※今回ご紹介のお店
BROT LAND(薬院大通)
シークレットレストランK(平尾浄水町)
2024年に創立70周年を迎えた、“食の中村”こと「学校法人中村学園」。1954(昭和29)年に「福岡高等栄養学校」を開校したのがそのはじまりで、多くの料理人や食産業に携わる人材を輩出していることで有名です。
福岡の食を支える「中村学園」の卒業生
UMAGAでは、学園創立70周年を記念し、卒業生が営む店、活躍する店を紹介する連載をスタート。シリーズ第1回目は「中村学園」の職員さんもお気に入りという浄水エリアにある卒業生の店を訪ねます。
こだわりのドイツパンもズラリ!
人気ベーカリー「BROT LAND」
最初にやって来たのは、薬院大通駅に近い浄水通の入口に店を構える「BROT LAND」。店舗の横にはテラス席もあり、まるでヨーロッパの街角のような雰囲気が漂っています。
「BROT LAND」は、かつて福岡にあった「スベンスカベーカリー」のリブランドとして、2012年に誕生したベーカリー。2015年に2号店の「電気ビル店」(渡辺通)を開業し、2022年には本店を今泉から現在の地に移しました。
店内には併設の工房で焼き上げる40~50種類ものパンが勢揃い。1969年創業の「スベンスカベーカリー」は福岡でいち早くドイツパンを広めた店としても知られ、その流れを汲む「BROT LAND」には、「ラウゲンプレッツェル」やライ麦100%で作る「シュバルツブロート」といったドイツパンもズラリと並んでいます。
店を営むのは「中村学園三陽中学校・高等学校」出身のオーナーシェフ・原田健生さん。日本とドイツにルーツを持つ原田さんは、大学卒業後に当時の「スベンスカベーカリー」を手がけていた「千鳥饅頭総本舗」へ入社。ドイツから招いたパン職人の通訳として現場に入ったことからパン作りの魅力に惹かれ、この道に進んだそうです。
「一つ一つの工程を丁寧に行い、発酵時間をしっかりとって、豊かな香りが広がる伝統的なパン作りを大切にしています。厳しいことも多い職人の世界ですが、途中で投げ出さずにやってこれたのは、中学・高校といい先生に恵まれて鍛えられたお陰かもしれません(笑)。身につけた技術は自分を助けてくれるし、お客様が喜んでくれることが何よりのやりがい。素材を吟味し、子供にも安心して食べさせられる健康的なパンを作り続けていきたいです」と原田さんは話します。
自家製の酵母を使い、使用する小麦粉は国産からフランス産までパンの種類に合わせて厳選。中でも人気は、ドイツパンを代表する「ラウゲンプレッツェル」(280円)や、クリームチーズとクランベリー入りのモチモチバゲット「クリクラ」(320円)、オリジナルブレンドの明太バターがじゅわりと広がる「明太フランス」(390円)です。すぐ近くにある燻製が自慢の店「スミヤキエビス」特製ベーコンと糸島産卵の目玉焼きを、ラウゲンクロワッサンに挟んだ新登場の「ラウゲンクロワッサンベーコンエッグサンド」(450円)もヤミツキになるおいしさでした。
雨天や荒天以外は、テラス席で味わえる「テラスセット」(1,000円)も数量限定で提供しています。パンは厚切りトーストまたはクロワッサンから選べ、トーストにはよつ葉バターとハチミツ付き。その他、手作りドレッシングで和えたキヌアサラダにキャロットラペ、飴色タマネギの濃厚な旨味と2種類のチーズがとろけるオニオングラタンスープもたまらないおいしさです。ドリンクはヨーロッパ発祥の本格派プレミアムコーヒー「COSTA COFFEE」から好きなものを選べますよ。
火~土曜日は8時から、日曜日は9時からオープンしているので、モーニングやランチにもぴったり。原田さんの思いが詰まったパンを、ぜひ味わってみてくださいね。
隠れ家的な古民家レストラン
「シークレットレストランK」
続いて、浄水通の坂道を上り訪れたのは、2023年6月オープンの「シークレットレストランK」。福岡市動植物園にも近い閑静な住宅街の一角にあり、まさに隠れ家と呼ぶにふさわしい一軒です。オーナーシェフの舟木慧さんは「中村学園大学・栄養科学部」の卒業生。築65年以上となるこの古民家に一目惚れして、レストランの開店を決意したそうです。
