ、刺身に続いて旬の素材を使った一品料理を食べながら天ぷらを待ちます。
写真は里芋の焚きものと、サツマイモを揚げてべっこう餡をからめたもの。どちらも秋ならではの味覚を楽しむことができました。

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置鮎さんが様々なアイデアを凝らした自慢の天ぷらは6品ほど。天ぷらの衣には自家精米する過程で出る米ヌカを混ぜることで、車エビはサクッとした食感に揚がっています。肉厚の椎茸には自家製のカニミソクリームを合わせて、まろやかな仕上がりに。なるほど、これはワインとよく合いますね。

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豊富な種類が用意された天ぷらの中でも、特にスペシャリテと呼ぶべきがこの2品。「磯のマグロ」は漬けにしたマグロを海苔で巻いて食べる磯辺揚げ風で、まさに磯の香りが漂う逸品です。そして、名物の「半熟煮玉子の天ぷら」は中からトロ~リとあふれ出す黄身がたまりません!

はかたあゆむワイン

天ぷらに合わせるワインはフランス産をメインに、あえて定番の産地、品種を中心にしたオーソドックスな品揃えです。天つゆにも隠し味にワインを加えて食材の味と香りの相性をさらに高めているので、ここは奇をてらわずに正統派のワインとマリアージュするのが正解だと思います。

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シメには季節の食材を使った炊き込みご飯でフィニッシュ。今年は不漁で高騰しているといわれている「秋刀魚と銀杏の炊き込みご飯」をいただきました。秋刀魚の脂が染み込んだご飯はこれぞ秋の味覚というべきもので、これが食べられなくなる日を想像したくはありません。ごちそうさまでした!

はかたあゆむ店内2 はかたあゆむ店内3

おまかせコースは4,400円・6.600円・8,800円の3種類で、前日までの完全予約制。客席は畳敷きの和室か洋室のテーブル席、カウンター席が用意されているので、人数やシチュエーションによって選べます。古民家ならではの温かい雰囲気の中で、きっと気のおけないひと時を過ごすことができますよ。

店舗名:はかたあゆむ
ジャンル:天ぷら
住所:福岡市中央区清川3-17-13
電話番号:092-406-9448
営業時間:17:00~23:00(完全予約制)
定休日:不定
席数:カウンター4席、テーブル18席
個室:2~8名
メニュー:おまかせコース4,400円、6,600円、8,800円
URL:https://www.hakata-ayumu.com

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この記事を書いたひと

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