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使うたびに幸せな気持ちになるメイドイン福岡の器

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料理と切っても切れない関係の器。お気に入りの器があるだけで、料理をすることや誰かをもてなすことがより一層楽しくなるものです。作家ものや民芸、アンティーク、世界各国の器まで、収納場所に困るほど器を集めてしまうライターの森脇美奈さんが、こだわりのセレクトが光るお店を紹介していきます。

毎月、器をセレクトするお店を紹介していますが、今回は特別編として福岡市内で器づくりを行う伊藤隆美さんのお店「joice on the table」を紹介します。

やって来たのは佐賀県へと繋がる三瀬峠の手前にある早良区西地区。福岡市内でありながら、広い空、辺りを囲む山々、清らかな室見川など、心がほっと落ち着く風景が広がるのどかなエリアです。これからの紅葉の季節は、三瀬方面へドライブに出かける方も多いのではないでしょうか。小川のせせらぎを聞きながら山の麓の小道を進むと目的地の「joice on the table」に到着しました。久しぶりの訪問ということもあり、ワクワクしながらおじゃまします。器は敷地の奥にある建物で販売しています。

オープン20周年を機に店舗をリニューアルし、カフェとして営業していた場所がショップになっています。柔らかな光が心地よく差し込む空間に素敵なコーディネイトで配された器たち。以前より広くなったスペースでゆっくりと見ることができます。

1997年からこの場所で器づくりを続ける伊藤隆美さん。子どもの頃から絵を描くことが好きだった伊藤さんは、小学生の頃に能古島で体験したお皿の絵付けや中学校の授業で行った陶芸などで器づくりの楽しさを知ったと言います。「もともと母が器好きだったので、その影響もありますね」と伊藤さん。九州造形短大で陶芸を学んだ後、陶芸家への師事を経て独立。お母さまが将来住みたい場所として用意していたこの土地に工房を構え、作品づくりをスタートしました。

「もともとかわいいものや雑貨が好きだったので、そういった要素を取り入れた普段使いの器を作りたいと思って」と伊藤さんが語るように、「joice on the table」の器は多彩な色使いとストライプやチェック、ドット、幾何学模様などの柄が特徴です。ひと目でjoiceの器だということがわかる特徴的なデザインは、伊藤さんと同じようにかわいいものが好きな女性の心をつかみ、いまでは全国区の人気を誇ります。

ブログやSNSなどその時々の情報ツールで話題になることもしばしば。「こちらからも発信していますが、使ってくださっている方のおかげで人気になった商品もたくさんあります」。Instagramで #JOICEONTHETABLEのハッシュタグを検索すると1万件以上もの投稿があり、器好きのみなさんが料理やお菓子と素敵に組み合わせている写真が次々に表示されます。実際に使っている様子を見ると、ますます魅力的に見えますね。また、最近は若い世代の方からの反響も大きいそうです。

ポップなものだけでなく、古いものも好きだという伊藤さん。アンティークの趣があるシックなものも手がけています。ひとつのイメージに固まらずさまざまな表情を見せてくれるのも「joice on the table」の魅力です。

ご自身で釉薬を調合しているため、色やテクスチャーの表現も多彩。ショップに並ぶ器の色から季節も感じられますね。この時はハロウィンに向けた黒や紫、オレンジの器のほか、ホリデーシーズンにぴったりな赤やゴールドアクセントの器などが並んでいました。

今回も気になった器を紹介します。まずは「joice on the table」を代表する柄のお皿からです。器をキャンバスに見立て幾何学模様を描いた「モンドリアンシリーズ」は、ブランド立ち上げの頃からの定番アイテム。時期によって色を変えながら作られています。深まる秋を感じるブラウンは、秋~冬の料理によく合いそう。ストライプやドットなどほかの柄と重ねたり、組み合わせて使うとよりモダンな印象になります。写真は左から「12cmモンドリアンリムプレート」(各2,090円)、「18cmモンドリアンリムプレート」(上 3,630円)、「25cmストライプリムプレート」(下 5,390円)、「オーバルストライプリムプレート」(4,620円)、「12cmドットリムプレート」(2,090円)。

こちらはヨーロッパのアンティークの雰囲気をイメージした「ピューターシリーズ」。アンティークの風合いを表現するために、デザインや釉薬にこだわって作られています。なかでも惹かれたのは、植物柄の「The garden」シリーズ。本物の植物を型押しして作られているため1枚1枚柄が異なります。植物を外した跡に手書きで色を付ける細やかな作業を経て完成する素敵なお皿です。写真は手前から「21cm The gardenピュータープレート」(上 5,500円)、「25cm The gardenピュータープレート」(下 6,050円)、「15cm The gardenピュータープレート」(3,520円)、「24cm The gardenポリゴンプレート」(7,150円)。

を表現したフォレスト柄のお皿。赤とグレーの組み合わせはクリスマスのムードを盛り上げてくれそうです。グレー地に白いドットのお皿はまるで雪のよう。ケーキやパーティ用の料理などを盛り付けるイメージがすぐに浮かんでくるお皿ですね。異なる柄や色のお皿と重ねて組み合わせを楽しむのもおすすめです。写真は左から「18cm ドットリムプレート」(上 3,630円)、「25cm フォレストリムプレート」(下 5,390円)、「18cm フォレストリムプレート」(上 3,740円)、「25cm ストライプリムプレート」(下 5,390円)。

この日、居合わせたお客さんが「ここの器が家事のご褒美」と笑顔で話していたのが印象的でした。私も心の中で「うんうん」とうなずきながら、多くの人の食卓で愛されているjoiceの器のことを考えて幸せな気持ちになりました。そして私も愛用している青いお皿に加え、今度はシックな趣きのものを購入。いろいろな用途に合いそうなので、これから使うのが楽しみです。

店舗名:joice on the table(ジョイス オン ザ テーブル)
ジャンル:物販店
住所:福岡県福岡市早良区大字西2044
電話番号:092-804-5912
営業時間:11:00~17:00
定休日:火・木・日曜
URL:https://www.instagram.com/joiceonthetable/

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この記事を書いたひと

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