薬院大通駅から歩いて3分。交通量が多い大通りから路地に入って見つけたのが、「肉焼 ハラミ タン テール 兼条(けんじょう)」です。今年5月でオープン1周年を迎える比較的新しいお店ですが、「おいしい肉が食べられる!」とのウワサ……。期待に胸を高鳴らせ、早速暖簾をくぐります。
店内に入るとすぐに厨房を囲むカウンター席とテーブル席が。落ち着いた照明とウッディな配色で落ち着いた大人の雰囲気です。
奥に進むと障子で仕切られた個室が2部屋、奥には大人数でも楽しめる広々した空間も見えます。カップルや夫婦でゆったり楽しむも良し、接待やグループ利用にも良しという造りです。
席に着いたらQRコードからオーダーします。店主は韓国料理店で経験を積んだということもあって、キムチをはじめ韓国料理も気になりますが、まずはお肉! “その日一番良い状態のお肉を盛り合わせに”の言葉にひかれて、「特選盛り」をオーダーします。
運ばれてきたのは4種類のお肉の盛り合わせ。この日は運良く店の看板ともいえるハラミ、タンに加えて、人気のミスジとサガリの組み合わせです。盛り合わせはその日仕入れた肉の中でも特に状態が良いものを選んで提供するため、部位や数は日によって異なるとのこと。気になる人はオーダー前に尋ねてみるのがおすすめです。
しっとりと艶をまとったお肉を早速焼いていきます。1枚目に選んだのはタン。シンプルにレモンをかけて口にすると、サクッとした歯応えがありながらも柔らかく、上品な旨味が広がります。続いて、霜降りに心躍るハラミへ。こちらは昆布を利かせたオリジナルポン酢でいただきます。香ばしさとともにじゅわりと広がる肉汁は、濃厚で思わず頬が緩むほどの甘味。一瞬、あふれる脂の量にたじろぎますが、不思議なことにすっと引いてしつこさはありません。上質な脂とはこのことかと納得! 脂だけでなく赤身のコクがしっかりと感じられるミスジ、分厚いのに柔らかく食べ応えがあるサガリと、肉質の違いを感じながら食べ比べが楽しめます。
趣向を変えて、次に注文したのは肉刺しです。メニューには、自家製韓国酢味噌で味わう「センマイ刺し」やひと手間加えた「ハツのごま醤油」などがありましたが、私は「ハツ刺し」をチョイス。九州らしい甘い醤油と和辛子と一緒に味わいます。新鮮なハツには一切の臭味がなく、プリッとした独特の歯応えとともに旨味を堪能。
さらに、人気メニューである「ホロホロテールポン酢」も外せません。鍋で6時間、じっくりと炊いたテールは箸でホロッと崩れる柔らかさ。ポン酢の酸味と脂身のバランスが抜群で、お酒にもごはんにもぴったりです。
最後に注文したのが数量限定の「極上レバー」。精肉加工されて間がないレバーとあって、ピンッと立った角が鮮度の良さを物語ります。ハラミ、タン、テールと店の看板を全て堪能したあとで気を抜いていましたが、このレバー、まさにダークホースといえるおいしさ。確かにプリッとした歯応えはあるのですが、驚くほどの口どけの良さで心を奪われます。
「お客さんの1の要望に2で答える接客と落ち着いた空間で上品に、でもお肉はガッツリと良いものを召し上がってもらう店です」と話してくれたのは、オーナーの吉岡兼条さん。ハラミ、タン、テールと牛一頭からわずかしかとれない希少部位で勝負するからこそ、その質の高さにこだわっています。肉の仕入れ業者は複数。さらに仕入れた肉が兼条さんの「特選」の枠から外れたものは、ランク・価格を下げて提供。「もちろん仕入れ価格とは見合わないため、店として利益を考えると損ですが、下手なものはお客さまには出せません。僕が目指すのは、福岡一の焼肉店。接客にも、料理にも妥協はしません」と話してくれました。
上質で、希少なお肉を心ゆくまで堪能できる「兼条」。お肉が贅沢な分、ドリンクの価格は抑えめというのも嬉しい心遣いです。「今日はちょっと贅沢したい」。そんな日のお店リストに「兼条」の名を加えてみてはいかがでしょう。
ジャンル:焼肉・ホルモン焼き
住所:福岡市中央区薬院1-11-3福一第2ビル1F
電話番号:092-781-4129
営業時間:17:30~OS23:00
定休日:月曜
席数:カウンター6席、テーブル24席
個室:2~6名
メニュー:特選盛り6,600円、和牛特選厚切り黒タン4,180円、特選上ハラミ4,070円、ハツ刺し990円、ホロホロテールポン酢1,650円、和牛上レバー1,100円
URL:https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40061617/
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