舟木さんは、渡辺通にあった老舗「タカクラホテル」で15年以上に渡り腕を磨き、西中洲のジビエ料理店でシェフを務めた実力派。4年に1度ドイツで開催され、総勢約2,000名が西洋料理の腕を競う「世界料理オリンピック」では、2020年に見事ブロンズメダルを獲得しました。料理人としてだけでなく、栄養士や氷彫刻師、専門学校講師、企業アドバイザーとしても活躍するなど、多方面で食を豊かにする活動を続けています。
「子供の頃から打ち込んでいるフィギュアスケートを続けながら、資格をとって白衣を着る仕事に就きたい。そう考えて大学に入学しましたが、だんだん学部の勉強の方が楽しくなっていき、気づけばこの世界にどっぷりとハマっていました。母が糸島の畑で露地栽培している無農薬野菜やハーブ、同級生が届けてくれる小呂島の新鮮な魚介、九州のジビエなど、力強い食材の美味しさを活かし、全て心を込めて手作りすることがモットーです」と舟木さんは話します。
また、「大切に使われてきた趣のある空間を守りたい」との思いから、古民家にはほとんど手を加えていないそう。欄間やレトロモダンな照明、緑豊かな庭も素敵で、春には桜も見えますよ。一人用の席や子供用のおもちゃ・絵本も用意するなど、細部まで配慮が行き届いていました。
玄関から向かって左側の部屋は物販スペースで、糸島の畑で採れた新鮮な野菜、自家製の焼き菓子、レストランで使用している100年前の波佐見焼なども販売しています。
さぁ、早速気になる料理をいただきましょう。ランチメニューは定番と週替わり、パスタを合わせて約11種類がズラリ。ランチはすべてスープ付きで、主食はご飯またはハーブを混ぜ込んだ自家製フォカッチャから選べます。
写真は西中洲時代からの人気メニュー「ジビエのメンチカツ 特製ウスターソース」(1,700円)。さっくりとした衣から溢れ出す、鹿や猪のジューシーな旨味がたまりません。ジビエなので食べ応えがあるのにくどさはなく、野菜や果物で作るウスターソースと添えられた旬の野菜も美味。塩のみで味付けたとは信じられないほど奥深い「春キャベツと新タマネギのポタージュ」も格別の美味しさでした。
ランチセットに前菜やデザートを追加してコース仕立てにできるほか、ランチのおまかせコース(3,300円~・要前日予約)も用意されています。写真は「手作り前菜15種盛り合わせ」「日替わりパスタ」「メイン2品盛り合わせ」などを楽しめる5,500円コースの一例です。小呂島ヒラスのエスカベッシュや糸島ビーツのオーブン焼きなど、前菜はひとつ一つ手が込んでいて、「山都町ジビエのミートパスタ」や肉と魚2品を盛るメインにも大満足!
平日はモーニング営業、金・土曜はディナー営業も行っているので、Instagramの営業日カレンダーをチェックして出かけてみてくださいね。
この記事は「学校法人中村学園」の提供でお届けしました。
ジャンル:パン
住所:福岡県福岡市中央区薬院4丁目6-32 ブロートラント
電話番号:092-406-2422
営業時間:8:00~19:00(祝日~18:00、日曜9:00~16:00)
定休日:月曜
席数:テラス8席
メニュー:ラウゲンプレッツェル280円、クリクラ320円、明太フランス390円、塩パン240円、ライ麦100%シュバルツブロート400円、ラウゲンクロワッサンベーコンエッグサンド450円、数量限定テラスセット1,000円
URL:https://www.instagram.com/backerei.brotland
ジャンル:その他レストラン
住所:福岡県福岡市中央区平尾浄水町5-5 シークレットレストランK
電話番号:092-406-2057 (9:00~18:00受付)
営業時間:11:00~18:00(モーニング営業日は9:00~16:00)、金・土曜11:00~15:00/18:00~21:30
定休日:不定
席数:テーブル30席
個室:2~24名
メニュー:ランチ「糸島の野菜たっぷりプレート」1,400円、「ジビエのメンチカツ 特製ウスターソース」1,700円、今週のパスタ1,400円~、おまかせランチコース3,300円、4,400円、5,500円(要前日予約)
URL:https://www.instagram.com/secret.restaurant.k
この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう