PageTopButton

大名の袋小路にある古民家で博多名物「炊き餃子」に大満足

UMAGA

「大名」という地名は、江戸時代福岡藩の上級家臣の大名屋敷が並んでいたことに由来しています。このエリアの道筋が鍵型や丁字路になっているのは、福岡城に侵入する敵をくい止めるための防御策だったというのはよく知られた話です。
現在も「雁林町通り」や「養巴町通り」といった旧町名の通りや筋が残る中、通り抜けることができない袋小路も何箇所かあります。その1つにあるのが狭い路地を入った奥まった場所にある「池田屋」。もう30年以上この界隈をうろついている筆者も、かなり久しぶりの再訪に一瞬迷ったほどでした。

池田屋店内

本店は2004年に平尾で創業した「池田商店」で、「博多炊き餃子」発祥の店。開店当初から博多の新名物としてたちまち話題となり、筆者もよく他県から訪れる来福客を連れていったものです。その2号店として2005年大名にオープンしたのが、こちらの「池田屋」です。
大正時代に建てられたという築100年超の家屋を改装した店内は古い梁や柱がそのまま残り、ガラス張りの壁面越しに坪庭の緑が見えます。古き佳き時代のノスタルジックな気分に浸りながら、ゆっくりと寛ぐことができる造りです。

池田屋_豚炭火焼き

メインの炊き餃子にいく前に、まずはビールのお供にイチオシメニューという「豚肩ロースの炭火焼」(900円)を注文しました。炭火焼きといえば地鶏のイメージがありますが、じっくり火を通した宮崎産豚肉はモッチリとした食感。炭で燻された香りが食欲をそそり、ビールの喉ごしをさらによくしてくれます。

池田屋_手羽先

一品料理のメニューは15種類ほどですがどれもレベルが高く、何を頼んでもハズレがありません。名物の1つ「手羽のウズラ玉子詰め焼」(1本350円)は、骨抜きした手羽に「射込み」といわれる手法でウズラの玉子と餃子の餡を詰めた手の込んだ料理。パリッと焼かれた皮目を噛むと中からジューシーな餡と玉子の甘みが溢れだし、一度食べるとヤミツキ必至な美味しさです。他にも「もっちり竹豆腐」(450円)や「ウニとイクラのせ半熟玉子」(1個400円)などの名物メニューが目白押しなので、ぜひお試しを。

池田屋_炊き餃子

そして、いよいよ「炊き餃子」の登場ですが、およそ20年前に初めて食べた時の衝撃は、今でも忘れられません。ほとんどの人が焼き餃子か水餃子しか食べたことがなかった時代に、水炊きやとんこつラーメンといった博多名物のエッセンスを取り入れた「炊き餃子」は、大袈裟にいえば餃子の固定概念を覆すインパクトがありました。
鶏ガラと豚骨をベースにしたスープにもっちりした厚めの皮、そして鶏肉と野菜たっぷりの餡が三位一体となり、そのバランスと完成度の高さは驚くばかりです。基本的な調理法は創業以来変わっていませんが、店主の西真吾さんによると「お子さんからお年寄りまで幅広い世代の人に食べていただきたいので、スープは若干あっさりめに、餡も脂身を控えめにしています」とのことでした。

池田屋_炊き餃子2

アツアツに熱せられた土鍋から木製のお玉で餃子をすくってハフハフいいながら口の中に放り込めば、ジワッと染みだしてくる鶏と野菜の旨味に思わず顔がほころびます。時々コリッと歯に当たるのは、餡に練り混んだ炭火焼き地鶏のアクセント。赤唐辛子と竹炭を練り混んだ黒柚子胡椒の薬味を交互に付けながら食べ進めれば、エンドレスで何個でもいけちゃいそうです。

池田屋_炊き餃子3

最後は「ちゃんぽん」(350円)か「おじや」(450円)が選べますが、今回はちゃんぽんでシメました。黒胡椒をたっぷりと振りかけてツルッといけば、土鍋に残ったスープの一滴まであっという間に完食。大いなる満足感をいだきながら、大名の裏路地を後にしました。

池田屋_メニュー
店舗名:池田屋
ジャンル:居酒屋、餃子
住所:福岡市中央区大名1-4-28
電話番号:092-737-6911
営業時間:18:00~OS21:30
定休日:月曜
席数:テーブル45席
個室:なし
メニュー:炊き餃子(1人前)900円、手羽のウズラ玉子詰め焼(1本)350円、豚肩ロースの炭火焼900円、山芋のとろろ鉄板550円、豚足500円、だし巻玉子めんたい550円、もっちり竹豆腐450円
URL:https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40004452/

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう

この記事を書いたひと

UMAGA

homePagefacebookyoutubexinstagram

魅力的な福岡の食文化をもっと楽しんでいただくためのバイブルとして、厳選した信頼性のある情報を毎日更新中。