夏の夕べに涼を届ける 桃とシャンパンのマリアージュ
今回は、大名の「Bar Palme d'or(バー パルムドール)」を訪問。2003年12月の創業より20年の時を経て、若い世代が闊歩する大名の街に佇みながら、幅広い年代のウイスキーファンやカクテルファンに愛されているバーだ。
また「Bar Palme d'or」は、同じく大名にある「Bar Oscar」(1996年創業)の姉妹店でもある。オーナーバーテンダーの長友修一さんに両店のコンセプトの違いを伺ったところ、「Oscarは創業当初よりカクテルをオーダーされるお客様が多く、ウイスキーを落ち着いた雰囲気で味わっていただける空間をイメージして、2号店としてPalme d'orをオープンしました。ちなみに店名については、Oscarは敬愛するアーティストであるOscar Peterson(オスカー・ピーターソン)にちなんで、Palme d'orは、ご存じの通り「カンヌ国際映画祭」でグランプリ作品に与えられる賞のことですが、バーを劇場、洋酒やカクテルを作品に見立て、非日常的なひとときをお客様と創り合い喜び合える場所にできたら、という想いを込めて名付けました」と、丁寧にお答えいただいた。
季節のフルーツを使ったシャンパンカクテルは「Bar Palme d'or」のいわば定番メニュー。この日のフルーツを店長の松本尚之さんに尋ねると、福岡県朝倉市産の「桃」とのことで、今年の初物を喜び勇んでオーダーする。
背の高いグラスに可憐なディルの花が添えられてサーブされ、見た目も涼やか。桃のネクターの豊潤な甘さを気品あるシャンパンの泡が包み込む、実に贅沢な一杯だ。
左から「SMWS 149.7 アードナムルッカン」(3,350円/30ml)、「SMWS 1.285 グレンファークラス」(4,180円/30ml)、「SMWS 19.83 グレンギリー」(4,400円/30ml) ※写真はいずれもハーフショット(15ml)
フルーツカクテルをいただいた後は、ウイスキーのテイスティング(飲み比べ)を。
「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ(SMWS)」は、ウイスキーの魅力を広く深く楽しむために設立された世界で最初のウイスキークラブ。世界各国の約35,000人が会員となり、主にスコットランドを中心とした蒸溜所から独自に仕入れたアイテムを会員内でシェアしている。
長友さんや松本さんはSMWSの会員でもあるため「Bar Oscar」や「Bar Palme d'or」には、一般流通していない、シングルカスク(一つの樽のみ)かつカスクストレングス(無加水で樽熟成時と同じアルコール度数)で瓶詰めされた個性の結晶のようなSMWSボトルが揃っている。
アフリカ原産の巨木ブビンガの存在感に圧倒される一枚板のカウンターに腰を据え、未だかつて知ることのなかったウイスキーとの出逢いに身を委ねてみるのもこのバーの愉しみの一つだ。
ジャンル:バー
住所:福岡市中央区大名1-14-18 YKビル2F
電話番号:092-716-7110
営業時間:19:00~翌2:00
定休日:火曜
席数:カウンター8席、テーブル12席
メニュー:チャージ1,100円、ピーチ・ベリーニ2,530円、フルーツカクテル2,200円~、カクテル1,650円~、ウイスキー1,650円~
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