注文住宅の建築計画中、住宅メーカーを選定したり住宅の完成イメージをつかんだりするためにモデルハウスを参考にしてみたいという方は多いでしょう。
モデルハウスの見学は少し敷居が高く感じるかもしれませんが、住宅メーカーは基本的に見学を歓迎していますので、不安を減らすために見学マナーや注意点を事前に知っておくのがおすすめです。
今回は、モデルハウスを見学する時に押さえておきたいマナーと注意点をご紹介します。初めてモデルハウスを見学する方はもちろん、何度かモデルハウスに足を運びたい方もぜひ参考にしてください。
「モデルハウスを見学するだけ」はOKか
家を新築することを漠然と決めた段階や建築計画の初期段階で、内容が具体的に決まっていなくてもモデルハウスの見学は可能です。「営業マンから質問されても答えられることが少ないから自由にモデルハウスを見学したい」という方もいるのではないでしょうか。
モデルハウスは基本的にオープンな場所なので、建築計画が決まっていなくても見学できます。自分のペースでモデルハウスを見学したいなら、モデルハウスに入った時に「今日は見学だけしたいです」とスタッフに言っておけば問題ありません。
ただし、構造やオプションの範囲など説明を受けないと理解しにくい内容もありますから、スタッフから説明を受ける方がより多くの情報を得られると言えます。見学中に知りたいことが出てきたらスタッフに質問してみるとよいでしょう。
モデルハウスをスマートに見学するための基本マナー
自由に見学できるとはいえ、モデルハウスは住宅メーカーの営業ツールですから最低限のマナーを意識しておくことが大切です。スマートに見学するための基本マナーを4つご紹介します。
展示品に汚れや傷をつけない
モデルハウスは他の見学者も利用するオープンな施設です。実際に展示品に触ったり動かしたりできる場合もありますが、基本的には見学のみが可能と考えておきましょう。
たとえば素足であちこち歩き回ったり、窓ガラスを直接触って指紋をつけたりして展示品を汚すのはNGです。靴下やストッキングを履いていくか、モデルルームで出されたスリッパを履く、スタッフに断りなく展示品を動かす、ベッドに寝転がるといった行為は避けるのがマナーです。
また、小さい子どもを連れて見学する時は、展示品に触れないよう配慮することも大切です。テーブルの上の食器を倒して割ったり、おもちゃを手にしたまま走り回っていて壁や床に傷をつけたりする危険があるため、見学中は抱っこするか手をつないでおくと安心ですね。
住宅メーカーによっては契約者にモデルハウスの家具や家電などをプレゼントする特典をつけることがあります。モデルハウスにある展示品はすべて住宅メーカーの「商品」ととらえ、汚れや傷をつけない配慮が必要です。
モデルハウス内のトイレは使用しない
モデルハウスは一般の住宅と同じように仕上げられていますが、あくまでもサンプルなので水まわり設備は設置してあるだけの状態になっています。電気や水道が通っていないことが多く、基本的には使えません。
特にトラブルが多いのがトイレです。一見普通のトイレと同じように見えるので、万が一使ってしまうと清掃が済むまで他の見学者が見学できない状態になってしまいます。モデルハウス内のトイレは使用せず、スタッフに確認しましょう。
閉まっているドアを勝手に開けない
モデルハウス内で閉まっているドアを勝手に開けるのはNGです。モデルハウスには営業マンやモデルハウススタッフが使用するオフィスや備品・カタログなどの在庫を収納しているスペースがあり、見学者は立ち入りできません。
モデルハウス内の見学可能エリアのドアは基本的に開かれています。「関係者以外立ち入り禁止」などのプレートがつけられ閉められているドアは触らないようにしましょう。
動きやすい服装で行く
モデルハウスを見学するために住宅展示場に行くと、平均2~3棟を回る人が多いと言われています。モデルハウスに入るたびに靴を脱ぐ必要があるので、着脱に時間がかかるロングブーツやストラップ式ヒールは避けるのがおすすめです。
また、モデルハウス内を歩く時は、しゃがんだり階段を昇り降りしたりする動作が増えます。女性は階段の昇り降り時に気を使わずに足元が動かしやすい点から、スカートスタイルよりパンツスタイルの方が見学に集中できるでしょう。
建築計画の有効なヒントにしたい!モデルハウス見学の注意点
せっかく手間と時間をかけてモデルハウスを見学するからには、今後の住宅建築計画に生かせるヒントをつかんで帰りたいですよね。モデルハウスを見学する際に知っておきたい注意点を2つご紹介します。
オプションの範囲を確認しておく
モデルハウスは「どのような住宅が建てられるのか」を見せる住宅メーカーのショールーム的存在です。標準仕様よりもランクが高いオプション仕様にして、より個性的な間取りや内装・設備に仕上げていることも少なくありません。
「モデルハウスと同じようにしたい」と希望を出したらかなり予算オーバーな見積が出てきた…ということにならないよう、モデルハウスの中で標準仕様がどの部分なのか、オプション仕様を選べる範囲はどれくらいなのかをしっかり確認しておくとよいでしょう。
こだわりたい項目を重点的にチェックする
モデルハウスを見学する時は目的を明確にしておくのがおすすめです。建てたい家について要望をまとめないままとりあえずモデルハウスを見学すると、「見たけれどあまり記憶に残っていない」という結果になりやすいからです。
構造やデザイン、間取りなどマイホームを建てる上でこだわりたい項目を事前にピックアップしておけば、要点を絞ってモデルハウスの見学やスタッフへの質問ができて今後の建築計画にきっと生かせますよ。
まとめ
わくわくする一方でちょっと緊張してしまうモデルハウス見学。理想のマイホームを手に入れるための情報収集には欠かせないだけに、スマートに見学して家づくりの参考にしたいですね。
RKB住宅展ではさまざまなタイプのモデルハウスが見学できます。今回ご紹介した内容を参考に、RKB住宅展にぜひご家族で足を運んでみてくださいね。
WRITER
河野 由美子 二級建築士・インテリアコーディネーター・防災備蓄収納1級プランナー
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住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手ハウスメーカーでの勤務を経て独立。 日常の中に非日常を感じられる空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗などの設計およびインテリアコーディネートに携わっています。 建築インテリア関連記事の企画執筆や監修業務、研修講師、建築関連資格対策テキスト監修、工務店施工事例集ディレクションなどの実績も多数。
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