日本三大八幡宮の1つに数えられ、正月の玉せせり、秋の放生会といった福岡を代表する祭りでも知られる「箱崎宮」。その前を通る道は江戸時代に整備された旧長崎街道で、箱崎は門前町であると同時に宿場町としても大いに賑わいました。その旧街道沿いで、箱崎宮一之鳥居のすぐ前にある築70年を超える古民家を改装したパン屋が「ナガタパン 箱崎店」です。営業時間は朝8時から夜7時までですが、その間徒歩や自転車でひっきりなしに客が訪れ、売り切れで早めに閉店することも珍しくありません。
ガラスの引戸を開けて中に入ると、古い柱や梁をそのまま生かした店内には旧式のコカ・コーラの自動販売機がディスプレイされたレトロな雰囲気。正面のショーケースには焼きたてのパンがズラリと並び、店員さんが対面で販売しています。
この店は元々春日市に本店がある老舗ベーカリー「パン・ナガタ」の箱崎店として開店しましたが、現在は店長を務めていた林洋史さんが暖簾分けのかたちで店を継承しています。余談ながら、「パン・ナガタ」からは「パンストック」や「マツパン」といった超人気店のパン職人を輩出しており、福岡のパン業界を語る上では欠かせない名店です。
昔懐かしさを感じさせてくれるのは、外観や店内の雰囲気だけではありません。ショーケースに並ぶパンの多くが気どりのない惣菜パンや菓子パンで、1個100円代からという値段も含めて昔ながらの"町のパン屋"の趣を残しています。
数ある惣菜パンの中でも、一番人気というのがカラッと揚げた「カレーパン」(200円)。辛さよりもむしろ甘みを感じる自家製カレーはコクがあり、クセになりそうな美味しさです。「焼きキンピラ」(210円)は、鰹節を使った和風の味付け。ふんわりとした食パンにハムやタマゴ、ツナなどを挟んだ各種サンドイッチ(370円)も人気で、朝食、昼食にもってこいです。
菓子パンは「メロンパン」(170円)、「あんぱん」(200円)、「クリームパン」(200円)といった定番の他、レーズンパンに練乳ラムレーズンクリームをサンドした「レザンレザン」(220円)や「デニッシュリンゴ」(300円)といった洋風パンのものも。とにかく毎日食べても飽きがこない、多彩なラインアップが揃っています。
木の階段を上った2階はカウンター4席、テーブル8席のイートインスペースで、購入したパンを深煎りのコーヒー(200円)ととともにその場で食べることができます。ここで昔ながらの惣菜パン、菓子パンを頬張れば、昭和の懐かしい記憶が蘇ってくるようです。
ジャンル:パン
住所:〒812-0053 福岡県福岡市東区箱崎1丁目44-20
電話番号:092-643-8680
営業時間:8:00~19:00(売切れ次第閉店)
定休日:火曜
席数:カウンター4席、テーブル8席
メニュー:練乳ぱん180円、あんぱん200円、カレーパン200円、レザンレザン220円、ツナフランス230円、焼きキンピラ210円、デニッシュリンゴ300円、クロワッサン210円、バゲット290円
URL:https://pannagata-hakozaki.com
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