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家に避難する考え方『在宅避難』に着目、行政が手薄になる「3日間」を備蓄でしのぐ

「在宅避難」は、災害が起こった後、自宅に倒壊や浸水などの危険がなければそのまま自宅にとどまって生活する避難方法です。「在宅避難」をするためにはどんな事前準備が必要なのか、そして、どれくらいの備蓄が必要となるのでしょうか。

行政が手一杯になる「3日分」を備蓄する


福岡市城南区で先月、開かれた県の防災講座です。約40人の地域住民が参加し、「在宅避難」する際の注意点などについて学びました。

「自宅がハザードマップの中でそんなに浸水しない場合は『在宅避難』、家の中で高いところに避難する方法もあります」

「在宅避難」は災害が起きた際に自宅で安全が確保できた場合に、自宅を避難場所として生活を続ける方法です。高齢者や障害者など避難所まで行くのが難しい人が少なくないうえ、避難所が不足している自治体も珍しくありません。いま「在宅避難」と避難に必要な備蓄に関心が高まっています。

参加した男性「年をとっているので避難する時の準備はしようかな」
参加した女性「備蓄を全然ちゃんとしていない。水とか食糧とか、一番は水かな」
福岡県消防防災指導課・許山将平主任主事「発生から3日は行政がほかの対応に手が取られる面があるので、最低3日分は自身で備蓄の準備をしてもらうことをすすめています」
 

玄関口を守れ!ふさがないようレイアウトを改善


マンションの管理組合を支援する福岡市のNPO法人が作成した防災のしおりがあります。水道や電気、ガスなどのライフラインが使えなくなった場合でも「在宅避難」で3日間生活するための備えをイラスト付きで紹介しています。最も重要なのが、家具を固定するなどの基本的な耐震対策です。万が一、家具が倒れたとしても出口などをふさがないよう家具の向きやレイアウトを工夫することが大切だということです。

防災士の資格を持つ宮下輝雄さん「自分が寝ている上に家具が覆いかぶさってくると重大なけがが発生します。特に玄関口は転倒防止を必ずしてほしいです。冷蔵庫にあるもので生ものや痛みの早いものから食べ、最後に非常食を食べます。停電した時は冷蔵庫も機能していませんから、特に夏場あたりは菌の繁殖がある食中毒防止になる」

肉や魚などの生鮮食品の次に傷みの早い野菜、そのあとに冷凍食品、最後に非常食という順番です。この時、冷凍食品や氷は食材が傷まないように保冷剤として活用するのが有効です。
 

非常食もおいしい時代「焼きたてのようなパン」


福岡市博多区の雑貨店では、200種類以上の最新の防災グッズなどを取りそろえています。

店員「定番のご飯類や洋食関連のものも最近人気があります。缶入りのデニッシュパンは約3年間保存が効きます。缶入りのパンと聞くとすごく固くて食べづらいというイメージを持つ方が多いと思いますが、焼きたてのパンのようにしっとりとふっくらして毎日食べたくなるようなおいしさです」

長期保存もできることから海上自衛隊でも導入されているということです。ポータブルバッテリーも在宅避難に有効です。ランタンになるものや、ソーラーパネルが付いたものも販売されています。

ハンズ博多店・石井圭司さん「何かあった時では遅いので、普段から準備しておくことが安心への第一歩だと思います」

いつ起きるかわからない災害。防災講座に参加するなどして防災力を高め、家族にも伝える。知恵や知識を持つことが、自分や家族の命を守ることにつながります

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