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身体にやさしく元気になれる、バングラデシュ版「おふくろの味」

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警固本通りを桜坂方面に進み、筑紫女学園の外壁に沿った細い路地に「バングラデシュ雑貨とカレーの店 ハイダル」がオープンしたのは2010年のこと。非インド系の南アジア料理、路地裏の古民家アパートといったキーワードは、今となってはその後福岡に続々と登場したスパイスカレー店のトレンドを先取りしていたともいえます。

ハイダル外観

オーナーのモハメド・ズルフィカル・ハイダルさんは20数年前にITを学ぶために、バングラデシュからの留学生として来日。その後、母国に病院を建てることを思いたち、その資金調達のためにNPO法人を立ち上げて雑貨の販売とともに始めたのがカレーショップ「ハイダル」でした。2017年には念願の病院を開院し、現在はその運営のために日本と母国を忙しく往き来しています。

ハイダルオーナー

提供しているのはハイダルさんが子どもの頃から家で食べていたカレーで、まさにバングラデシュ版「おふくろの味」。オープン当初は国際電話で母親に作り方を聞きながら、レシピを完成させたといいます。
「バングラデシュでは、スパイスは薬と同じです」というように、すべてが"薬膳カレー"。スパイシーながらも身体にやさしい味わいで、バングラデシュの病院でも入院食として毎日3食カレーが食べられているそうです。

ハイダル_チキンローストカレー

定番のカレーは7種類ほどで、すべてサラダと紅茶付き。一番人気の「薬膳ローストカレー」(セット1,760円)は、骨付きの鶏もも肉1本を15種類のスパイスでホロホロになるまでじっくりと煮込んでいます。朝倉市秋月の契約農家から仕入れる玄米と白米をブレンドしたご飯の上に乗っているのは、黒ゴマではなく新陳代謝を促すといわれる「黒クミン」。食べているうちに汗がふき出し、すぐさまその効果が現れたことに驚きました。

ハイダル_マトンカレー

こちらは羊肉を使った「マトンレザラカレー」(1,870円)で、レザラはベンガル語(バングラデシュの公用語)で「とろみのある」という意味。甘みのあるマトンを16種類のスパイスで煮込み、牛乳を煮詰めたバターオイルの「ギー」を加えることでコクのある味に仕上げています。
ベンガル湾に面したバングラデシュでは魚もよく食べられており、その日仕入れた魚介を使った「本日の魚カレー」(セット1,540円~時価)も数量限定で用意されているので、魚好きの人はぜひ試してみてください。

ハイダル_スパイスチキン

夜はカレーの他に、バングラデシュの郷土料理をアラカルトで楽しむこともできます。「意外と知られていませんが、スパイス料理はワインにも合うんですよ」と、ハイダルさんがすすめてくれたのが「スパイスチキン」(770円)と赤ワインの組み合わせ。赤ワインを一口飲んでチキンを頬ぼれば、なるほどスパイスの風味がワインの酸味で程よく中和され、新しいペアリングの妙を知ることができました。

ハイダル_サモサ

サモサもバングラデシュのソウルフードの1つで、写真はクリームチーズを小麦粉の薄皮で包んでカリッと揚げた「チーズサモサ」(770円)。他にも牛挽肉を焼いた「ケバブ」や揚げパン風の「シンガラ」など、本場そのままの味を楽しむことができます。

ハイダル店内

古アパートを改装した店内は手作り感満載の温かみのある空間で、雑貨コーナーではバングラデシュの織物や革製品を販売し、その収益の一部は病院の運営に充てられています。
梅雨が明けて夏本番を迎えるこれから、身体にやさしく元気になれる"薬膳カレー"は、夏バテ防止にも最適です。

HYDER(ハイダル)
福岡市中央区警固2-9-10コーポ山崎1F
092-714-0758

店舗名:HYDER(ハイダル)
ジャンル:カレー
住所:福岡市中央区警固2-9-10コーポ山崎1F
電話番号:092-714-0758
営業時間:11:00~15:00/17:00~22:00
定休日:火曜
席数:テーブル16席
個室:なし
メニュー:薬膳ローストチキンカレー1,760円、薬膳牛肉カレー1,760円、薬膳エビカレー1,430円、マトンレザラカレー1,870円、スパイスチキン770円、チーズサモサ770円、ケバブ770円

URL:https://hyder-curry.com

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この記事を書いたひと

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