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イタリア菓子にフォカッチャ、ジェラートも!那珂川にとっておきの新店が

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福岡市の中心部から車を走らせてふらりとドライブ。近郊には糸島やうきはといった人気エリアもありますが、今回は意外に穴場で魅力的な那珂川市を目指します。それというのも4月25日、那珂川の上流「中ノ島公園」の側に素敵なイタリア菓子の専門店がオープンしたというではありませんか! ウキウキしながら出かけてきました。

那珂川 pasticceria CINO 外観 那珂川 pasticceria CINO 

天神を出発し、40分ほどで到着したのは清らかな那珂川沿いに立つ一軒家です。この一軒家はオーナー夫妻それぞれが営む2つの店舗と自宅が複合した造りになっており、駐車場の正面にあるのがパティシエの猪野千寿穂さんによる焼き菓子専門店「pasticceria CINO」。向かって左側の川沿いにあるのが、代官山・銀座・福岡天神の「リストランテASO」系列のシェフを歴任した𠮷越謙二郎さんによる「イタリア料理 𠮷越」です。外観は美しい自然に馴染む和の趣で、階段を降りれば川遊びも楽しめるという素敵な立地。川のせせらぎと鳥のさえずりが辺りを優しく包みます。

那珂川 pasticceria CINO  内観

「CINO」の白い暖簾をくぐり店内へ入ると、オーナーパティシエの猪野千寿穂さんが迎えてくださいました。大阪・東京・名古屋などのパティスリーで腕を磨いてきたという猪野さん。イタリア料理店にてシェフパティシエを経験した後はひらまつグループへ入社し、かつての「リストランテASO天神」や銀座の「ICONIQ」、奈良の「リストランテ・オルケストラータ」でもシェフパティシエを務めた実力の持ち主です。「独立するなら(猪野さんの)故郷であり、良質な食材に恵まれる福岡で」との想いは強く、自然豊かで子育てにも最適な那珂川市での開業・移住を決めたのだとか。猪野さんは焼き菓子店を、夫である𠮷越シェフはイタリア料理店をと、ご夫婦でそれぞれのお店を持つなんてかっこいい! 

那珂川 pasticceria CINO 焼き菓子

ズラリと並ぶ焼き菓子にときめきながら「イタリア菓子を主役にしたお店って、福岡では珍しいですよね?」と伺ったところ、猪野さんは「私、イタリアが大好きなんです!」と満面の笑顔に。
「ピエモンテ州トリノ発祥で“貴婦人のキス”という名前が付いた『バーチ・ディ・ダーマ』(写真)やトスカーナの『カントゥッチ(ビスコッティ)』、とうもろこし粉で作る北イタリアのケーキ「アモール・ポレンタ」など、イタリアには古くから愛されている郷土菓子がたくさんあります。それを1つからでも買えて、日常的に楽しんでもらえるお店を作りたいと考えたんです」

那珂川 pasticceria CINO フォカッチャ

「店名の『pasticceria(パスティッチェリア)』とは、イタリアでいうパティスリーのこと。現地にはフォカッチャやパン、ジェラートなどをお菓子と一緒に売っているお店もたくさんあります。それを目指したわけではなかったのですが、私が大好きなものを集めたら結果的にこんなスタイルになりました(笑)。また、イタリアの伝統的な味を表現しながら、福岡をはじめとした九州産の食材にもこだわっています。食事と同じように、おやつも身体を作る食であると考えているので、美味しく安心して食べられるものは絶対。魅力的な作り手の方々や地元食材、惹かれるモノをどんどん発信していきたいです」と猪野さん。

焼き菓子や4種類の味がそろうフォカッチャには、八女市で8代続く老舗「田中製粉」の昔ながらの石臼製粉機で挽いた100%福岡県産小麦粉を使用。「糸島れもん」のレモンや、奥八女・星野村「高木茶園」の深蒸し煎茶やほうじ茶、など、随所にこだわりの食材が散りばめられています。小石原焼「森山實山窯」に作ってもらったという特注のケーキスタンドや盛り鉢も素敵でした。

那珂川 pasticceria CINO ジェラート

手作りのジェラートは約5種類の味わいが揃い、カップまたはワッフルコーンのいずれかを選べます。サイズは「ピッコロ」(1種552円)、「レゴラーレ」(2種692円)、「グランデ」(3種832円)の3種類。熊本産の牛乳とゲランドの塩で作った「塩キャラメル」やジューシーで甘酸っぱい「パッションフルーツ&マンゴー」など、こちらも素材の美味しさがギュッと凝縮されています。

那珂川 pasticceria CINO 焼き菓子

香椎の「The aroma of beans」がブレンド・焙煎した豆で淹れる水出しコーヒー「CINOオリジナルブレンド」(496円)などのドリンクもあるので、晴れた日はお店の前のベンチや芝生スペース、川沿いや公園などで食べても気持ちがいいですよ。
「バーチ・ディ・ダーマ」(1個85円)はビター・ほうじ茶・ヘーゼルナッツ・ラズベリーの4種類あり、小さくても満足度は大。サクッホロリとした食感や香り、挟んだチョコレートもそれぞれ風味豊かです。
写真中央の「アモール・ポレンタ」(320円)は、とうもろこし粉のプチプチとした食感、ほんのり広がる香草系リキュールの香りもクセになります。皮付きアーモンドとバターをたっぷり使用した厚焼きの「フィナンシェ」(362円)も香りがいい~!

那珂川 pasticceria CINO 焼き菓子

続いてこちらは、皮はピールに、実は一房ずつ搾って……と「糸島れもん」を丁寧に丸ごと使ったケーキ「リモーネ!」(742円)。通常のレモンケーキよりもしっとり、甘酸っぱくジューシーで止まらない美味しさです。

那珂川 pasticceria CINO  サンド

生地を低温長時間発酵して焼き上げたフォカッチャはふっくらしっとり。そのフォカッチャを使った「フォカッチャサンド」(450円)も数量限定で販売されており、これがまた贅沢な美味しさなんです。肉々しい食感の自家製のサルシッチャ(写真)や自家製ハム、カポナータなどの具材は「イタリア料理 𠮷越」によるものだそう。“これはワインも飲みたくなるな~”と思っていたら、何と猪野さんはイタリア・トスカーナにてワインを学び、AIS認定ソムリエの資格もお持ちだと言うから驚き。「焼き菓子とイタリアワインのペアリングもどんどん提案していきたい」とのことで、楽しみはまだまだ広がりそうです。

車でもバスでもわざわざ行きたくなる、イタリア愛と九州愛が詰まった「pasticceria CINO」。近隣には川遊びが楽しめる「中ノ島公園」やうどんの名店「わらの蔵 恕庵」もあり、この一角だけでもお出かけの目的地としては十分すぎるほど。ぜひ出かけてみてくださいね。

pasticceria CINO(パスティッチェリア チーノ)
福岡県那珂川市市ノ瀬615番
TEL/092-408-198
営業時間/9:00~15:00(売り切れ次第閉店)

店舗名:pasticceria CINO(パスティッチェリア チーノ)
ジャンル:スイーツ
住所:福岡県那珂川市市ノ瀬615番 pasticceria CINO (パスティッチェリア チーノ)
電話番号:092-408-1984
営業時間:9:00~15:00(売り切れ次第閉店)
定休日:日祝日
メニュー:バーチ・ディ・ダーマ1個85円、アモール・ポレンタ320円、ジェラート552円~、フォカッチャ350円~、フォカッチャサンド450円、リモナータ(ドリンク)540円
URL:https://www.instagram.com/pasticceriacino

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この記事を書いたひと

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