古くからの東洋医学の書物や、日本の食養生などの本にも、万能食として記載されていて、薬膳の世界でも、有名な食材の中の一つに「烏骨鶏(うこっけい)」というものがあります。
烏骨鶏は、他の品種の鶏(ニワトリ)と違って、肉、内臓、骨の全てが、烏(カラス)のように黒っぽいことから、烏骨鶏という名前で呼ばれるようになったそうです。
中国では、古くから宮廷で出される薬膳や、高級料理として食されていました。
普通の鶏と違う烏骨鶏の栄養素と効果
烏骨鶏は、普通の鶏肉と比べて、カロリーがやや低く、引きしまっていて脂肪も少ない上に、コラーゲンやビタミン類もかなり豊富に含まれています。
さらに大きく異なるところは、一般的な鶏の肉は、牛肉や豚肉と同じ酸性の食品であるのに対し、烏骨鶏は、緑黄色野菜や海草類などと同じ、アルカリ性食品に属するということです。
近年、加工食品や乳製品、肉類などの酸性食品を口にする機会が増加して、血液もドロドロになりがちな中、アルカリ性食品の摂取は、血液中の悪玉コレステロールの減少や、血流の促進に働きかけて、免疫力の向上や疲労の回復にも効果的だと言われています。
東洋医学的に見る烏骨鶏の薬効
また、東洋医学においては、烏骨鶏の薬効が広く認知されており、多くの医学書の中にも、様々な症状の改善や緩和に、その効果が期待できることが述べられています。
その一部を抜粋すると、体の五臓六腑では、主に肝や腎、および消化器系の弱りを立て直し、体全体の栄養や潤い不足を補い、婦人科系疾患や、成人病全般の予防や改善に作用することなどが、幅広く明記されています。
卵にも含まれる豊富な栄養素と特徴
因みに、スーパーなどでもたまに見かける、烏骨鶏の卵としての特徴は、飼育の環境や与えられたエサ等で多少は異なりますが、ビタミンのA・B2・D・Eや、ミネラル類がかなり豊富に含まれており、加えて他の鶏の卵にはない、悪玉コレステロールを下げる不飽和脂肪酸やDHA・EPAなどが含まれていることが分かっています。
卵自体はやや小ぶりですが、中身は少し弾力があって濃厚な感じがします。
有名な韓国料理にも
最近は日本国内でも、整った環境のもと、良質な烏骨鶏の飼育を行う農場が増えてきました。
そしてお隣の韓国では、代表的料理の一つとして日本でも人気の「参鶏湯(サムゲタン)」の鶏を、烏骨鶏に代えて作った「烏骨鶏湯(オゴルゲタン)」という高級薬膳が、疲労回復のスーパーフードとして振る舞われているお店も多いと聞いています。
アジアの国々を中心に、改めて万能食である烏骨鶏への関心が、広まりつつあるようです。
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この記事を書いたひと
大賀薬局
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