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かつての“絶対的守護神”サファテさんが秋山幸二元監督と対談

ホークスの守護神として2014年から4年連続で60試合以上に登板、2017年にはNPB記録の54セーブをあげるなど、チームを支えた“キング・オブ・クローザー”デニス・サファテさんと、移籍1年目に監督を務めた秋山幸二さん(RKB野球解説者)との特別対談が実現しました。当時の思い出や現在の生活、そしてホークスへの想いなどを語り合いました。

久しぶりの特別対面 弾む懇談


【秋山】ハーイ!久しぶり!
【サファテ】お久しぶりです! アメリカからお土産を持ってきましたよ。僕の好きなスコッチウイスキーです。秋山さんあっての自分ですから。
【秋山】そんなことないよ!
【サファテ】2014年のキャンプ中に呼ばれて「今年はお前がクローザーで行く」と言ってもらって、すべてが始まったんです。
【秋山】ご家族は元気?
【サファテ】元気、元気!
【秋山】アリゾナに住んでるんだっけ? どのへん? フェニックス?
【サファテ】フェニックスから車で40分くらいです。
【秋山】俺も40年くらい前に教育リーグで2年間いたから。アストロズ傘下のチームでテンピでやってた。
【サファテ】大学がテンピでしたよ。
【秋山】「ローハイド」っていうステーキハウス知ってる? そこに食べに行ってた。
【サファテ】先日も行きましたよ。ヘビ、食べました?
【秋山】ノー!(笑)ほかにも、ネクタイを切られてぶら下げられる店とか。
【サファテ】Yeah! Yeah!
【ディレクター】そろそろ始めても…。
【サファテ】久しぶりに会ったんだから、もう少し時間ちょうだい!

「今は家族サービスの毎日」近況報告


【秋山】(現役引退の原因となった)股関節は大丈夫?
【サファテ】もうすっかり大丈夫です!
【秋山】今は何してるの?
【サファテ】家族サービスの毎日ですね。1歳の赤ちゃんがいるので。
【秋山】子どもは何人?
【サファテ】4人います。女の子、女の子、女の子、男の子。
【秋山】にぎやかでいいね。
【サファテ】あと、ニワトリも飼っていますよ。養鶏場というほどじゃない小さなものだけど、卵を産んでもらって食べています。遊びに来てくださいよ。
【秋山】ゴルフはやってる? 好きだったよね?
【サファテ】ノーグッド! 全然上手じゃないんです。

秋山監督には「好きなようにやらせてもらった」


【ディレクター】秋山監督はどんな監督でしたか?
【サファテ】西武時代に相手側から見ていて、監督がどっしりとベンチに座って、試合を見つめている。選手に「好きなようにどうぞ」ってやらせていると感じていました。ホークスに来て、(秋山さんが)スーパースターっていうのは知っていましたが、監督という年齢になっているにも関わらず、外野でピッチャーと普通にキャッチボールをしていたり、すごく動けている。試合の中では、「君たちは才能があってここにいるんだから、自分たちの力を出してくれ」って、怒るわけでもなく、好きなようにやらせてもらって。負けても、「きょうは負けね、また明日があるよ」っていうくらいの感じだったので、すごくやりやすかったです。
【秋山】そう?(笑)
【サファテ】自分がセーブ失敗したことも何回もあったんですけど、その時に監督に「秋山サン、ゴメンナサイ」って言っても「全然大丈夫」という声をかけてもらったことしか覚えてないですね。最初の頃は数試合、満塁まで行ったりとか、1点差のときに打たれたりとかあったと思うんで、すごく苦労をおかけしたと思います。

日本一を決め、捕手にではなく監督に飛びついた


【秋山】広島の時から注目して見てたのよ。西武のときも見ていて。で、「カモーン」って(笑)。来て欲しい選手だったからね。来たらもう、「お願いします、9回お願いします」って(笑)。でもね、俺の中で最も印象に残っているのが、最終戦で優勝した2014年の最後の方。(五十嵐)亮太もサファテもストライクが入らないんだよ。2人とも押し出しする試合が最後の方にあったのよ。それまでの試合では、五十嵐にしろ、サファテにしろ、全然普通に抑えているんだけど、最後の方はプレッシャーかわかんないけども、ストライクが入らなくなって。それ見てて、「あ~、やっぱプレッシャーかかってるんだなあ」って。俺はベンチで「頑張れよ!」って(笑)。
【サファテ】(リーグ優勝を決めた)最終戦も多分、四球出して、糸井だったかにデッドボール当てて、最後ペーニャをフライでアウトに取ったかな。苦労しましたね。
【秋山】あれがあったから、次の年からも自信がついたのかなって、選手はね。
【サファテ】自分も含めて選手たちは、秋山さんととにかく優勝したいっていう気持ちが強くなりすぎてしまって、それが余分な力というか……。その話を他の選手としたことはないんですけど、自分はそういうのがすごくあって。それが余計なプレッシャーというか、リーグ戦もそうですし、CSもそうですし、日本シリーズも、とにかく監督と優勝したい気持ちが強かったのはすごく鮮明に覚えています。最後、日本シリーズでアウトになったときに、グローブを投げて、監督のもとに全力で走ったのを覚えています。
【秋山】そうそう。普通はね、日本シリーズ、最後終わったら普通は選手、バッテリーとで喜ぶものなのに、俺のところに走ってきて、「おまえアッチやろ」とか言って(笑)。それ、すごく覚えているね。

「初日から、みんなが自分を受け入れてくれた」


【ディレクター】ホークス1年目はサファテさんにとってどんなシーズンだった?
【サファテ】広島も素晴らしいチームでしたし、西武もそのあと行きました。秋山さんもプレーしたと思うんですけど、何度も優勝している素晴らしいチームなんですけど、またホークスというのは全然、ひとつもふたつも違って、チームとして組織としてプロフェッショナル。選手同士がしっかりリスペクトしあって、最初に自分が来た初日のときから、すごくみんなが自分を受け入れてくれる状態でしたし、王会長がロッカーやカフェテリアでみんなと気さくに話をしてくれる。選手も自分のことをまだわかっていない状態なのに、食事に誘ってくれたり、本当にすべてにおいてプロフェッショナルなチームでしたし、自分のキャリアの中でもそういうチームは初めてで、翌年からもどんどん良いチームになっていったと思います。素晴らしい経験でした。

今もホークスの試合結果をチェック


【秋山】今のホークスは見てる?情報ある?
【サファテ】アメリカではふだん、朝4時に起きるので、起きてちょっとトレーニングして、その時間は試合の最後の方が少し見られたり、日によってですけど、可能な日は見ています。あとはNPBのウェブサイトをチェックしたり、ほんとに今でも皆、自分のファミリーなので、大事に思っています。だから、みんなの成績、チームの状況をチェックしてますし、特にユイト(森唯斗)の状態は注意深くチェックしています。
【秋山】森とはもう会った?
【サファテ】まだ会っていません。多分、彼からしたら、今回、私がここにいて、自分(森)が一軍にいないことで、合わせる顔がないと思っているかもしれませんね。でもユイトがルーキーの年からずっと一緒にやって、彼がホークスにもたらしたものはかけがえのないものだと思っています。一緒にトレーニングをずっと毎日していましたし、できれば会いたいなと思っています。

「家でバーベキューもできるのでアリゾナにぜひ来て」


【秋山】サファテのあとは(守護神として)森が投げたしね。
【サファテ】本当にすごいことだと思うし、心の準備をする時間がなかったと思うんです。私がまだ投げていた状況から、急にケガをしていなくなって。
【秋山】まあでも、森はサファテの姿を見ているから。
【サファテ】多分、ケガするのを待っていたかも。「早くいなくなれ」って(笑)。
【秋山】アリゾナにも行きたいね。娘と遊びに行こうかな。
【サファテ】ゴルフを一緒にしましょう。ボールもよく飛ぶし、広いからOBもない(笑)。僕の家でバーベキューもできるんで、ぜひ、来て下さい!

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