ネットの"住みたい街ランキング"などでしばしば上位にランクされる平尾は、西鉄沿線の中でもトップクラスの人気エリア。現在も新築マンションの建設ラッシュが続く駅前から歩いてわずか数分の場所に、まるで昭和の時代から時が止まった"エアポケット"のような一角があります。築50年を優に超える古民家を改装したカフェやカレー店、寿司割烹などの飲食店が集まる中、この7月新たにオープンしたのが「TORIYA」です。
細い路地の入口から見えるのは、樹木に囲まれた古民家が建ち並ぶ一角。中央区にまだこんな場所が残っていたのかと思わせるシチュエーションも、期待感を盛り上げるのに一役買っています。
高砂の居酒屋「飯や こがね」の姉妹店でもあるこの店は、その名の通り鶏料理の専門店。地元のブランド鶏「博多地鶏」をメインにした鶏づくしの料理が楽しめます。席に着くと、まず出てきたのがお通し(400円)の「九条葱と鶏ミンチのお椀」です。蓋をとると湯気とともに出汁の香りが漂い、椀の中央には大きめのつくね団子が鎮座。そのまわりに散らされた九条葱が彩りを添えています。鶏の旨味と葱の甘みがいい塩梅で、身体の中からほっこりとしてくれるような一品です。
毎日仕入れる新鮮な博多地鶏の刺身がこの店の名物。単品でも注文できますが、もものたたき・むねのたたき・砂ずりを木箱に盛り付けた3種盛り(1,500円)がおすすめです。コリコリとした食感の砂ずりに、皮目を炭火で炙ったもも肉はジューシーな脂身、むね肉はあっさりとした肉質が持ち味。さらに、本わさび、生姜、高等ネギ、青唐辛子と柚子皮の4種類もの薬味が添えられ、それぞれの持ち味をさらに引き立ててくれます。これが、日本酒や焼酎に合うのは言うまでもありません。
炭火で焼く「鶏ももの山椒焼き(980円)や「鶏もつのクミン味噌朴葉焼き」(800円)といったアラカルトもありますが、今回は博多地鶏のうまさをダイレクトに味わえる「焼きもの」メニューから注文しました。写真は「ハツ」(680円)、「せせり」(700円)、「もも肉」(900円)の3種類。テーブルに据えられた無煙ロースターで、じっくりと焼いていきます。
ほどよく焼き目がついたところで小皿に取り、ポン酢、塩、柚子味噌でいただきます。まずはシンプルに塩だけで博多地鶏の旨味を味わった後は、それぞれの部位に合わせた好みの味付けで。それぞれ食べ比べたところ、柚子胡椒を白味噌で溶いた柚子味噌が、かなりの好相性でした。
シメには、米と鶏肉をかつおだしで炊いた「鶏と九条葱としその土鍋」(1合1,280円)でフィニッシュ。ふっくら炊きあがったご飯に鶏とかつおの旨味がじんわりと染み込み、たっぷりのしその葉と九条葱が食欲をそそります。茶碗によそってペロリと完食し、最初から最後までまさに鶏づくしの料理を堪能することができました。
外観からは想像もつかない明るい店内は、カウンター5席とテーブル2卓6席のレイアウト。予約で埋まっていることもあるので、事前に電話で確認してからどうぞ。
TORIYA
福岡市中央区平尾2-14-18
092-525-1177
ジャンル:居酒屋
住所:福岡市中央区平尾2-14-18
電話番号:092-525-1177
営業時間:17:00~OS22:30
定休日:水曜
席数:カウンター5席、テーブル6席
個室:なし
メニュー:鶏刺身680円~、鶏刺身盛り合わせ(3点盛り)1,500円、鶏焼き680円~、鶏ももの山椒焼き980円、鶏もつのクミン味噌朴葉焼き800円、鶏と九条葱としその土鍋(1合)1,280円
URL:https://www.instagram.com/toriya1177/
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