「炉端焼き」といえば、かつてはオープンキッチンの中に設えられた炭火の囲炉裏で食材を焼き、それを長いへらなどで客に提供するのが一般的なスタイルでした。ところが、客の目の前に炉を据えた「カウンター炉端」ともいうべき独自のスタイルで人気店となったのが天神南の「雷橋」で、今では福岡市内に6店舗を展開しています。
同じ「カウンター炉端」スタイルの「永らく」は、「雷橋」から独立した直系の店。鶏のいろいろな部位を切り分けた「鶏盛」をメインに、多彩な炉端焼きメニューを提供しています。
大名の古いマンションの1階にある店内は、カウンター17席というレイアウト。午後5時の開店時にはカウンター前の炉に炭が熾され、来客を待っていました。
大将の糸永康宏さんは、関西で10年ほど料理修業をした後帰福し、「雷橋」の立ち上げに参加。いわば「雷橋グループ」代表・佐竹孝雄さんの一番弟子で、「佐竹さんとは全国を旅しながら食材を探しました」。そのスタイルを踏襲しながら、独自のセレクトで各地の生産者から直接食材を取り寄せています。
まずビールとともに最初に注文したのは、対馬の漁師から直送される「穴子白焼き」(1,650円)です。獲れたての新鮮な穴子を炭火で焼くことで程よく脂が落ち、レモンを搾って塩とワサビで食べるのが極上です。
ビールで喉を潤した後、炉端焼きといえばやはり日本酒でしょう。大将におすすめを尋ねると、「鮎の骨酒はどうですか?」というので迷わずオーダーしました。細長い専用の酒器に入れた鮎の焼き干しに灘の生一本「櫻正宗」の燗酒を注いだもので、お猪口でグイっと一口いくと鮎の旨味が口中に広がります。
炭火で焼いた魚介との相性は抜群で、「これはうまい!」とグビグビいけば、プラス825円で注ぎ酒ができるのも、呑兵衛には嬉しい限りです。
いい感じでホロ酔い加減になったところで、いよいよ名物の「鶏盛」(1人前660円)に突入です。新鮮な宮崎産の鶏を切り分けた部位は、写真左からヤゲンなんこつ、砂ズリ、もも肉、つくね、ぼんじり、せせりの6種類。味と栄養のバランス的にも「野菜盛り合わせ」(1人前660円~)と一緒に注文するのがおすすめです。
しっかり火を通す必要がある鶏肉は焼きすぎると固くなるため加減がなかなか難しいのですが、すべて大将の糸永さんをはじめとするスタッフが焼いてくれるのご安心を。目の前の炉を使い、それぞれの食材が焼き上がる絶妙のタイミングで提供してくれます。
遠火の強火で焼かれた鶏肉はジューシーな食感で、部位ごとにそれぞれの持ち味が楽しめます。卵黄を落とした自家製のタレをはじめ、カウンターにはポン酢、醤油、塩、柚子胡椒が用意されているので、お好みの味つけでどうぞ。
メニューには新鮮な刺身をはじめ、全国の生産者から取り寄せる魚、肉、野菜、さらに干物まで、厳選素材のオンパレード。「炉端焼き」というシンプルな調理法ならではの、食材本来の味をダイレクトに味わうことができます。
ジャンル:居酒屋
住所:福岡市中央区大名1-8-25杉の宮マンション1F
電話番号:092-738-3438
営業時間:17:00~OS23:30
定休日:日曜
席数:カウンター17席
個室:なし
メニュー:鶏盛(1人前)660円、野菜盛り合わせ(1人前)660円、穴子白焼き1,650円、刺身盛り合わせ(2人前)3,300円、本日の干物550円~、鮎の姿焼き990円、仔猪の塩焼き1,210円、いくらごはん990円、鮎の骨酒(1,540円)
URL:https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40047088/
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