PageTopButton

きょうだい 障がい者の兄弟姉妹として

弟と一緒に絵画ビジネスを起業した福岡県粕屋町在住の太田信介さん(48)。重度の自閉症と知的障がいを持つ弟・宏介さん(41)が絵を描き、信介さんが個展を開催したりレンタルアートを手掛ける。宏介さんの作品は独特な色使いと大胆な構図の動物画が多く、全国にファンを持ち時には100万円の価格で販売される作品も。

 

仲睦まじい兄弟だが、信介さんは子どもの頃から多動のため大きな声で騒ぐ弟の存在を恥ずかしく思い、周囲に知られないようにしてきた。大学も一人暮らしをするため県外の大学に進学。そんな信介さんが脱サラしてまで弟と起業しようと思い切った切っ掛けは…。仕事で疲弊して帰ってきた信介さんは、弟の絵に囲まれ心が癒されていくのを感じた結果、弟の力に気づききょうだいの在り方も変わっていったという。

 

「障がい者のきょうだいにとって一番の課題は自身の結婚と親亡き後の事」と語る太田さん。自身は理解ある伴侶と巡り合ったが、悩めるきょうだいたちを支えたい、と福岡きょうだい会を立ち上げた。2カ月に1回福岡市で開催される会には様々悩みを抱えた障がい者のきょうだいが集い、悩みを打ち明けアドバイスを送り合ったりしている。「障がいがあるきょうだいの事を友人にも話せない、という人が多いが同じ境遇の中で思いを打ち明けたら間に進むことが出来る。きょうだいの先輩として、悩める人を支えたい」と太田さんは語る。

 

(制作:RKB毎日放送/石川 恵子)

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう