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旨味に富んだ出汁が魅力。おでん好きを虜にする専門店が美野島に登場!

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皆さんが寒い日に恋しくなる食事って何ですか? 僕は断然「おでんと熱燗」。なぜか日本人に刺さるおでん屋は、僕らの“心のふるさと”の一つに思えます。
2023年6月、そこへ新たに「酒とおでんとツキふたつ」が仲間入り。周囲の評判も上々で、さっそく予約を入れてみました。

ツキふたつ店内

所在地の美野島界隈は、最近“ウマい店”が増えている注目のグルメエリア。嬉しいことに、「ツキふたつ」もそこに連なる資格十分の店でした。
古民家1階の玄関を開けると、すぐに懐かしい昭和の空気が包みます。カウンター6席の小バコ感も含め、郷愁誘う薫りがイイ感じ。やっぱりおでん屋はこうでなくちゃ。

さらに、千葉出身の店主・神地涼介さんの柔和な人柄も好感度大。東京の居酒屋にいた頃、看板料理の「牛タンと大根のおでん」に魅せられて、「いつか自分もおでん屋を」と決めたそう。「おでん以上に“出汁”の奥深さに惹かれたんです」
そんな神地さんの夢は、先輩の手伝いで移住した福岡で叶いました。店名は「ツキ(幸運)は一つより二つの方がいい」との意味ですが、おでん好きにはこの店の登場こそ一番のツキなんですよね。

ツキふたつ本まぐろ ツキふたつ鯛味噌

さて、噂のおでんをいただく前に、一品料理にちょいと寄り道。どれもシンプルながらひと手間かけてあり、この辺の真面目な仕事は開業前に修業した人気店「Yorgo」「にるご」譲りでしょう。

選んだのは、胡麻油入りの自家製ニラ醤油が香ばしい「本まぐろにら醤油」(900円)と、実山椒がピリッと味を引き締める「ほうれん草と鯛味噌実山椒」(600円)。小ポーションのアテ揃いなので、“お一人様”でも使いやすそうですね。

ツキふたつおでん鍋

そしていよいよおでんに突入! くつくつ煮える鍋を見ると、多彩なタネが黒っぽい出汁に浸かっています。ほんわり香るその湯気の、なんと甘く温かいことか……。
「出汁の色から関東風と思われがちですが、醤油は一切使いません」と神地さん。食材の特長が際立つ味は、大量のカツオ・昆布・椎茸を投じたオリジナルで、毎日継ぎ足すうちに色が濃くなったそうです。

ツキふたつおでん2

タネも約25種と十分な品揃え。さっそく定番の「大根」「玉子」(各200円)「牛すじ」(400円)を頼みました。今日で3日目の大根と玉子はさすがの味わい深さで、神地さんの言う通り、出汁が味の輪郭をくっきり浮き立たせています。
塩味抑えめで、飲み口はすっきり軽く、なのに旨味はとても濃厚。少しも食べ疲れしない秀逸な出汁でした。

ツキふたつおでん3 ツキふたつおでん4

いまが旬の「春菊」(300円)は凛とした歯触りが絶品。仕上げにパルメザンをかける洋風の「マッシュルーム」(400円)は、何乗にも膨らむ香りが堪能できました。ツボだったのは、油揚げに刻みネギだけを詰め込んだ「巾着九条葱袋」(300円)。ネギ好きの僕には感涙モノの傑作です。

細切りにした「じゃが芋」(300円)も、他店では見ないユニークなタネ。「シャキシャキ感を出すために、いろんな品種を試してメークインを選びました」。この軽快な食感にハマる人は多いのでは?

出汁の出来が良いだけに、店名に冠した日本酒との相性も抜群です。こちらも約15種と充実し、必ず好みが見つかる品揃え。日本酒や焼酎に出汁を加える「おでん出汁割」(600円)があるのも専門店ならではですね。

というわけで、小粋な美味が待つ「ツキふたつ」は愛さずにいられない魅惑の小バコ。「おでんで夏場の経営を乗り切れるかな(笑)」と神地さんは気にしてますが、いえいえ、冷房が効いた中でつまむおでんも全然アリですよ!

ツキふたつメニュー
店舗名:酒とおでんとツキふたつ
ジャンル:居酒屋
住所:福岡市博多区住吉5-18-10-1F
電話番号:070-7560-3663
営業時間:17:00~OS23:00
定休日:不定
席数:カウンター6席
個室:なし
メニュー:おでん:大根200円、玉子200円、牛すじ400円、春菊300円、マッシュルーム400円、九条葱袋300円、じゃが芋300円、牛たん600円/本まぐろにら醤油900円、ほうれん草と鯛味噌実山椒600円、甘辛豚煮込み600円
URL:https://www.instagram.com/saketoodentotsukifutatsu/

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この記事を書いたひと

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