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今夏、別府に移転した町寿司へ!天然魚介の創作寿司に大満足

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「値段とは、上下を測る物差しではない」──そんな大事なことを教えてくれる大衆店が、世の中には幾つもあります。ありったけの知恵を絞り、「値段を超える幸せはある」と証明し続ける店たちが。

僕の知る限り、古賀章郎さんが営む「創作寿司 あき郎」もその一軒です。昨年からの休業を終え、この夏中央区別府で移転オープン。これはお祝いを述べねばと、地下鉄別府駅徒歩4分の新店舗へ向かいました。

あき郎店主

笑顔がトレードマークの古賀さんは、創作寿司の名店「たつみ寿司」出身。「寿楽」で花板を務めた後、2017年、早良区田隈に「あき郎」を構えます。

ほどなく人気店となりますが、やがて心境にある変化が。「皆さんの希望に応えたくて、当時は居酒屋のように色んな料理を出しました。でも徐々に“純粋に鮮魚で勝負したい”と思うようになって」。そこで昨年11月、仕切り直しのために古賀さんは一旦田隈の店を閉めます。

あき郎店内

そして今年の8月20日、「あき郎」は別府で復活を遂げました。きちんと客の機微をつかむため、テーブル席を減らしカウンター接客を重視。メニューもほとんどが寿司と魚介料理です。

毎朝5時半に通う長浜市場も近くなり、仕入れにもより力が入るとか。日々扱う常時15種前後の鮮魚はほぼ天然物。食材高騰が続くなか、創意工夫で良品を安く買い付ける努力が続きます。その鍵を握るのは情報。例えば気象アプリで「どの海域でどの魚種が不漁になるか」を予測し、事前に押さえるなど“攻めの仕入れ”が欠かせません。

あき郎卵焼き

こうして届いた鮮魚は、丹念な準備を経てうまい寿司に変わります。が、その前に、厳選された一品料理に寄り道しましょう。

まずは「たつみ寿司」でも定番の「卵焼き」(2切400円)。薄生地を何度も重ねて焼いた、実は想像以上の労作です。「たつみ寿司に入社当初、こればかり焼いて腱鞘炎になりました(笑)」。しかしこの料理には全ての基本があり、初心を忘れぬために出し続けるのだそう。ずっしり食べ応えがあり、深い甘さに癒される佳品でした。

あき郎しゅうまい

片や、「自家製いかしゅうまい」(2個・400円)は「寿楽」直伝。「ふつう具の比率は“魚のすり身7:イカ3”ほどですが、うちは逆です」という古賀さんの言葉に嘘はありません。頬張った途端、イカの甘みと香りが一気に膨張。ミキサーで滑らかにしたアオリイカと、角切りで歯応えを出したヤリイカの2種を混ぜる裏技もポイントです。これ、イカ好きには本当にたまりません!

あき郎寿司

そしていよいよ寿司の出番。醤油で食す王道にぎりもありますが、今宵は「創作寿司」(特選/3,960円。カウンターでは1貫ずつ提供)を頼みました。

本日は、ノドグロ、大トロ、白甘鯛、蒸しアワビ、ズワイガニ、マナガツオ、ウニ、筋子とかなりの豪華版。随所に“創作”が見られますが、派手さや過剰さはなく、むしろ抑制の効いた美が漂います。酢を立てないまろやかなシャリともよく馴染み、食すたびに温かな余韻に包まれました。

そう。ここの寿司の特徴は、巧みな“引き算”が生む絶妙なバランス。脂が乗ったノドグロには大根おろしとポン酢をぶつけたり、白甘鯛は金山寺もろみで後口をスッキリさせたり……と、いかに最小限の創意でネタを最高の状態へ導けるかが肝なのです。

その情熱を支えるのは、日本が誇る食材=魚への敬意。古賀さん曰く「田隈で開業した頃は食育がテーマでした。どうやればもっと魚を好きになってもらえるのかなって。そのための努力は少しも辛くないですね」。そんな言葉の端々に、魚・客・仕事への揺るがぬ“愛”が溢れていました。

あき郎寿司4

もう少しつまもうと、さらに「押し寿司/穴子」(990円)を追加。2度に分けて炊いた福岡産の穴子は、これまた柔らかな後味でした。お土産にも人気だそうですよ。

味よし、人よし、雰囲気よし。「あき郎」は、町寿司にこだわる大将が誠実にこしらえた幸せな大衆店です。すると古賀さんも「僕も今が一番幸せ。先日も“みんなに喜ばれる職業で羨ましいね”と医師のお客様に言われまして」とさらに破顔。その幸せを形にすべく、明日もまたフル回転の1日が待っています。その飽くなき原動力は?と問われたら、答えはやっぱり“愛”、ですよね。

あき郎メニュー2 あき郎メニュー3

創作寿司 あき郎
福岡市城南区鳥飼6-7-7 日宝サンセーヌ城西1F
092-844-3155

店舗名:創作寿司 あき郎
ジャンル:寿司
住所:福岡市城南区鳥飼6-7-7 日宝サンセーヌ城西1F
電話番号:092-844-3155
営業時間:18:00~OS22:00
定休日:週1回不定
席数:カウンター8席、テーブル6席
個室:なし
メニュー:創作寿司/中1,980円・上3,300円・特選3,960円、握り寿司/中1,760円・上3,080円・3,740円、押し寿司/穴子990円、卵焼き400円、自家製いかしゅうまい400円、刺身盛合せ990円~、煮穴子1,080円

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