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博多の三大祭りのひとつである博多祇園山笠は、その華やかさと熱狂的な雰囲気で知られています。福岡市で毎年7月に開催されるこの祭りは、地元の人々にとっては一大イベントであり、多くの観光客も魅了していますよね。
博多祇園山笠は、疫病除去のため施餓鬼棚に乗って祈祷水(甘露水)をまいたのが始まりと言われ、その歴史と伝統は古く、数百年以上にわたって受け継がれてきました。2023年は782回目の開催となり、4年ぶりの規制なしの通常開催!今回は博多祇園山笠の見どころやおすすめスポットについて紹介します。
博多祇園山笠のスケジュール
7月1日 注連(しめ)下ろし
祭り初日には、舁き山笠の流区域を清める行事が行われます。町中には笹竹が立てられ、注連縄と素朴な御幣が添えられます。櫛田神社の神官が祝詞を奏上し、期間中の安全を祈願します。ただし、恵比須流は六月一日に行います。これは旧暦の名残です。
7月1日 ご神入れ
神を招く神事では、商店街などに建つ飾り山笠が先行します。櫛田神社の神官がスケジュールに合わせて各山笠を回り、祭りを進行させます。その後、山笠は一般公開され、祭りらしい雰囲気に包まれます。一方、舁き山笠のご神入れは6日または7日頃に行われます。
7月1日 当番町お汐井(しおい)とり
その年の各流の当番長や流役員は、一足先に箱崎浜まで駆けて行き、汐井(真砂)を小さな升やテボ(竹ヒゴで編んだ器)に入れて持ち帰ります。持ち帰った汐井(真砂)は、家を出る時に祭りで怪我をしないように身体にふりかけ、お清めとして使います。
7月9日 全流お汐井とり
1日の夕方の当番町お汐井とりとほぼ同じですが、各流の舁き手が揃うのでその光景は圧巻です。各流は午後6時から7時過ぎに箱崎浜に到着し、沈む夕日に柏手を打ちながら安全を祈願します。そして帰り道には筥崎宮や櫛田神社を参拝します。
7月10日 流舁き
それぞれの流区域内を舁き回ることからこの名前がついています。舁き出しの時刻は各流によって異なり、コースも年によって変わるため、公式な発表は行われず、事前に関係者に尋ねる必要があります。この祭りは細い路地まで舁き入れるため、地域に深く根ざしたものであることが分かります。
7月11日 朝山
これも流舁きですが、早朝に町総代や旧役員を招いて接待することから「祝儀山」とも呼ばれています。招かれた総代らは帷子(かたびら)に角帯を締め、台上りでは白麻の半纏(はんてん)を着用するのが慣例です。また、当番町の子供たちもこの日だけは山笠の「杉壁」内に乗せてもらえます。
7月11日 他流舁き
この日だけ、舁き手たちは1日に2回舁きます。流の外に出るところからこの名前がついています。また、一部の流では、櫛田神社の清道を回る「櫛田入り」の練習も行われます。
7月12日 追い山笠ならし 午後3時59分
「追い山笠ならし」とは、文字通りの山笠のリハーサルです。一番山笠から順に、「櫛田入り」し、奈良屋町角の廻り止め(ゴール)までの約4kmのコースを全力で舁きます。一番山笠では、追い山笠同様に「櫛田入り」の際に山笠を止めて「博多祝い唄」を歌うことが許されています。「櫛田入り」とコースは、所要時間も計測されます。
7月13日 集団山笠見せ 午後3時30分
福岡市の要請により、昭和37年から始まりました。最初は昭和通りで行われていましたが、昭和58年からは明治通りの呉服町交差点から天神(福岡市役所)までの約1.3kmが「舞台」となりました。この日だけは知名士が台上に登り、各流の総務とともに舁き手を鼓舞する役割を果たします。
7月14日 流舁き
未熟な舁き手にとっては、その年の山笠が舁ける最後の機会となります。なぜなら、追い山笠では、経験豊かな若手やベテランの舁き手が交代で山笠に参加するからです。また、一部の流では「櫛田入り」の練習も行われます。
7月15日 追い山笠 午前4時59分
大太鼓の合図とともに、一番山笠から順に「櫛田入り」します。その後、境内を出て旧博多部に設けられた約5kmの「追い山笠コース」を須崎町の廻り止め(ゴール)を目指して一生懸命に舁きます。「櫛田入り」と「コース」の所要時間も計測されます。また、櫛田神社の能舞台では午前6時から、荒ぶる神様に捧げる鎮めの能が演じられます。
博多祇園山笠の見どころとおすすめスポット
狭い路地を全力で駆け抜ける
見物客が間近で舁き手の迫力を見ることができるのが御供所地区や旧西町筋の狭い四つ角です。
カーブで見せるスピードと力のせめぎ合い
下呉服町の四つ角では、真っ直ぐに走る事でスピードが出ている上、狭い道を90度曲がるので、舁き手はカーブで膨らむ舁き山笠を押さえつけながら左折します。
清道廻り
「清道」とは山笠が奉納のために廻る円周状の道のことで、清道の中には清道旗が立てられ、その周囲を山笠が廻ります。櫛田神社境内、東長寺前、承天寺前の合計3箇所設置されていて、東長寺、承天寺では、住職が施餓鬼棚に乗って山笠の”表敬”を受ける姿は、山笠が神事であることを改めて感じさせてくれます。
廻り止めの最後の直線
本番の「追い山笠」よりも距離が短い「追い山笠ならし」も、本番の「追い山笠」も1秒でも早くゴールを目指す最後の直線で加速する舁き山笠の迫力は見どころのひとつ。
追い山笠が終わった後の見どころのひとつ「山笠崩し」
山笠人形を舁き手たちが豪快に壊す伝統行事「山笠崩し」を行っているのは現在、西流のみ。山笠の飾り物や人形の一部を無病息災の縁起物として持ち帰る為に、「博多祝い唄(うた)(祝いめでた)」を歌い、博多手一本を入れた後、次々と若手が山笠を壊していきます。その迫力は一見の価値あり。
7月1日から15日まで博多の町を駆け抜ける博多祇園山笠。7月15日以降も、博多総鎮守・櫛田神社の境内に番外の飾り山笠が、川端商店街内にある川端ぜんざい広場にその年の上川端通の飾り山笠が常時飾られています。
提供:壱岐市・赤木写真館
また、約280年の歴史がある壱岐の島で行われている郷ノ浦祇園山笠は、博多祇園山笠の人形を譲り受けているなど、各地方の山笠に人形が引き継がれていることも。山笠に魅了された人は各地の山笠を見に行くのもおすすめです。
4年ぶりに規制なしの通常開催となる博多の夏の風物詩「博多祇園山笠」。
700年以上続く、歴史ある博多の祭りの迫力を、ぜひ体感してみてくださいね!
PR:勇壮!博多祇園山笠2023
2023年7月15日(土) 3:55
博多に夏を告げる祭り博多祇園山笠、そのフィナーレ「追い山笠」を生中継。ゲストに朝日奈央を迎え、迫力溢れる映像で祭りの息吹を余すところなくお伝えします。
*BS-TBSは早朝4時20分~5時50分放送
*「勇壮!博多祇園山笠2023ダイジェスト」は同日ひる11時59分放送
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この記事を書いたひと
山内亜紀子
福岡の情報誌とWEBメディアにて編集・ライターを勤めた後、現在フリーの広報、ライターとして主に映画、グルメ、旅行、イベント等のコラムを執筆中。