「血縁はないけど大家族」シングルマザー立ち上げの子育て拠点“じじっか” 初の手作り運動会
シングルマザーが集まって立ち上げた福岡県久留米市の子育て拠点「じじっか」が運動会を開催しました。大人も子供も運動が得意な人も苦手な人も楽しめる手作りの運動会です。
目次
初めての運動会「意外とみんな本気だし」
RKB小畠健太「きょうは体育館を貸し切って、『じじっか』初めての運動会が開かれています。大人も子供も笑顔で楽しんでいます」
日曜日の小学校に響き渡る楽しそうな声。運動会に参加したのは総勢75人。様々な境遇の家庭が集まって支え合う久留米市の子育て拠点「じじっか」と、大牟田市の「じじっか・おおむた」に登録する親子です。
「借り物競走です。ガラケー持っている人探して」
「ガラケーって何?」
中村路子さん「こうやってちゃんと別の建物で運動したことも初めてだし、あと意外とみんな本気だし。それがもううれしい」
シングルマザーが助け合う取り組み「じじっか」
2020年に福岡県久留米市でスタートした「じじっか」。集まったみんながほっと一息つける、「実家よりも実家」な場所になるようにとの思いが込められています。現在240世帯あまりが登録しています。きっかけは8年前、シングルマザーが集まって団体を立ち上げたことでした。バーベキューや花見などのイベントで交流を深めていくにつれ、お互いの悩みを打ち明けるようになり、安心して集まれる拠点として、「じじっか」が誕生。今は大牟田市でも、「じじっか」の取り組みがスタートしています。
80人前のお弁当「作るの、苦じゃない!」
この日の運動会に向けて、「じじっか」では前の日から食事の準備にあたっていました。
Q.何人前作る?
田村貴美子さん「最初50人って言ってたのに、80人くらいになりそうですって」
Q.米はどれくらい?
「7升」
80人分のお弁当を用意するとなると、当日の朝だけでは時間が足りません。冷凍して保冷剤代わりにする卵焼きや、切り干し大根などを一つ一つ手作りします。
宮本礼香さん「これをパックに詰めて、全部分けて皆に行き渡るように」
Q.こういう作業楽しいですか?
「楽しい! 食べてくれるところを想像しながら。苦じゃない」
「大人になってもつながって行けるよう」
運動会当日も、朝早くからあわせて150個のおにぎりを握ります」
「暑っ!マジでここサウナやん…」
お弁当の準備が進むなか、体育館では午前10時に運動会が始まりました。大人と子供が入り交じった3つのチームに分かれて、点数を競います。運動が苦手な子供も楽しめるよう、〇×クイズや、段ボールをどれだけ高く積めるかを競うものなど、ユニークな競技が並びます。
「みんなで頑張って作りました! 残さず食べてください」
「卵焼き、めっちゃおいしい」
「めっちゃ楽しい! 貸しきりとかなかったからマジ楽しい」
じじっかおおむた 齊木聖子さん「自分のコミュニティを外に出てって言うところのつながり方って言うのをこういう所でちょっとでも学べたら。この人たちも大人になってもつながって行けるような関係になったらいいなって。家族なんで」
「みんな笑顔の大家族」
午後も趣向を凝らした競技が盛りだくさん。チームの代表者の顔に自由にメイクをして、その完成度を競います。
「黄色チームが8点、ブラックチームが10点!」
競技後には、サプライズも。テレビの放送を通じて「じじっか」を知った人からの寄付で届いた、新品の洋服や靴下、文房具がずらりと並びました。
樋口由恵さん「佐々木さんという方が一個ずつ購入して、皆の笑顔を思い浮かべながら購入して、ここに出させていただいている商品なので、きちんと選んで持って帰ってもらいたい」
「かわいい! ありがとうございます!」
子供も大人もみんなが笑顔になった「じじっか」初めての運動会。様々な境遇の親子が同じ時間を楽しむ貴重な機会となったようです。
中村路子さん「『じじっか』は血縁がない大家族。みんな本当の家族じゃないけど、寂しいことは全くないし、独りでもないし、不安なことも誰か相談しやすい人に相談すれば、みんなで家族なので真剣に考えることができると思っています。みんなでこれからも、『じじっか』を楽しんでいきましょう! お疲れ様でした!」
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