天神南駅から歩いてすぐの渡辺通5丁目の路地には、近年、続々とニューフェイスの飲食店が増えています。今回訪れた「酒と肉バル sora」が、オープンしたのはそんな注目エリアがにぎわいをみせる少し前の2017年のこと。「隠れている場所でお店を開きたかった。隠れ家を探すのって、楽しいじゃないですか」と話すのはオーナーの冨田寛さんです。
その言葉通り、「sora」があるのは細い路地から、アパートのさらに細い階段を上がった2階。夜には立て看板が置かれるのですが、なければまず見過ごしてしまう場所です。
落ち着いた雰囲気の店内は、調理が目の前で楽しめるカウンター席がメイン。一人客専用のコースがあるというだけあって、おひとりさまは大歓迎! 仕事終わりに女性がふらっと訪れて、食事を楽しむ姿も珍しくありません。奥にはテーブル席もあり、カーテンで仕切れるので、カジュアルシーンだけでなくフォーマルな集まりに使う方もいるそうです。
この日はカウンター席で、「前菜盛り合わせ」(900円)からスタート。5、6種の前菜とのことですが、日によって種類や数は異なります。この日は、レバーパテ、エビ・イカのマリネ、自家製のロースハム&パストラミ、キッシュなど。数に入っていないものの、ハムの下にはキャロットラペが隠れていて、この一皿だけでかなりのボリューム。食感も味もバリエーションがあって、この一皿だけでワイン1杯では足りないほど十分な満足感です。
グラスワインは赤・白それぞれのハウスワインのほか、その日のおすすめがボードで紹介されています。また「すっきりした白が飲みたい」「この肉料理に合う赤はある?」など、好みや気分を伝えればメニューには載っていないワインから提案してくれるのも嬉しいところです。
次にいただいたのは、「魚介ミンチのラグーソース リングイネ」(1,600円)です。「ラグーソースというと肉と野菜を煮込んだボロネーゼを思い浮かべますが、もともとラグーとは“煮込む”という意味。当店のラグーソースは、タコを中心にエビ、貝柱など旨味が強い魚介を使っています」と冨田さんが教えてくれました。合わせるワインに迷い尋ねたところ、「軽めの赤か、重ための白をお好みで」とのこと。手打ちパスタは見た目のインパクト大のイカ墨入り。魚介の旨味をしっかり引き出したラグーソースは、肉で作るものとは違う優しさと上品さがあって深みのある味です。時折、コリッとしたおそらくタコの食感も楽しめます。
肉バルというだけあって、メインの肉料理が充実! 黒豚、京鴨、仔羊などどれにしようか迷ってしまいますが、この日はおすすめの「アメリカ産牛のミスジグリル」(2,400円)を選びました。炭火でじっくりと焼き上げて香ばしい香りをまとったミスジ肉。グレイビーソースやマスタードをお好みでつけていただきます。しっとりと柔らかな肉は、赤身らしい旨味が噛めば噛むほどに広がり絶品。サイズは200gほどとボリュームがあり、シェアするのにぴったりですが、ハーフサイズでの提供も相談可能ということで、1人で訪問した時も気負わずオーダーできます。
また肉と合わせるのにおすすめのドリンクは、ワインだけではありません。それが「sora」オリジナルの「ジンとにっく」(800円)。レモンの爽やかな酸味に、ピリッと辛いコショウがアクセントの肉専用サワーです。また、すっきりした日本酒をフルーティーなトニックウォーターで割ったカクテル「酒とにっく」(800円)もぜひチェックしたいところです。
1人でふらっとはもちろんですが、数人であれば予約して訪問するのがおすすめ。利用シーンや食べたいものを事前に伝えれば、それぞれに合わせて料理を提案してくれます。「お客さまが求める程よい距離感を大切にしたい」と話す冨田さんの美味しい料理と心地良い空間を、ぜひ楽しんでみませんか。
ジャンル:イタリア料理
住所:福岡市中央区渡辺通5-14-23 spaceG.T.O2F
電話番号:092-753-8629
営業時間:18:00~フードOS22:00、ドリンクOS22:30
定休日:日曜
席数:カウンター6席、テーブル6席
個室:なし
メニュー:前菜盛り合わせ900円、魚介ミンチのラグーソース リングイネ1,600円、アメリカ産牛のミスジグリル2,400円、自家製ソーセージのグリル(2本)600円、ボルチーニ茸のクリームリゾット1,500円、仔羊 骨つきロースのロースト 赤ワインソース3,000円、黒豚 肩ロースの炭火焼き1,800円、ジンとにっく800円、酒とにっく800円
URL:https://www.fukuoka-sora.com
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