つなぐ 音楽のまち
森田良平さん(38)は国内外を飛びまわるプロのコントラバス奏者。
コロナ禍前は、一年の3分の1を海外のオーケストラ活動に費やすなど多忙な日々を送っていた。2020年春、新型コロナウイルス感染拡大の影響で演奏の場を奪われた森田さん。縁あって大分県竹田市の地域おこし協力隊に就任。市内の文化ホールで働きながら地道に音楽の魅力を伝える活動を続けていった。
森田さんがこだわったのは、音楽を「生演奏」で届けること。インターネットでの動画配信などはおこなわず、2021年、大分県初のプロオーケストラ集団「TAKETA室内オーケストラ九州」を結成。地元竹田市での公演を中心に県外にも活動の場を広げていった。
中でも森田さんが特に力を入れているのが早世の天才音楽家・瀧廉太郎の曲を演奏すること。廉太郎は少年期を竹田市で過ごしたゆかりの音楽家で、「荒城の月」は市内の城跡がモデルになったといわれている。廉太郎の音楽を広く演奏することで竹田市を音楽があふれる町にしたいと森田さんは弦を弾く。
今年5月で地域おこし協力隊の任期が終了した森田さん。今後も竹田市を活動拠点のひとつとしながら日本全国そして世界へ、音楽の魅力を伝えていく。
(制作:OBS大分放送/村津 孝仁)
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