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薬院のエスニック居酒屋「そいさぼ」の料理長が、新オーナーとなって再出発!

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大好きな飲食店が、ある日突然閉まるのは切ないものです。先日も僕のご贔屓エスニック居酒屋「そいさぼ」の看板が消えており、「えっ?」と動揺したのですが、代わりにテナントを引き継いだ「剛印」で話を聞くとひと安心。長年の「そいさぼ」ファンは落胆せずに済みそうですよ!

この交代劇のいきさつは、「そいさぼ」の前オーナーが系列店の「ちょいさぼ」に専念することになり、「そいさぼ」の店長兼料理長・山口剛さんに店を譲渡した──とのことです。これを快諾した新オーナーの山口さんは、10月5日より屋号を「剛印」と改め再出発。要所に自身のカラーを加えつつ、「そいさぼ」のDNAを継ぐ料理を提供しています。

剛印店内1 剛印店内2

多少は手を入れたものの、店内の素朴で緩やかなムードは以前のまま。1階はカウンター席とテーブル席、三角形の間取りが特徴の2階席は座敷仕様になっています。アジアの食堂か屋台のような、エキゾチックな温かさが良いんですよね。

剛印店主

さて、前身の「そいさぼ」は、タイ料理と沖縄料理の二枚看板で始めた人気店。当然ながら「剛印」の料理も同様で、旨味の渦に引き込まれるような味わいは健在です。国産食材を柱に据え、アジア野菜は小郡の「川辺農園」、パクチーは佐賀県武雄市の「江口農園」から仕入れるなど、極力国産食材を揃える姿勢も変わりません。

また本格派寄りの味に対し、単品1000円以下という良心価格もポイントでしょう。「ウチは専門店ではなく居酒屋なので、気軽に来てもらうためにも、そこはこだわっていきたいです」と山口さんも心意気をそう述べます。

剛印海老

そんな居酒屋魂がこもった料理はハズレなし。山口さんのオリジナル料理「トムヤムクンガーリックシュリンプ」(900円)はその好例です。タイのチリペーストやココナッツミルク、各種ハーブなどでソフトシェルシュリンプを炒め煮したインパクトのある一皿。「汁なしトムヤムクン」とも呼ぶべき、辛味や酸味が折り重なる旨味の凝縮感がたまりません。これは人気を呼びそうな予感!

剛印揚げ出し

一時途絶えていた「そいさぼ」名物、「ジーマミー豆腐の揚げ出し」(600円)も待望の復活を遂げていました。一見普通の揚げ出し豆腐ですが、なめらかにとろける豆腐の食感は真に絶品。これは沖縄産の硬めのジーマミー豆腐でなければ表現できない味だとか。鰹出汁のスッキリ風味も好印象で、なんともヤミツキ指数の高い完成度となっています。

剛印パスタ

独創性に感服したのは、これまたオリジナルの「グリーンカレーカルボナーラ」(950円)。炒めたベーコンの出汁に卵やスパイスを絡めた、じんわり辛めなソースが魅惑的です。再び点火した食欲に促され、罪悪感と共にたちまち“別腹”に収まりました。

「これは、昔スペインバルにいた経験をもとに作った料理です」と山口さん。「こうした洋の要素も取り入れて、沖縄やタイの枠を超えた料理も出したいですね」。なるほど、それで店名に「多国籍酒場」が付くわけですね。
タイのウイスキーやワイン、アジアンビールなどドリンクも豊富。料理もますます進化中の「剛印」は、今後も楽しき“薬院のエスニック砦”を守ってくれそうです。

剛印メニュー1 剛印メニュー2
店舗名:多国籍酒場 剛印(ごうじるし)
ジャンル:アジア料理
住所:福岡市中央区薬院2-2-33 OSA薬院ビル2F
電話番号:092-714-5801
営業時間:18:00~OS23:00
定休日:不定
席数:カウンター4席、テーブル10席、座敷10席
個室:なし
メニュー:トムヤムクンガーリックシュリンプ900円、ジーマミー豆腐の揚げ出し600円、グリーンカレーカルボナーラ950円、空芯菜炒め750円、ガイヤーン(小)500円・(大)800円、タコライス900円、ラム肉の水餃子(6個)800円
URL:https://gojirushi.owst.jp/

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この記事を書いたひと

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