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“敗北”を蒸し返す自民党福岡県連…市長選で党とは別の候補を推した市議2人に「離党勧告」

自民党福岡県連は、去年2月の北九州市長選挙で反党行為をしたとして北九州市議の2人を離党勧告の処分としました。自民党の関係者からは、過去の分裂選挙での対応と比較して疑問の声も上がっています。

10日間以内に異議なければ“除名”もあり得る

自民党福岡県連・原口剣生会長「離党勧告という形の中で、きょう15日付けで今総務会で可決した」

15日午前、自民党福岡県連の総務会が開かれ、北九州市議会議員の三原朝利氏と大石仁人氏の2人を離党勧告の処分とすることを決めました。理由として挙げたのが、去年2月の北九州市長選挙で2人が自民党が推薦した候補ではなく武内和久氏を応援したことです。原口県連会長は今後、10日間以内に異議申し立てがなければ、除名もあり得ると話します。

原口会長「異議申し立てがなかったら、その方向で自分たちは行かれるということで判断できますから、除名の方向に行くんじゃないでしょうか。これはまた党紀委員会と明確にお話しして決めていきたい」

それぞれ無所属でも出馬する意向を示している

今回の処分について2人は―。

北九州市議・三原朝利氏「除名処分という形になろうがなるまいが、当初から武内市長と共にという思いはなんら変わりありませんので、引き続き活動を継続していきたい」

北九州市議・大石仁人氏「判断に関しては近日中に決断して報告したい。今回の判断で志が折れるとか、出馬しないということは一切ありません」

2人は、処分の内容に関わらず、次の衆議院選挙に福岡9区と10区からそれぞれ無所属でも出馬する意向を改めて示しました。

10年前は処分されず…ダブルスタンダードに疑問の声

一方、自民党県連の党紀委員の経験者はこう話します。

「過去の事例と比べてみて信じられない。この時期に、さらに党にとってマイナスになる」

その例として挙げたのが、2014年の福岡市長選挙です。

阿部真之助市議(2014年取材)「自民党の市議団の皆さんを敵に回すかもしれませんが―」

この時の選挙では自民党の推薦を受けた現職の高島宗一郎氏に対し、自民党の市議が公然と対立候補を支援しました。さらに複数の自民党市議が、対立候補陣営の関係者と密会を繰り返していたことが確認されています。ただ、選挙後、党本部の方針に背いた自民党市議を県連は処分していません。1年が経とうとしている北九州市長選での敗北を自ら蒸し返している自民党福岡県連。これに対して2人は、地元の支援者の意見も聞いたうえで、今後の対応を決めたいと話しています。

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