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特殊詐欺で服役したフナイム氏が“闇バイト”に警鐘 「すべてを破滅」金よりも重い代償、大学生が反応

高級ブランド、海外旅行、大金…かつて特殊詐欺の主犯格だったフナイムさんは、魅力的な幻影を追いかけて“闇バイト”の深淵に陥りました。しかし、手に入れたものは破滅でした。服役し地獄を見たフナイムさんが、若者への警鐘としてその体験を語りました。SNSの誘惑に打ち勝つ一助となるフナイムさんの言葉は若者たちに届いたのでしょうか-。

暴力団、半グレの影「抜けられなかった」

フナイムさん「特殊詐欺事件の主犯格として僕は逮捕されました。ディオールの鞄がほしい。ヴィトンの財布がほしい。海外旅行に行きたい。お金が必要だ。それでお金を追ってしまった結果、夢を捨ててしまって、こういうことになってしまった」

久留米大学(福岡県久留米市)で先月26日に開かれた特別講義。学生たちを前に闇バイトの実体験を語ったのは、元特殊詐欺犯のフナイムさんです。金を稼ぎたい一心だった20代の頃、知り合いに「昼間に稼げる仕事がある」と誘われたのが詐欺グループでした。

フナイムさん「抜けられなかった。身分証のコピーを渡してしまった。ばれたらどうなるかわかるよねって。某暴力団の名前がちらほら、半グレの名前が出てきた。震え上がりますよね。怖いですよね。やるしかない」

月収2000万円へ闇バイトの甘い罠にはまり服役

報酬は50万~100万円と言われていたのに、最初はその一部しかもらえなかったといいます。それでも月に2000万円を稼いだ月もありました。詐欺を続け、いつしか特殊詐欺犯のリーダー格に。しかし、2015年特殊詐欺の容疑で警察に逮捕されます。フナイムさんは懲役5年4か月の有罪判決を受け、服役しました。出所後、同じ過ちを犯す人がいなくなるよう、特殊詐欺や闇バイトの危険性を伝える活動を続けています。フナイムという名前も、刑務所で呼ばれていた「2716番」という番号から、名付けました。

フナイムさん「一生社会で罪を償うという戒めのためフナイムという名前をつけました。闇バイトは犯罪者の生け贄です。バイトではありません。犯罪者の生け贄です。捨て駒です」

家族や夢のすべてを失い「破滅」した

いま、全国でこの闇バイトの存在が問題となっています。昨年末から今年初めにかけて関東地方を中心に強盗事件が相次いで発生。闇バイトに応募した若者らが全国から集められ、「ルフィ」と名乗る人物らの指示で、事件を起こしたと見られています。

派手な生活に憧れて特殊詐欺に足を踏み入れ、闇バイトを雇う側も経験したフナイムさん。しかし、軽い気持ちで始めた闇バイトのせいで、家族や夢などのすべてを失いました。闇バイトは「破滅しかうまない」と訴えます。

フナイムさん「闇バイト、犯罪、破滅しかうまないんですよ。全部破滅するんですよ。みなさんの人生も破滅する、みなさんのご家族の人生も破滅する、被害者の人生も破滅する。いいことないんですよ」

普通の暮らしに感謝

講義を受けた学生「ツイッターではよく目にするかも。意外と身近にあるんだなと」「SNSで副業の広告が流れて来ますが、つられてしまう部分もあるのかなって」「お金がなくていいなって思うかもしれませんが、今普通に暮らせていることに感謝して、そういう闇バイトは無視して生きたい」

「高収入」「即日現金手渡し」。フナイムさんは一見魅力的に映る高収入の闇バイトは、犯罪へ足を踏み入れる危険な最初の一歩であることを若者たちに伝えました。そこには損失しかなく、豊かさや成功は見当たりません。警察や運営会社による監視は強化されているものの、SNS上ではいまも若者らを狙った闇バイトの書き込みがあふれています。

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