"ビストロノミー"とは、"ビストロ"と"ガストロノミー"(美食)を組み合わせた造語で、10年程前から注目されている新しい業態です。福岡ではあまり聞き慣れませんが、ハイレベルな料理をビストロの気安さで楽しめる店といったところでしょうか。6月末、高砂にオープンした「ビストロノミー とりぴえ」は、さらにモツやホルモンといった内臓に特化した洋食をメインにしているそうです。いったいどんな料理が食べられるのか、期待を持って訪れました。
階段を上ってビル2階のドアを開けると、窓際に向かって細長いカウンターが設えられたスタイリッシュな内装。女性スタッフの岳琴果さんが、満面の笑顔で迎えてくれました。猛暑日の夕刻、乾いた喉を潤すためキリッと冷えた辛口の白ワインを注文すると、まずはお通しとして出されたのが「モツ煮バーガー」(500円)。手づかみでガブリといくと、ミニサイズのバンズはほのかに甘みがあり、中にはモツのトマト煮が。聞くと熊本・山鹿市のベーカリー「古木家」のマヌカハニー酵母パンを使っているとか。白ワインともよく合い、好印象の出だしです。
メインの食材は、黒毛和牛をはじめとする牛、豚、鶏の内臓にタンやテールなど。マネージャーの山口博史さんによると「福岡では女性でもモツやホルモンに抵抗感がない方が多いので、いろんな部位をビストロスタイルで提供しようというのがコンセプトです。食材は地元の有名もつ鍋店と同じ肉屋さんから仕入れています」と、その品質と鮮度には自信満々の様子。メニューにはフレンチやイタリアンの技法を使ったオリジナリティの高い創作料理がズラリと並んでいます。
前菜に注文した「冷たいレバニラ」(780円)は、メニュー名と見た目のギャップに驚きます。「ニラレバ」といえば誰もがニラとレバーの炒めものを想像するでしょうが、こちら低温でじっくりと火を通した牛のレバーに、ニラのペーストを合わせたもの。同じ食材を使いながら、ワインに合う洋食に仕立て直した新感覚の一皿です。
トリッパなどの煮込み料理は、イタリアでも一般的な調理法の1つです。「黒毛和牛4種ホルモンのコク旨塩煮込み」(980円)は、大腸、小腸、ハチノス、ギアラの4種類にミノ、アキレス、そしてインゲン豆などを加えて柔らかくなるまで長時間コトコトと煮込んだもの。白ワインと岩塩のシンプルな味付けで、それぞれの部位から染み出る旨味をたっぷりと引き出した滋味深い味わいでした。
店の"激推し"という名物料理が、黒毛和牛のハラミやサガリ、ハツなど黒毛和牛の内属を使った薪焼きです。写真は「黒毛和牛ハラミのじっくり薪焼き」(2,180円)で、ハラミの塊を休ませながら薪の直火で焼き上げ、香り高い新ショウガのソースを合わせています。柔らかい肉質に程よい薫香が付き、赤ワインを飲まずいられようかというほど抜群の相性です、(薪焼きは21時オーダーストップ)
実は屋上にはオープンテラスもあり、バーベキュー専用スペースとしてオープンの予定だとか。また、ランチメニューも準備中で、近日中には営業が開始されるようです。オープンして1ヵ月を過ぎたばかりですが、カウンター席のみなので予約は必須。21時以降はワインバー使いもできるので、そちらも狙い目です。
ビストロノミー とりぴえ
福岡市中央区高砂1-14-6高砂NTビル2F
092-791-9778
ジャンル:ダイニングバー
住所:福岡市中央区高砂1-14-6高砂NTビル2F
電話番号:092-791-9778
営業時間:17:30~OS24:00
定休日:日曜
席数:カウンター9席、テラス8席
個室:なし
メニュー:黒毛和牛コリコリ白センマイとオリーブ、無花果の白和え980円、ふわふわ砂肝コンフィと新鮮リーフ野菜のサラダ780円、冷たいレバニラ780円、黒毛和牛4種ホルモンのコク旨塩煮込み980円、黒毛和牛ハラミのじっくり薪焼き2,180円、豚ホルモンの味噌チーズリゾット980円
URL:https://www.instagram.com/toripier/
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