昨年10月にオープンし、早くも行列ができる人気店となったのがベーカリー「BAKELUCK」です。店を目指して藤崎駅から歩いて2分ほど、百道南公園手前の脇道へ入り、さらにその奥へ歩みを進めると、パッと明るく開ける視界。昨年リノベーションが終わったばかりというマンションの1階で、可愛らしい外観のベーカリーが迎えてくれます。
「路地の裏の、さらに裏。わかりにくい場所で、迷われるお客さまも多いんです」と話してくれたのは、店主の山口竜大朗さんです。以前は料理人として飲食店で働いましたが、パティシエだった妻の彩さんと共に、ベーカリーを開くことを決意。「DEAN&DELUCA」や「アンデルセン」などでパン作りを学び、昨年、夫婦でこの店をオープンしました。
アンティーク調の店内には色とりどりのパンが並び、何を選ぶか目移りしてしまいます。毎日50種類ほど用意するといい、食パンやバゲットなど定番からサンド系、焼き菓子までバラエティ豊か。竜大朗さんが直売所で見つけた旬の野菜を使った限定パンが登場する日もあります。パン屋に来ると、あれもこれもと手にとって、あっという間にトレーの上が山盛りになる私。迷いながら、山口さんご夫婦おすすめのパンをセレクトしました。
まずは看板商品の「フォカッチャ」(ホール1,400円)。直径24cmのドーム型で、いくつも並ぶパンの中でもどっしりとした存在感を感じます。ハーフサイズ(700円)、4分の1サイズ(350円)でも購入できるので、「まずは試しに」と買ったお客さんがハマり、一つ大きいサイズでリピートすることも多いそうです。私もこの日は4分の1サイズを購入。国産小麦にレーズン酵母、さらにゲル状になるまで火を通した米を混ぜて焼き上げたという「フォカッチャ」は、オーブンで焼く途中にオリーブオイルを流し込むことにより、揚げ焼きしたような仕上がりです。そのため外はサクッと香ばしく、中はもっちり。程よい塩味が効いて、生地の旨味をしっかり感じることができます。ローズマリーなどのハーブは加えずシンプルに仕上げているので、どんな料理とも合わせやすいのも嬉しいですね。
料理人だった竜大朗さんのこだわりが光るのが「さばサンド」(450円)。数種類のスパイスを使ったマリネ液に一晩漬け込み焼き上げたサバは、豊かな香りとともに口いっぱいに旨味が広がります。パンはゴマ、カボチャのタネ、オーツムギなど数種類のシリアルを混ぜ込んだもの。生地がもっちり焼き上がるようにと、一度湯がいたシリアルを使用しています。
「さばサンド」と同じシリアル入りの生地を使ったのが、「クロックムッシュ」(320円)です。濃厚なベシャメルソースにグリエールチーズ、ミックスチーズを使った食べ応えがある一品。そのままでも美味しいのですが、トースターでリベイクすると、香りやコクがよりしっかりと感じられます。
コーヒーや紅茶のお供にぴったりの甘いパンも充実。ホエイを加えたブリオッシュ生地にシナモンペーストを混ぜ込んだ「シナモンロール」(240円)は、口溶けの良さが特徴です。甘過ぎず、でも濃厚な味は1個で十分な満足感。ファンが多い「フロランタンクロッカン」(250円)は、フロランタンのベースにクロワッサン生地を敷き詰めて焼きあげています。ザクッとした食感のあと、クロワッサン生地からじゅわじゅわと溢れるバターの風味がたまりません。
「ご近所さんたちの憩いの場として、長く愛される店になりたいと思っています」と竜大朗さん。この日も行列が落ち着いた時間を見計らったかのように、近くに暮らすお客さんが続々と顔を出し、山口さんご夫妻と世間話を楽しまれていました。
オープン前から行列ができる「BAKELUCK」。売り切れ次第閉店なので、たくさんの種類から選びたいならオープン直後の訪問がおすすめです。狙い目は雨の日とのことで、比較的並ばずに購入することができるそう。パン激戦区・福岡に誕生した、期待のベーカリーです。
BAKELUCK(ベイクラック)
福岡市早良区百道1-5-1エスペランサ百道102
092-836-5790
ジャンル:パン
住所:福岡市早良区百道1-5-1エスペランサ百道102
電話番号:092-836-5790
営業時間:11:30~16:30(売り切れ次第閉店)
定休日:日・月曜、ほか不定休あり
メニュー:フォカッチャ ホール 1,400円/ハーフ 700円/4分の1サイズ 350円、さばサンド 450円、クロックムッシュ320円、シナモンロール240円、フロランタンクロッカン250円、バケット 1本300円/ハーフ 150円、ソルトセサミ 260円、メロンパン 220円
URL:https://www.instagram.com/bakeluck.f
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