高砂の一画で客を迎える「嗣味」は、選りすぐった九州産食材を風雅に表現する懐石料理店。営むのは京都の名店で技を修めた井上長嗣さんですが、この4月1日からは、舞鶴に構えた系列店で新たな挑戦に取り組んでいます。
その店の名は「天う」。朝8時30分から15時までの間、井上さんが考案した「うなぎ天丼」を提供する専門店です。聞き慣れない料理名ですが、もとは「嗣味」のコースで出していた丼をアレンジしたものだそう。
「年々高価になるうなぎですが、丼ならば世代を問わず、誰もが気軽に親しめると思ったんです」と、井上さんが出店理由を語ってくれました。
店内には掘りごたつ20席に加え、6席のカウンターと4席のテーブルを完備。清潔で気取りのない、リラックスした大衆食堂といった趣です。カウンターの脇には自由に取れる漬物類が置かれていました。
メニューには3サイズの「うなぎ天丼」が載っており、今日は1,980円の「上」をオーダー。うなぎは複数の養鰻場を食べ比べ、天ぷらにして一番うまかった宮崎産を仕入れているそうです。が、そもそもなぜ“蒲焼き”ではなく“天ぷら”なのか? すると井上さんが「一番の理由は提供時間の早さです」と明快な一言。なるほど、スピード感も「気軽さ」には必要不可欠ですからね。
その言葉通り、さして待つことなく噂の丼が運ばれました。3~4分揚げてタレに潜らせ、仕上げに軽く炙ったうなぎは「上」だけあってボリューム十分。口に入れると、熱々サクサクの衣の下からふっくらした身が顔を出し、天ぷら特有の口福を花開かせます。キリッとしたタレの味も絶妙で、甘さに飽きることなく完食できそうです。
さらに、別皿で提供されるトッピング(各110円。明太子のみ198円)を足せばうまさ倍増! この日選んだとろろと辛味ニラは個人的に大当たりでしたが、他におろしポン酢・梅干し・卵かけ・キムチ・追い実山椒佃煮・明太子もあり、色々試したくなるから困ります(笑)。色々組み合わせを変えながら、“正解探し”をするのも面白そうですよ。
また、うなぎを使った「おつまみ」もなかなか魅力的。とくに揚げたてで供される「うなぎのかまの南蛮漬け」(385円)と、コリコリ感がクセになる「うなぎ肝揚げ」(495円)はリピートしたい出来でした。最初に2、3品とお酒を楽しみ、締めに丼というのもアリでしょう。
「この丼を博多の新名物に育てたいですね」と井上さん。事実、新感覚の「うなぎ天丼」は丼ジャンルの可能性を広げる一品だと感じます。うなぎという“高嶺の花”を、グッと身近にしてくれたニューカマーに注目!
うなぎ天丼専門店 天う
福岡市中央区舞鶴1-3-31ハイラーク舞鶴1F
092-406-8330
8:30~OS14:30
ジャンル:うなぎ
住所:福岡市中央区舞鶴1-3-31ハイラーク舞鶴1F
電話番号:092-406-8330
営業時間:8:30~OS14:30
定休日:日曜、ほか不定休あり
席数:カウンター6席、テーブル4席、掘りごたつ20席
個室:なし
メニュー:うなぎ天丼1,430円・1,980円・2,530円、トッピング各100円(明太子のみ198円)、うなぎのかまの南蛮漬け385円うなぎ肝揚げ495円、骨せんべい275円
URL:https://www.instagram.com/unagitendon_tenu/
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