中洲の錦小路という路地に、今回の店「博多馬肉処ふろく 本店」はある。紺色の暖簾がかかっているのが目印で、店内はカウンター8席だけのコンパクトな店だ。
この店には、約8年前に友人に連れてきてもらったのが最初で、その時に食べた冷凍じゃない生の馬刺しの美味さに衝撃を受けたのを今でも覚えている。
「ようやく入れたよ。いつも満席だからね。」
「たまたまでしょう。21時以降は比較的入りやすいですよ。」
と店長の野見山武晴さん。
この店がオープンしたのは2012年8月で、野見山さんが店長になったのはオープンして約5ヵ月後の2013年1月だ。野見山さんは高校卒業後に大手企業に勤めたが、3か月で退職。その後、寿司屋に10年ほど勤めたのち、餃子屋や焼肉屋、海外でのアルバイトを経て、この店の店長になった。
プライベートではキックボクシングの試合に出るために日々トレーニングしており、半年間でなんと30kgも減量したのだとか。見た目はゴツイが、実はとてもお茶目な人。
馬婆豆腐(マーボー豆腐)、青椒馬絲(チンジャオホース)、馬汁餃子(バジル餃子)など、彼の考案したメニューがダジャレ的ネーミングで思わず笑ってしまう。
オススメはなんといっても生の美味しさが味わえる「馬刺し」。馬肉は熊本が有名だが、ここでは福岡県内で処理された馬肉を使っているので、冷凍していないものを食べることができるのだ。生の馬刺しを初めて食べた人は、その美味さにきっとびっくりするに違いない。
「馬刺し(9種盛り)」(5,500円)は、仕入れにより種類が変わるようだが、今回は赤身(もも)、たてがみ、フタエゴ(あばらの部分)、ヒレ、タンの燻製、ネック、霜降り(ハラミに近い部分)、ハツ、レバーの9種類が1切れずつ盛り付けられていた。希少部位を含めた、いろいろな部位の馬刺しを少しずつ食べられるのは楽しい。他には、赤身、ヒレ、フタエゴを各2切れずつ盛り付けた「269盛り」(2,690円)や、赤身、ヒレ、サガリなどを4切れずつ盛り付けた「馬刺し4種盛り」(6,000円)などがある。
高たんぱく、低カロリーで女性に大人気の馬肉だが、夏は馬が夏バテしていて、冬の方が美味いらしいので、ちょうど今の時期が食べごろのようだ。
この「馬汁餃子」(880円)は、店主が餃子屋で働いていた経験を活かしたもので、バジルが効いている逸品。餃子の羽根が極薄で美しい。
そして、「馬サガリ鉄板」(2,800円)は、熱々の鉄板で提供されてくるので、まずはジューという音でいやがうえにも期待が高まる。馬のサガリ肉は柔らかく、牛のそれよりも適度な脂があった。
「とろたく」(1,100円/本)は、馬の霜降りをトロに見立てて、たくあんを合わせたもので、ヘルシーな鉄火巻きのような感じだ。これは野見山さんが寿司屋で働いた経験から考案されたものだ。
最後にいただいた「塩しそらーめん(馬肉入り)」(850円)は、しその香りが爽やかで、馬肉ベーコンの塩味がちょうどよい。これに合わせた「製麵屋慶史」のちぢれ玉子麺はツルもちタイプ。スープがあっさりしているので、シメにはぴったりの一品だ。
ちなみに馬肉が入っていないものは650円で、「追い飯」(100円)をして雑炊のようシメることもできる。
最後に野見山さんに将来の夢を聞いてみたが、やはり自身の店を持つ事らしい。彼が店主になった店はどのようになるのか今から楽しみだ。その前にまた馬刺しを食べに行きますね。
ジャンル:肉料理
住所:福岡県福岡市博多区中洲2丁目4-16
電話番号:092-263-0269
営業時間:17:30~OS翌2:00(日祝日は17:00~OS24:00)
定休日:不定休
席数:カウンター8席
個室:なし
メニュー:馬刺し9種盛り5500円、馬汁餃子880円、馬ホルモン鉄板1300円、スペシャルゆっけ3500円、とろたく1100円、生ビール660円、焼酎600円~、日本酒850円~、梅酒650円~
URL:https://hakata829.com/
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