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「寅寅寅」の遺伝子を継ぐ、“魚のうまい店”が渡辺通に新規オープン!

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「柳町 一刻堂」出身の店主が高砂で営む「寅寅寅(とらさん)」は、上質な魚料理がウリの人気居酒屋。その遺伝子を受け継ぐ店が、今年1月にオープンしました。聞けば「寅寅寅」店主の長男が出した店。ならば負けず劣らずのうまい魚に逢えるだろうと、ふだん以上の“魚モード”で「お魚 ことら」へお邪魔しました。

ことら店内

所在地は、地下鉄天神南駅から徒歩2分のビル2階。都心部にしては静かな小路で、いかにも小粋な店が隠れていそうな雰囲気です。階段の先の扉を開けると、「長居したくなる店」らしい温もりや親密さの漂う店舗が現れました。その和やかな空気の中心に立つのは、手際の良い仕事ぶりを見せる耳塚達也さん。意気揚々と「ことら」を旗揚げした、31歳の快活な店主です。

ことら店主

先述のとおり、耳塚さんは「寅寅寅」店主の息子さん。二代目は襲名せず、長年の夢である独立の道を選びました。父から調理技法を伝授され、柳橋連合市場の著名な魚屋「いと嘉」では魚を1年みっちり勉強。独立後は極上の天然魚介を仕入れつつ、世代を問わず楽しめる“居酒屋的空間”をつくろうと奮闘中です。
その挑戦を支えるスタッフは、ほがらかな奥様の麻希さん(写真左)と従兄弟の川澄孝裕さん(同右)。「実質的に家族経営ですね」と麻希さんの語るチームワークが、店を包む快適さの秘密なのでしょう。

ことら刺し盛り

「ここに来たら、絶対うまい魚が食べられる。そう思ってもらえる店に育てたいですね」と耳塚さんも抱負を語ります。そのための努力は、朝4時に長浜市場で誰よりも早く買い付けをするところからスタート。「いと嘉」で叩き込まれた目利きを生かし、良いものなら赤字覚悟で仕入れるそうです。
マグロ以外は天然物にこだわり、仲卸から直接買うため値段も比較的リーズナブル。定番の「刺身盛り合わせ」(6点盛り/1人前1,650円。写真は2人前)は、そんな努力の成果が直球で伝わる一品です。この日は糸島のサワラの炙り、大分のアオリイカ、大島の寒ブリなどで、豊かな風味や甘味はさすがのクオリティ。魚本来の魅力が、幸福感とともに口一杯に広がりました。

ことら煮付け

メニューには載っていませんが、煮付けと蒸し物は本日のお勧めを教えてもらえます。今宵はアコウやクツゾコといった7種類から「アラカブ煮付け」を選びましたが、えっ、これで1,980円? 丸々一尾の天然物で、この値段は間違いなくお値打ちです。醤油を加えた出汁で煮るため、身にもコク深い味が染みていました。
こんなアテを出されたら、日本酒が進まぬわけがありません。嬉しいことにこちらも銘柄豊富。「とどろき酒店」「住吉酒販」のほか、久留米や鹿児島など仕入れ先が多いため、たまに垂涎の激レア酒も入るというから日本酒党はご期待あれ!

ことら穴子

アテと言えば、「寅寅寅」名物でもある一夜干しも楽しみの一つ。耳塚さんいわく、美味しさの秘訣は「良い魚を見極め、丁寧に内臓を掃除し、酒やみりんなど調味料を的確に使い分けること」だそうです。
そうして仕込んだ品々は、水分を若干残したふっくら感とまろやかな塩味が見事に調和。なかでも一夜干しには珍しい「穴子」(825円。写真は2人前)は是非ものですよ。

というわけで、入店前に盛り上がった“魚モード”は100%大満足! 耳塚さんも「高級寿司店レベルの魚を提供する自信があります」と胸を張ります。初々しくも情熱的な“居酒屋魂”がまばゆい「ことら」。どうやらまた一軒、魚好きが一目置くべき店が増えたようです。

ことらメニュー1 ことらメニュー2
店舗名:お魚 ことら
ジャンル:居酒屋
住所:福岡市中央区渡辺通5-3-23プロスペリタ天神Ⅱ-1F
電話番号:092-707-1960
営業時間:18:00~OS翌2:00(日曜12:00~OS21:00)
定休日:月曜
席数:カウンター6席、テーブル12席
個室:なし
メニュー:刺身盛り合わせ1,650円(1人前/6点盛り)、アラカブ煮付1,980円、穴子一夜干し825円、自家製からすみ1,430円、豚ホルモン焼1,100円、手巻き寿司605円、コース1人前4,400円~(要予約)
URL:https://www.instagram.com/kotora_tenjin/

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この記事を書いたひと

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