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九州最注目のパティシエが登場する「大丸福岡天神店」のバレンタイン~vol.1~「Doble K(ドブレ・カー)」(熊本)

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日々、バイヤーたちが九州を東奔西走し、新しい美味を届けてくれる「大丸福岡天神店」。2024年1月24日(水)~2月14日(水)まで開催されるバレンタインイベントには、今、九州で最も旬と言われているパティシエたちのショコラが登場します。一体どんな人たちが、どんな思いでお菓子づくりに取り組んでいるのか? 熊本・福岡・長崎の各県で、オープン以来瞬く間に人気となった彼らのお店を訪ね、インタビューしてきました。第1回は熊本「Doble K」の馬場加奈子さんです。

世界を渡り歩いた末「身近な人たちに食べてもらいたい」と熊本へ帰郷

熊本の中心地から少し離れた閑静な住宅街の中にある「Doble K」。2021年3月のオープン以来、すぐに人気に火がつき、朝9:00の開店とともに訪れる人が後を絶ちません。この店のオーナーシェフが馬場加奈子さん。進学校として知られる熊本県立済々黌高校を卒業後、“好きなことを仕事にしたい”とパティシエの道へ。専門学校で学んで渡仏し、M.O.F(Meilleur Ouvrier de France※国家最優秀職人章)の称号を持つパティシエ「ステファン・グラシエ」のもとで5年学び、その後、ドバイの「Restaurant Nobu」のシェフパティシエに就任。スペイン「Nobu Hotel」のオープニングスタッフとして1年半経験を積み、熊本に帰郷したという輝かしいキャリアの持ち主です。

「小さい頃から手を動かして、モノをつくることが好きな子どもで、自分でお菓子をつくって家族に食べてもらっていました。お菓子を食べることも、つくることも好きだったので「好きなことを仕事にしたい!」と迷うことなく東京の専門学校へ進学し、2年学んだ後「もっといろんな先生について学びたい」と思ったので学校に残って、アシスタントをしていました。その中にフランス人の先生がいて「フランス菓子というのは日本の和菓子みたいな存在で、イベントや行事ごとには必ず食べるし、日常的にも気軽に食べるフランス人にとって欠かせないものだよ」と聞いたことをきっかけに現地を見たくなってフランスに渡りました。
 フランスでは、カスタードの炊き方だったり、スポンジの扱い方だったり、フランス菓子の基本となるところをしっかり学びました。5年経った頃、「ステファン・グラシエ」がドバイに出店することになったので、ドバイに赴任しましたが、縁あって「Restaurant Nobu」のシェフパティシエに転職することに。「Nobu」は日本スタイルのレストランだったので、材料を日本から取り寄せていましたが、中には白玉粉や海苔など故郷・熊本の食材もあり「熊本にこんな食材があるんだ~」と興味を持って使っていました。
 その後、スペインに「Nobu Hotel」ができることになったので、オープニングスタッフとしてスペインに渡ったのですが、コロナ禍でクローズすることになり、それを機に帰国することにしました。東京や福岡などの選択肢もあったのでしょうが「自分のお菓子を誰に食べてもらいたいか」と考えた時に、大好きな身近な人たちの顔がすぐに浮かんできたので、熊本に帰ることに迷いはありませんでした」と馬場さん。
(以下太字部分、馬場さん談)

店名の「K」は「KANAKO」と「KUMAMOTO」のダブルミーニング
ポテンシャルの高い熊本の食材を積極的に採用

馬場さんが自分の店を開く際にコンセプトとしたのが「熊本の食材を使った自分らしいお菓子をつくる」こと。そんな思いから、店名は「KUMAMOTO」×「KANAKO」の頭文字「K」をとって「Doble K」に。実際にショーケースには熊本産の栗を2種類ブレンドし、味に奥行き感をプラスした「熊本栗のタルト」(680円・写真左)や、「ステファン・グラシエ」直伝のカスタードクリームと甘酸っぱさが特長の熊本県産イチゴ「ゆうべに」を使った「ストロベリータルト」(529円・写真右)など、熊本産の食材が使われたケーキが並んでいます。いずれもずっしりとした存在感があり、幾重にも重なる風味と香りが特長です。このほか、植木のリンゴや阿蘇のブルーベリー、玉名のレモンなど、季節ごとに熊本の食材を使ったケーキが登場します。

※施設より提供

「帰国後、熊本には想像以上に素晴らしい食材があることに驚きました。マンゴーやパッションフルーツといった南国系のフルーツも栽培されていて、香りがよくて美味しいんですよ。玉名のレモンは酸味があるのにフレッシュで使えるくらい甘みもある。八代のハチミツも気に入っています。
 今回、大丸福岡天神店のバレンタインイベントには、そんな熊本の食材を使ったボンボンショコラを持っていきます。「あまおう」と「ゆうべに」をブレンドして旨味をたたせたガナッシュや、ゆずやパッションフルーツのガナッシュなど、ショコラの中に熊本食材の香りと風味を閉じ込めました。楽しみにしていてくださいね」。

持続可能な食材を使ったお菓子づくりを目指し
子どもたちに地元食材の素晴らしさを伝えたい

※集合写真・施設より提供

この店の名を冠したシグネチャー「Doble K」(486円・写真左・一番左)は、熊本産小麦のスポンジとベルギー産チョコレートのムース。ふんわり柔らかなムースをチョコレートで包み、カカオニブをトッピングしてアクセントをつけています。

「フランスでドライブしていた時に、田舎町で出会った1軒のお菓子屋さんがあったんです。そこには1種類のチョコレート菓子しかなく、形は不恰好だったのですが、食べてみるとものすごく美味しくて「これは積み重ねたお店の歴史が詰まった味わい」と感動したんです。自分のお店を開く時にそのことを思い出し“シンプルだけど美味しくて、また食べたいと思ってもらえるようなケーキをつくり続けたい”という店の姿勢を表すものをシグネチャーにしたくて、このケーキをつくりました」。

「Doble K」は上掛けされたチョコレートが柔らかく、ふわっと口の中でとろける美味しさが広がります。小ぶりなのにインパクトがあり、「フランスのチョコレート菓子を食べた~」という満足感に満たされます。コーヒーはもちろんのこと、お酒(コニャックやマールなど)とも合いそうですよ。

「今後はもっともっと地元の食材について学びながら、ここでしか表現できないお菓子をつくっていきたいですね。熊本にはサステナブルな肥育を行っている卵農家さんや、残留農薬ゼロに取り組んでいる果実農家さんなど、素晴らしい方々がたくさんいます。私自身、この仕事に就いて熊本に帰ってくるまで、地元にこんなにいい食材があることを知らなかったので、お菓子を通じてその良さを発信していきたい。そうして未来を担う熊本の子どもたちが食に興味を持ってくれたらなにより嬉しいですね」。

お菓子を通じて熊本の魅力を発信し続ける馬場さん。まずは一粒のショコラから、その思いを受け取ってみてはいかがでしょう?

店舗名:大丸福岡天神店
ジャンル:複合施設
住所:福岡市中央区天神1-4-1 大丸福岡天神店 本館・東館エルガーラB2F
電話番号:092-712-8181 (代表)
営業時間:10:00~20:00 
定休日:なし
URL:https://www.daimaru-fukuoka.jp/

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この記事を書いたひと

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